2-7.「大きい音」について

 

チューバはバンドの基礎となる楽器なので、「大きい音を出せ!」と言われることが

多いかと思います。

普通に考えて、

「大きい音 = 息がたくさんいる = 疲れる」 

ですよね。

確かにそうですが、なんか違う気がするんです。努力の仕方というか・・・

 

数年前、オーケストラアンサンブル金沢と一緒に演奏しよう!という、

(おそらく)子供向けのイベントがあって、バンド仲間4,5人で参加したことが

ありました。

オーケストラは弦楽器30人くらい、管楽器(木管・金管あわせて)10人くらい、

打楽器3,4人くらいの編成だったのですが、客席で聴いてるときはすごくよくきこえるのに、

オケの中に 入って聴いていると、思ったほど音量が大きくない。

「何でやろ?」と話していたら、我々メンバーの1人が、

「ワタシらは普段ヘタッピな吹奏楽団で、下品で大きい音に耳が慣れてしまってるんじゃない?

大きくなくても、通る音の方がよく聞こえるのよ

と言って、自分はすごく納得してしまった。

「大きい音」と「よく聞こえる音」というのは別物のように思う。

演奏する人は、「大きい音」よりも、まず「よく通る音」が出せるよう

練習すべきだと思う。

学校の部活では先生から「大きな音を出せ!」と言われるでしょうが、

いくら大きくても、汚い音色は耳障り。それは意味がないように思う。

 

そういえば学生だった頃、アンコンの審査員に有名なチューバ吹きの方が来ていて、

フォルテというのは「大きな音で」というより「豊かに」という意味でとらえて

演奏するといい、と言っていた。

 


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