チューバの楽譜って、ほかの楽器の楽譜よりも音符の数が少ないから、簡単だと
思われることがあるんですね。
そうです。簡単なんです。楽譜上は。
音楽って、主役は旋律(メロディー)ですよね。
伴奏って、旋律を引き立たせるためにどういうふうに吹くかを考えないと
いけないんです。ただ、フォルテだから大きく吹きました、ピアノだから小さく
吹きました、スタッカートをつけました、と楽譜に書いてあることさえ守ってれば
いいってもんじゃない。
「クラリネットのメロディーはこういう雰囲気なのか、じゃあ伴奏はこういう
吹き方にしようか」
という感じで考えないと。
四分音符ばっかりの譜面でも、音符は長めに吹こうとか、何拍目にアクセントを
つけてみようとかいろいろあって、そういう楽譜に書かれていないところの吹き方を
どうするか、に吹く人のセンスが問われます。
簡単な楽器なんて無いんです。
チューバが簡単、というのは野球のキャッチャーを「ピッチャーが投げた球を取る
だけでしょ」というのと同じような気がしますね。