ニルアドミラリ





「ほれ、恥ずかしがっとらんで見せるガル」
「う…うん……うぅ……!」

オリオン号の一室、ガルにあてがわれた部屋の中。
ベッドに腰掛けるガルと、その前に立ってもじもじと恥じらう
その様子は、普段の二人とは異なった。

チキュウのとある地域で人々の身体を変異させるウィルスを振りまくダイカーンがいるとの情報を受け、キューレットによって選ばれた五人が調査に向かった。
……結果としてダイカーンの討伐は完了し、「ウィルス」も時間の経過と共に体内で死滅し、身に起こった異常も消え去ると判明した。

キュウレンジャーたちは艦内でささやかに勝利を祝い、各々いつも通り休息を迎える。
……討伐に向かったメンバーはバランス、チャンプ、ラプター……そしてガルと
それが故に、誰しも気づけなかったのだ。
まさかがウィルスに感染しているなどということに。

「はぁ、あぁ……う、やだ……また大きくなってるよ……」
「おぉ、なかなか立派ガル」
「やだぁ…ガル、みないで……」

そのウィルスは、女性の身体に男性器が生えるという驚愕の作用をもたらす。
大陰唇の上、普段なら陰毛が生えているだけのゆるやかな女性器の土手に男性器が姿を現す。
読んでいる人はあまりのご都合主義にめまいがしてきたかもしれないが、まぁその効力の能書きはこの作品の本筋ではないのでサクッと流してほしい。

時間が経てばそのペニスはゆっくりしぼみ、やがて何事もなく消え去ってしまうという経過が証明されている。
けれどそれはつまり、感染してしまった場合の対処は「待つ」よりほかないということだった。

は自分の股間に生えた異質なものにひたすら困惑した。
動揺をひとりで抱え込んでいられず、「パートナー」であるガルにだけは打ち明けたのだ。

しかしそれを知ってのガルの行動は、の想像外だった。
……いつもことに及ぶときに誘いをかけるのは、だいたいだ。
ガルは気恥ずかしさからか、に抱いた欲望を隠したがる傾向にある。
だというのに今日に限って、ガルはなにを考えているかわからない顔でに命じた。
服を捲って股間を見せろ、と。

「おぉ…上を向いとる。お前さんのへそにくっつきそうになっとるガル」
「ど、どうしよう…わかんないの……なんにもしてないのに、大きくなっちゃって……」
「そりゃあ、コレは助平なことを考えりゃ膨らむけえの。お前さんなにか、ムッツリしたこと想像したんじゃ」
「してない! してないよぉっ!」

それは嘘だった。
ガルにこの身体のことを打ち明けようとしたときから、の中には奇妙な興奮があった。
ガルに前を見せろと命じられた瞬間、それは明確な期待となっての股間を打ち据えた。
女性器ではなく、男性器のほうを。

「そいで、お前さん今は完全に男ってわけじゃ、ないんガル?」
「うん…おっぱいもあるし……それに……」

は意を決して、その慣れない「もの」を持ち上げた。
小振りな陰嚢の裏から、ガルにとって見慣れたものが姿を現す。

「おぉ、ちゃんと『女』があるんじゃのぉ!」
「うぅ…ガル、なんか、今日、変だよ……どうしてそんなに楽しそうなの……?」
「そりゃあ…こりゃ、たまらんものがあるからのぉ」
「…………ガル、ふたなり好きなの……って、ひゃっ?!」

の困惑をよそに、愉しげな様子のガルがの股間をつまみあげる。
包皮が剥けて亀頭が顔を出し、形こそ成人男性のそれだが……たとえばガルのものと比べるとあまりに頼りない。

「ヒトの雄の形ガル。お前さんのヒトの姿に合わせたんかの」
「うぅ…確かに、ガルのとは形が違う……」
「立派に皮も剥けとる。じゃけどピンクでおぼこいのぉ」
「やっ……やっ、ああぁ……!」

ガルがの肉茎をつまみ、慣れた様子でカリ首を揉みあげる。
そのたびには大きな衝撃が走って、腰がぴょこぴょこ浮つくのを抑えられない。

「……どんな気分ガル? コレを弄られるのは」
「えぅ…っ、う、うぅ……なんか……っ!」

恥ずかしさで顔が熱くなっている。
けれども淫らな気分はそれを凌駕して、に猥褻な言葉を紡がせる。

「く…クリちゃんを、むき出しにされてるみたい…すごく大きいクリトリスが、もう一個できちゃったみたいで……っ!」
「ふぅん」
「変なの…っ、おちんちんいじられると、おまんこの方までじわってしてきちゃう……おまんこが濡れてきたのがわかると、またおちんちんの方がむずむずして……っ」
「欲張りじゃのぉ。女と男…両方でよくなれるなんぞ、そうそうない経験ガル」
「ひっ…が、ガル…?!」

ガルがペニスの先に顔を近づけたので、は目を見開く。
そのままガルはクンクンと鼻を利かせて、の男根の淫香を楽しんでいるようだった。

「先から出る汁は、お前さんの女の方と同じ匂いガル」
「いやあぁ〜っ……恥ずかしい……っ!」

ガルは、そんなの態度をも堪能している。
長いマズルの先を亀頭に寄せ、吐息がかかるほど近くでペニスを眺め、ちらりちらりとの様子を伺う。

「ガル、どうして今日はそんなに積極的なの……」
「言ったガル。お前さんのこの姿はたまらんもんがある」
「それって…おちんちん、ついてるのが…?」
「それもあるがのぉ……ほれ」
「はうぅぅっ?! やっ、やっ、ギュッてしちゃやらぁっ!」

ガルの手が、の股間を握りしめた。
太い指と硬い肉球の感触が、敏感なペニスを強く圧迫する。

「ガルの手ぇ…やらぁ、ギュッてされたら…のぼってきちゃう……エッチなお汁が、先っぽからドクドクしちゃう…っ!」
「おうおう、潮吹きみたいに出たガル」
「いやぁっ…あ、だめ…だよぉっ…おちんちん、もうやめてぇっ」
「女の方からも汁が出とる…ふたなりっちゅうんは器用ガル」

ガルの巧みな手指でしごかれ、のペニスは一気に上り詰めていく。
腰の奥からこみ上げた快感が、幾重にもなって背筋を抜けていく。

「やらっ、やらあぁ、もうだめぇ、れりゅ、れちゃううぅっ!」

快楽のあまり舌が回らない。ただただ腰を突き出し、ガルにされるがままになる。

「ひぐぅっ、れちゃうっ、なにか…あぁあっ、で、出ちゃううぅっ!!」

亀頭が一気に膨れ上がる感触。陰嚢がぎゅるりとうごめいて、そこから熱いものが一直線にこみ上げてくる。
の鈴口から、精液が太い線を描きながら放出される。

「あはあぁっ…やっ、あっ、しろいの…出ちゃってるぅ……!」
「威勢がいいガル! ほれもっと出るんか? しごき出してやるっ」
「ひやっ、いやあぁっ! おちんちんいやぁっ、もうシコシコしないでよぉっ……!」

いやいやをするにもかまわず、ガルは肉茎をしごき続ける。
尿道の中に残っていた精液が、激しい摩擦でどんどん押し出されていく。

「ひっ…ぐぅ、ひうぅっ……ガル、ひどいよぉっ…!」

やがて精を搾り尽くされたが床にへたり込むと、ガルはその身を抱えあげた。
をベッドに横たわらせると、息をつく間も与えずその上にのしかかる。

「ガル…? ひゃっ、あっ、そこはっ……!」

ガルの手が、もどかしげに自分のズボンを剥ぐ。
そしての陰嚢をめくりあげ、今はその下にひっそりと息づく秘唇に己の亀頭を押し当てた。

「いつ元の身体に戻るかもわからんけぇのぉ、…今のうちに味わっておきたいガル」
「そんな…やだ、だめ、今、せーえき出したばっかりで…ちから入んないの……身体も、なんだか、敏感だからぁっ!」
「俺が動いてやるガル、お前さんは寝てるだけでええっ」
「そういう問題じゃあっ、あっ、やっ、ああぁぁあぁーーーっ!」

の抵抗もむなしく、ガルの肉茎が膣内にめりこんでいく。
射精させられるほど強い快感を与えられたの身体は、すっかりほぐれていた。
ガルの肉茎をいきなり奥まで挿入されても、なんの突っかかりもない。

「はうぅっ、ガル、だめだよぉっ……あっ、ん、おまんこ、ダメなのにぃ……!」

口ではそう言いながらも、の身体はガルの男根を喜んでいた。
射精で得た快楽の余韻が引かぬままに増幅され、その上ガルに征服されたいという欲まで満たされたのだ。
それに今日はいつもと違って、正面で向かい合っての交接だ。
正常位でのセックスは、を昂揚させていた。

「ガル…ガルぅ、いいの…おちんちんがついてるなんかに、興奮してくれるの…?」
「何言ってるガル…! そんなもん、欠点にはならんっ」
「はぁ、だって、おちんちんだよ…? んっ、そんなのあったら、気が散っちゃって…な、なえちゃうんじゃないの…?」
「……っ、お前さん、これが萎えてるように見えるガル…ッ?!」
「んぁっ、あっ、ああぁあぁぁっ……!!」

ガルが思い切り腰を突き上げて、の膣をこじる。
女の底を突かれたは、身体をよじって悶えるしかない。

「おぉ……っ、こっちもまた元気になってきたのぉ…!」
「あっ! い、いや、おちんちんいやぁ、大きくならないでぇ…!」

膣穴への深い刺激で、一度満足してしぼんだのペニスが硬さを取り戻していく。
それをたまらなく恥ずかしいと思うのに、気にすれば気にするほど股間に血が集まってしまうのをはどうにもできない。

「こっちも可愛がってやるガルッ」
「っっ?! ふぁっ、あ゛ッ、あああぁぁ〜〜っ!! お、おぢんぢんだめぇえぇっ……!!」

ぎゅぶぢゅう、なんて音がしそうだった。
ガルが容赦のない手つきでのペニスを握りしめ、そのまま腰を抜き差しする。
膣穴とペニス、どちらの快感に悶えるべきか。
の脳が混乱する。
――どっちも気持ちいい。
混乱の末にそんな決断をくだして、は下肢をくねらせる。

「ガルぅぅ、おちんちんシコシコもしてぇ…おまんこ突きながら、おちんちんも、おちんちんもしてぇっ」
「…っ、いきなり積極的になったのぉっ…! いいガル、メチャクチャにしてやるけぇっ!」
「んっアアァアァッ、アッ、アッ、ひああぁーーーっ!!」

ガルが腰を強く揺すりながら、のペニスを激しくしごく。
強すぎる快感にの腰が逃げそうになれば、ペニスをまるで操縦桿のように握って言いなりにする。

「が、ガル、おちんちんの扱い、慣れてるぅっ…! どうしてぇっ……!」
「そりゃ……っ、俺にもついてるモンじゃけぇっ」

喋りながらも続く刺激に、は甘い破滅を予感する。
もう限界が見えている。女性器と男性器、同時の絶頂が脳裏をちらつく。

「あひあっ、イクッ、ガル、イッちゃううぅっ! イッちゃうよぉっ!」
「くぅっ…! 吸いついてきやガルっ……! そのままイッちまえっ、お前の中にぶちまけてやるっ」
「ひぐぅっ、ひっ、いぐ、うぅぅっ……いぐっ、いぐうぅぅーーっ!!」

視界が白く爆ぜる。
膣穴が狂おしくうごめくと同時に、ペニスの先から白濁が迸った。
一度射精したせいで水っぽくなった二度目の精液が、自身の胸や首、そしてガルの胸板を汚していく。
……そして同じタイミングで、ガルの男根も絶頂を迎える。
びくびくと震える粘膜の中でガルが吐精するのを、は満たされた気持ちで感じ取る。

「はひっ…ひぃ……ん、出てる…ガルの……せーえきぃ……」

ガルの射精は人間と異なる。
よりも遙かにゆっくり、少しずつ精をこぼしていく。

「ふぁ…はぁ……ガルぅ…だいすき……」

ガルの腕の中で、は幸福に溺れる。



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「それにしても……ガル、おちんちん好きなの……?」
「……それは」

互いに絶頂を迎えて一息ついたところで、は改めて問いかける。
さっきの、の肉茎を前にしてのガルの興奮はふつうではなかった。
ガルがあんなに積極的になるなんて……。
なんだか訝しく思ってしまうのも無理はないことだった。

「…ナニがどうのって話じゃないけぇ。その……」
「その……?」
「……んガル…………」
「え? なんて?」

「お、お前が恥ずかしがっとるんが可愛かったんじゃ! 真っ赤になっとるんが、たまらないガル!」

「…………」

の心の中に、グッと愛しさがこみ上げる。
同時に……普段からもう少し恥じらう仕草をしたほうがいいのかな……なんて、思惑を巡らせるのだった。




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