3-2.ロータリーチューバのお手入れ


ローターオイルの注油

ピストンチューバはピストンに直接オイルを差すことができますが、ロータリーは

直接というわけにはいきません。

修理屋さんでない人がロータリーを分解すると、もとどおりにうまく組み立てられない

からです。そのため、ロータリー楽器は抜き差し管からオイルを入れることになります。

ローターオイル(ロータリーオイル)を差す時は、管の中の汚れがロータリーに

行かないよう、工夫が必要です。

上の図のようにベルを上にして1番管からオイルを入れ、レバーを動かしながら

それぞれのロータリーに行きわたらせるのですが、入れたオイルの果たしてどれだけ

4番ロータリーに到達しているのか?外から見てもわからないし、相当いれないと

いけないような気がします。そこで下の図のようにしてもかまいません。

① このような状態でチューバをヒザの上にのせます。

② まず、レバーをいじらずに2番管からオイルをたらします。

 (管の内側につかないように!)そして2番レバーをカシャカシャ。

 これで2番ロータリーはOKです。

③ 次に、2番レバーを押した状態で、図の右側の2番管にオイルを

 たらします。これでオイルは1,2ロータリーの間に来ました。

 そして楽器を少し右(ベル側)に傾け、1番レバーをカシャカシャ。

 これで1番ロータリーにオイルが行きました。

④ 同じ要領で、今度は2番レバーを押した状態で、図の左側の2番管

 にオイルをたらすと、オイルが2,3ロータリーの間に来ます。

 そして楽器を少し左(ベルと反対側)に傾け、3番レバーをカシャカシャ。

 これで3番ロータリーにオイルが行きました。

⑤ また同じように、2、3番レバーを押した状態で、図の右側の2番管に

 オイルをたらすとオイルは3,4ロータリーの間に来ます。

 そして楽器を少し左(ベルと反対側)に傾け、4番レバーをカシャカシャ。

 これで4番ロータリーにオイルが行きました。


この方法だと、楽に、ムダなく確実にオイルを差せると思います。

⑤ の4番ロータリーへの注油は、ベルを下にして楽器を立て、

チューニング管から入れるという方法もあります。

●ロータリー部はピストンに比べて精密に作られているため、管内の汚れが

 できるだけロータリーに行かないようにすること。

●ローターオイルは、差しすぎるとオイルが固まってロータリーが動かなく

 なることがあるので、多く入れないこと。

この2点がピストンより気をつかわないといけない所です。

管の中でも吹き込み管(マウスピースをつけるところの管)は汚れが

いちばんたまる所なので、ここの汚れをロータリーに流さないよう、

吹き込み管から水を入れたりフレキシブルクリーナーを突っ込んだり

するのは厳禁です。

この図のように、時々水を通してやるのもよいかと思います。

また、ロータリー部は密閉されているのでローターオイルは減りが遅く、

毎回差す必要はありませんが、マメに差す人は楽器を吹かない時でも

(学生さんなら、テスト期間中の時などにも)ロータリーを数回動かして

やってオイルが固まるのを防ぐのがいいと思います。

 


ロータリーチューバで使うオイルはまだほかにあります!

上図の矢印部分のスキマにはスピンドルオイルを注油。

レバーオイルはバネの部分に注油します。


ローターオイル、スピンドルオイル、レバーオイルはそれぞれ粘度(ネバネバの度合い)が

違うので、決まった場所以外では使わないように!

ローターオイルを差す所にレバーオイルを使うと、オイルが固まってロータリーが動かなく

なるので注意が必要です。

間違い防止のため、オイルの容器に色を塗る、テープを貼るなどするといいかもしれません。



ダンパーの交換

ロータリー部には、上の図のように矢印の部分に小さなゴムまたはコルクでできた

ダンパーがあります。吹く時にレバーを動かすたび、これに当たってロータリーの回転を

制御しています。(ゴムの場合、色は黒だったり透明だったりします)

これがすり減ってくるとロータリーが(わずかですが)回転しすぎて息がうまく

流れないため、交換が必要です。

先のとがったものできれいにダンパーをほじくり出して、新しい部品をはめこむだけ。

部品を注文すれば自分でもできます。

心配は人は一度楽器屋さんにやってもらい、その様子を見せてもらうといいです。

ポロッと落ちないよう、少量の接着剤をつける人もいます。

 

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