ローターオイルの注油
ピストンチューバはピストンに直接オイルを差すことができますが、ロータリーは
直接というわけにはいきません。
修理屋さんでない人がロータリーを分解すると、もとどおりにうまく組み立てられない
からです。そのため、ロータリー楽器は抜き差し管からオイルを入れることになります。
ローターオイル(ロータリーオイル)を差す時は、管の中の汚れがロータリーに
行かないよう、工夫が必要です。

上の図のようにベルを上にして1番管からオイルを入れ、レバーを動かしながら
それぞれのロータリーに行きわたらせるのですが、入れたオイルの果たしてどれだけ
4番ロータリーに到達しているのか?外から見てもわからないし、相当いれないと
いけないような気がします。そこで下の図のようにしてもかまいません。

① このような状態でチューバをヒザの上にのせます。
② まず、レバーをいじらずに2番管からオイルをたらします。
(管の内側につかないように!)そして2番レバーをカシャカシャ。
これで2番ロータリーはOKです。
③ 次に、2番レバーを押した状態で、図の右側の2番管にオイルを
たらします。これでオイルは1,2ロータリーの間に来ました。
そして楽器を少し右(ベル側)に傾け、1番レバーをカシャカシャ。
これで1番ロータリーにオイルが行きました。
④ 同じ要領で、今度は2番レバーを押した状態で、図の左側の2番管
にオイルをたらすと、オイルが2,3ロータリーの間に来ます。
そして楽器を少し左(ベルと反対側)に傾け、3番レバーをカシャカシャ。
これで3番ロータリーにオイルが行きました。
⑤ また同じように、2、3番レバーを押した状態で、図の右側の2番管に
オイルをたらすとオイルは3,4ロータリーの間に来ます。
そして楽器を少し左(ベルと反対側)に傾け、4番レバーをカシャカシャ。
これで4番ロータリーにオイルが行きました。
この方法だと、楽に、ムダなく確実にオイルを差せると思います。
⑤ の4番ロータリーへの注油は、ベルを下にして楽器を立て、
チューニング管から入れるという方法もあります。
●ロータリー部はピストンに比べて精密に作られているため、管内の汚れが
できるだけロータリーに行かないようにすること。
●ローターオイルは、差しすぎるとオイルが固まってロータリーが動かなく
なることがあるので、多く入れないこと。
この2点がピストンより気をつかわないといけない所です。
管の中でも吹き込み管(マウスピースをつけるところの管)は汚れが
いちばんたまる所なので、ここの汚れをロータリーに流さないよう、
吹き込み管から水を入れたりフレキシブルクリーナーを突っ込んだり
するのは厳禁です。

この図のように、時々水を通してやるのもよいかと思います。
また、ロータリー部は密閉されているのでローターオイルは減りが遅く、
毎回差す必要はありませんが、マメに差す人は楽器を吹かない時でも
(学生さんなら、テスト期間中の時などにも)ロータリーを数回動かして
やってオイルが固まるのを防ぐのがいいと思います。
ロータリーチューバで使うオイルはまだほかにあります!

上図の矢印部分のスキマにはスピンドルオイルを注油。

レバーオイルはバネの部分に注油します。
ローターオイル、スピンドルオイル、レバーオイルはそれぞれ粘度(ネバネバの度合い)が
違うので、決まった場所以外では使わないように!
ローターオイルを差す所にレバーオイルを使うと、オイルが固まってロータリーが動かなく
なるので注意が必要です。
間違い防止のため、オイルの容器に色を塗る、テープを貼るなどするといいかもしれません。
ダンパーの交換

ロータリー部には、上の図のように矢印の部分に小さなゴムまたはコルクでできた
ダンパーがあります。吹く時にレバーを動かすたび、これに当たってロータリーの回転を
制御しています。(ゴムの場合、色は黒だったり透明だったりします)
これがすり減ってくるとロータリーが(わずかですが)回転しすぎて息がうまく
流れないため、交換が必要です。
先のとがったものできれいにダンパーをほじくり出して、新しい部品をはめこむだけ。
部品を注文すれば自分でもできます。
心配は人は一度楽器屋さんにやってもらい、その様子を見せてもらうといいです。
ポロッと落ちないよう、少量の接着剤をつける人もいます。