4-10.楽器を買い替えました(2)

私が買いたいチェルベニーのチューバはCFB654というモデルなのだが、

もう作っていないことがわかった。が、ここで食い下がるわけにはいかない。

と、中古が無いかネットで探しまくる。

(日本国内に)あるにはあったが、すでに販売済・・・

それで次は、海外のサイトで探してみた。

(ちなみに楽器やマウスピースは試奏して買え、といわれるが私はあまり

そうは思っていない。昨年も中古のスーザを海外から取り寄せ、最初は使いにくい

楽器だと思っていたが今はかなり自分の思うように鳴ってくれているし、マウス

ピースだって楽器屋で試奏して買ったものの、1週間くらいしてやっぱり自分に

合わないと思ったことも多々あるからだ。中国製は抵抗があるけど楽器は

自分で育てるものだと思う。)

 

いくつか見つかった。

今後海外の中古楽器を買う人はよ~く読んで参考にしてほしい。

 

A. ドイツの個人売買のサイト

ドイツにも、日本でいうメルカリやヤフオクのような個人売買のサイトがあり

そこで見つけたもの。出品者に質問することもできる。

私はドイツ語の簡単な文くらいならわかるが、相手と交渉するレベルでは

ないので、英語でいろいろやりとりをした。一部抜粋して紹介しよう。

Q.「この楽器はケース付ですか?」  

A.「はい、付いてます」

Q.「ソフトケースですか?」

A.「ハードケースだけど50ユーロ追加でソフトケース付にしてあげます」

ん?50ユーロ(約6000円)で新品ソフトケースが買えるのか?

Q.「ソフトケースにはショルダーベルト、リュック用ベルトが付いてますか?」

A.「はい、付いてます」

なんか話がうまく進みすぎてるな・・・

Q.「ソフトケースは、楽器にフィットしますか?ブカブカだったりしませんか?」

A.「はい、フィットします」

ん?何でソフトケースが手元に無い(はず)なのにフィットするかわかるんだ?

Q.「ソフトケースのメーカーと型式、色など教えてください」

A.「・・・(返信なし)」

あやしいな・・・

Q.「現状の楽器とケースの画像を送ってもらえますか?」

A.「すみません、私はカメラを持っていないので送れません」

Q.「スマートフォンの写真でもいいので画像ください」

A.「すみません、送れません」

これはおかしい!!

Q.「あなたの出品画像は昨年他の人がebayで出品していたものと同じように

  見えますが、あなたはこの人から買ったのですか?」

A.「私には時間がありません、早く買うかどうか決めてください」

これはあかん!!!!!

・・・という感じで、この人とは縁を切った。

後日、(ebayで)昨年この楽器を出品していた人(ドイツの中古楽器店)に

連絡を取り、このことについて(英語で)問い合わせてみた。その返信はこんな感じ。

「それはニセ出品者ですよ。その人はネットで他人の画像を使い、

出品者を装って送金させ、品物を送らずにドロンするから、気をつけなさい」

*ちなみにebay(イーベイ)とは、全世界に網を張っているオークション+販売の

サイトで、かなり信頼度が高いもの。

 

B. 中国のサイト

Alibaba(アリババ)という中国に本拠地のあるサイトで見つけたもの。

価格は2000ドルちょっと、送料無料と書いてある。あやしい品物だが

楽器の状態について教えてください、と英語で質問。

2週間くらいたって、忘れたころに返信が来た。

「この楽器は、いくらか修理が必要です。よろしく」

ということでここも手を引いた。

中国は悪い品を売りつけるという印象だったが、正直に答えてくれた点は

個人的に評価したい。

 

C. オーストリアの個人売買のサイト

Aと同じく、英語で質問してみたが全然返事が無い。

しつこく3回送ったが音沙汰なしのため、却下。

 

D.ドイツのtubashop

ドイツにtubashopという、中古チューバを専門に扱っている店がある。

実は上記のAで書いた、昨年この楽器を出品して(2990ユーロで)売った人。

ダメモトで「この楽器ないですか?3000ユーロなら即、買います」と

英語で送ったところ、3,4日してebayにあげてくれた。

ただし、価格が3950ユーロ。本当は4000ユーロにしたいのだろう。

オーバーホール済だし、超音波洗浄されているし、信頼できる出品者なので

(実は、昨年スーザを買った時と同じ店)どうしようか迷っていると

1週間くらい経って3850に値下げされた。

ほぼ間違いなく自分のために出品してくれているので買ってあげたい、

いや、買いたいなあ・・・もう少し下がらないかなあ・・・

この楽器が欲しい人は自分以外にいないだろうから、出品期限ギリギリ

(来月中旬=2017年1月中旬)まで値下がりするのを待つか。

と、呑気に考えていたのだが、ユーロの予想をネットで見ていたら、

今(2016年12月下旬)1ユーロ=122円くらいだが、来月中旬には132円くらいに

なるらしい。

えっ!じゃあ、今の3000ユーロと来月の3000ユーロは、来月の方が

30000円高いってこと?これは値下がりを待つより早めに買った方が

得なんじゃないか?

ということでメールにて交渉し、3750ユーロで決まった。

 

さて今度はソフトケース。以前のヤマハのチューバで使っていたソフトケースと

同じメーカーに頼むと(オーダーメイドだが)6万円するとのこと。

出品者に、この楽器に合うソフトケースが無いか聞いてみたらドイツのアマゾンに

あるものを紹介してくれた。だが、これはベルの出口がフタになっていて楽器を

縦に入れるタイプ。私は横に入れるタイプのソフトケース(ハードケースと

同じように入れる感じ)が欲しかったので、これまたドイツのサイトで探し、

サイズもtubashopに確認を取り、決定。25ユーロ追加するから、この

ソフトケースを買って、チューバをケースに入れた状態にして梱包して欲しい、

と頼んだところOKがもらえた。

(楽器本体とソフトケースを別に注文して送ってもらうと、チューバ2つ分の

大きさの荷物になりますからね。当然送料も高くなる)

 

あとは輸入代行業者をどこに頼むか、だ。

日本の代行業者に頼むと、代行手数料は品物の値段の15%くらいが相場のようだ。

安いものなら気にならないが、高額商品だととんでもない値段になってしまう。

探していると、ドイツにドイツ在住の日本人がやっている代行業者があり、安いので

そこに頼もうと考えた。 (日本人が対応してくれるという安心感から)

しかし、1000ユーロ以上の商品の場合は出品者に自分で送金して下さいとの

ことで、自分でしなくてはならなかった。

(ebayの品物だし、出品者も店なのでぼったくりとかの心配はいらないだろう)

これでさらに安くついた。

ところが。

この代行業者、12/12から1/22まで出荷のみ冬季休暇なのだ。

今、年末なので送られるまで1か月近く待たないといけないということ。

届くまで時間がかかるけど仕方ない、とあきらめている中、また質問(日本語)。

 

Q.「冬季休暇中、貴社にて長期間楽器を預かってもらうとなると破損等の心配が

  あるので出荷前に一度中身を開けてチェックしてもらえますか?」

A.「楽器用に特別に梱包されたものを弊社で開封した場合、我々では元の状態に

  戻すことができない可能性があり、中身を開けてチェックはできないかも

  しれません」

Q.「貴社にはチューバという楽器の実物を見たことがある人はいない可能性が

  高いと思いますが、楽器の状態をどうチェックするのでしょう?」

A. 「その通りで、弊社で中身を開けてチェックはできません」

Q. 「提案ですが、貴社に輸出入に関する書類だけ作っていただくことは

  できますか?」

A. 「書類は輸出者が作るので、出品者様が書類作成できれば、出品者様から

  チューバを直接日本に送ることが可能です」

 

・・・ということは、出品者(tubashop)が書類作成できれば、代行業者を

使う必要がなく、しかも直送なので早く着き(荷物が代行業者を経由する

必要が無い)、安く上がるということだ!

で、tubashopに問い合わせると、書類作成はできないが、書類なしで日本に

直送できる方法があるとのことで、そのようにしてもらった。

結局、代行業者に依頼しないことになったので、これで日本円にして3万円近く

浮いたことになった。

出品者(ドイツ)→代行業者(ドイツ)→購入者(日本)が、

出品者(ドイツ)→購入者(日本)で済んだ、ということ。

 

これでひと段落ついた。

さて、楽器は確保できたのであとは送金すれば自分のやるべきことは終わりだ。

相手はpaypal(ペイパル)での送金をすすめてきた。

paypalというのはまあ、全世界共通の電子マネーである。

bank transfer(銀行間送金)でもいいのだが、これだと手数料を私が負担する

ことになるらしいので、ここはpaypalで払うことにした。

paypalって手数料が売り手負担なのか!ありがたいシステムだ!と思っていたが

売り手はその分を見越して商品の売値を少し高めに設定するものらしい。

で、送金しようとすると、できない・・・

paypalでは、一度に10万円以上の送金ができないのだ。

さっそくpaypalに問い合わせると、高額を一度に送金できるようにするには

手続きが必要で、免許証の表裏の画像を送って、2週間ほど待たないと

いけないとのこと。

じゃあ分割して送ればいいのか聞くと、複数の品物に対して複数回にわけて

送金するのはいいが、1つの品物に対して複数回にわけて送金するのは

リスクが伴い、なんかややこしく2-3週間かかるらしい。

どっちにしても時間がかかるので、分割して送った。これでほっとした。

 

そうして2017年1月12日に楽器はドイツを出発し、25日に私のところに

届いた。

1月25日は、我が福井県は「天神講」の日で、菅原道真の命日といわれる

この日に、正月から掛けてある天神様の掛軸に焼きガレイをお供えし、

無病息災と学業成就を祈る風習がある。私の両親は福井の人ではないので

我が家にそんな風習も掛軸も無いが、これから楽器が上達することを願って

会社の帰りに近くのスーパーのテントで売られていたカレイを買って

楽器にお供えした。

カレイがわかりづらいが・・・

 

スーザを買った時と同じ所から送られてきたのに、梱包はかなり丁寧だった。

箱の内側には、ちょっと蹴飛ばしたくらいでは大丈夫なように樹脂プレートが

貼られていた。何なんだこの差は?

おそらく、私が店の代表者(販売者)としつこくやりとりしたので

店長じきじきに梱包したのだろう。

 

・・・ということで中身はこんな感じ。

日本国内にはF管用のチューバ教本が無いようなので、チューバセンターから

ドイツ語の教本を買って訓練中である。乞うご期待!

 

 

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