紫原は、自分のベッドで眠る恋人を前に途方に暮れていた。

彼は与り知らないだろうが様々な人間……というか、主に氷室辰也のお節介や、恋人の努力の甲斐あって、
このたび本日二時間ほど前、紫原は改めてとの性行為、エーとかビーとかで言うならシー、挿入まで至った。
お互い勢い余りすぎて失敗した前回と異なり、今日は深呼吸するの身体に、紫原は焦らないようにゆっくりゆっくり腰を沈めていった。
平気、平気……と言いながらひきつった顔を隠せずいるを見て、自分がどうしようもない痛みを与えてしまっているとわかっていたが。
殊勝な気遣いやいたわりの気持ちは、ひとつの感情によって流されてしまった。

「……ちん……」

なんというか、快楽とはまた別種の、達成感……満足感……いや、違う。
征服感。
自分が受け入れられている、この恋人の熱い穴に入り込んでがっちり噛み合っていると思うと、言葉にしがたいウズウズが後から後からあふれて、
気づけば紫原はの身体を抱きかかえて何度も激しく揺らし、腰の奥から熱が弾けるまで離さなかった。
あっ、やっちゃった……と我に返ったのは吐精が終わって一息ついてからで、紫原の腕の中で、はぐったりと動かなくなっていた。

いや死んでいたとか、気絶していたということではなく、痛みと疲労で脱力しただけだったが。
アツシくん、私、水飲みたい……とベッドの上でヘロヘロ言うに応え、紫原がペットボトルを取りに行って戻ると。
は浅い寝息を立てて、そのまま眠ってしまっていた。
乳房も、少し前には紫原を受け入れた下腹部も全部そのままに、毛布も被らずすやすやと。

ちん、ほら、水……」
「……ぅ……」

冷えたミネラルウォーターのボトルを頬に近づけても、は力なく、いやむしろいらない……と言うように身体をよじる。

「もー……ちん、オレどーすればいーの……」

痛かった?ごめん、と謝るにしても、
気持ちよかった、嬉しかった、と感謝を伝えて慈しむにしても、相手が寝ているのでは意味がない。
紫原は満足の気持ちでいっぱいで、自分を受け入れてくれたを抱きしめ、髪の匂いを嗅いで、何度だって口づけをしたい。
けれどは寝たままだ。
そうなると……どうにもできない不満と、オレのせいなわけ?という罪悪感でいっぱいになる。

ちーん、起きてー……」
「ぅ……ん、うぅ……」

頬をつついても、やはり寝たまま。

「…………」

その無防備な様子を見ていると、ふと。
紫原の中に、奇妙な好奇心がわき起こってくる。

ちん……気持ちよかった」

無意識のうちにそうつぶやいて、紫原は眠ったままのの唇に、ちゅう、と吸いついた。
いつもよりは控えめに、控えめに……と注意しながら、柔らかい唇をぺろぺろ舐める。

「ん……すごい汗かいてる……」

額も身体のあちこちも、は汗でべったりと濡れている。

「……ちん、ごめんね」

慈しみの気持ちを込めてぺろり、との首筋を舐める。

「……ん……」

ぴくり、とまぶたが動いたがそれっきりで、はやっぱり眠ったままだ。
その人形のような佇まいと、肌を舐めた舌先に転がってきたしょっぱい汗の味。
それは……紫原の欲望を、ぐんぐん押し上げた。

「しょっぱい……ん、ちんの汗、おいしー……」

ぺろぺろと、舌を滑らせながら鎖骨の汗を舐め。

「ん……わき、つるつる」

無防備に弛緩しきったままののわきの下をのぞき込むと、つるんと色白な皮膚が見える。
そりゃあもちろん、が紫原との触れ合いを意識してお手入れを怠らないからなのだが。
けれど紫原にとっては、女の子、ましてや愛しのにムダ毛が生えてる、なんていうことは想像すらしないことで、
そこがツルツルぴかぴかなことに特に感動はしなかった。
代わりに……妙な好奇心が、うずいた。

「……わき……」

一度口にしてみるともう気持ちを抑えることができず……紫原はのわきの下、やわらかい皮膚に舌を寄せた。

「ん……しょっぱ……ん……」

そこは、きめ細かく舌触りがよい。
舐めても、唇でむにむに挟んでも返ってくるなめらかな感触が気持ちいい。
ついつい夢中になってしまいそうだ。

「は……ちんの脇、しょっぱくておいし……」

自分が部活後にかく鬱陶しい汗とは違って、なんだか薄いというか。
ちゅむ、ちゅむ、と音を立てて吸い続けてもぜんぜん不愉快でなく、むしろもっと味わいたいと思ってまたついつい夢中になって……。

「あ、ダメだ……ちん、ごめ……」

のわきの下と二の腕が自分の唾液だらけになっているのを見てふと冷静になって、紫原は謝るが。

「…………」
「……起きねーし……」

それでもは、眠ったままだ。

「ねーちん、起きてよー……」

ちょっといじけた気分になりながら、仰向けの身体を跨いで膝立ちになって、の頬をぺんぺん叩く。

「ん……う……」
「起きてってば、オレ、もう……」

……もうしないから、と言いかけて、いやいやいや、と紫原はかぶりを振りつつ口をつぐんでしまった。
それは嘘だ。もうしないというか、またしたい。
今すぐしたい。もう一度したい。
けれど、にとってたった一回でこんなに疲れてしまう行為なら、あんまり要求するのも悪い気がする。
アツシくんアツシくん、と服の裾をつまんでまとわりついてくる声や、
ちゃんとやんなきゃダメなんだから……と言いつつ世話を焼いてくれる姿が、今いきなり自分から離れて、遠くなったら、それはすごく嫌だ、と紫原は思う。
いつの間にかしっかりとの存在は紫原の中に根付いていて、この娘を喪失することへの恐怖があった。

「でも……んー……んーー……」

そんなことを思いつつも、でもどうしよう……と戸惑ってしまう。
あれだけ勝手の限りを尽くした直後なのに、紫原の下腹にはまた熱が集まっている。

「…………」

無言で、再びの頬をつついてみた。

「う……ん、う……」

うめくだけだ。
起きない。

「……起きないでよ、ちん」

なにもしなくていーから、と寝ている彼女に告げて、おもむろに、それでも気を使ってこっそりと下を脱ぐと、紫原は大きな体躯をのそのそ移動させた……。



もともと紫原は膣の肉の滑りだの締め付けだの、そういった感触が気持ちよかったというより、
これがセックスなんだー、という達成感と征服感に打ち震えたのだ。
下半身への刺激だけで言えば、ちょっと擦れるだけでもかまわない。
いやむしろ感覚だけならば前にあのヌルヌルした奴を使ってこすったときの方がよかったかも……なんて思ってしまうわけで。
仰向けで横たわるの両足をまとめて持ち上げ、その間に肉茎を差し込んで太ももで挟まれるだけで、十分……とは言わない、まぁ、八分くらいは満足だった。

「汗……ちん汗っかき……」

自然とうわずる声でつぶやいて、亀頭の先で感じる肌触りに震える。
小柄だが肉付きのよい太ももの弾力と、内腿にかいた汗のぬめり。
しっとり湿った肉に包まれると考えれば、これだって挿入と同じだ……。

ちん……起きない?」

「起きてる?」でも「寝てる?」でもなく。
変なニュアンスの言葉をつぶやきながら、紫原はの様子を伺う。
……持ち上げられた脚につられて頭が動いただけで、彼女はぐっすり眠ったままだ。

「よし……」

ちょうどいい位置まで身体を滑らせて、腰を前に押し進める。

「んっ……」
「う……?」

ぬる、と先端が太ももの間から露出したあたりで、がわずかに声を上げる。

ちん……起きてる……?」

こんなの見られたら恥ずかしいと思いつつ、背筋を抜けていく摩擦の快感が病みつきで、問いかけながらもやめられない。

「ん……起きてるの……ねー、っ、起きてる……?」

だんだん腰を引いて、押しての間隔が短くなっていく。
快楽に後押しされるし、紫原の鈴口からこぼれる粘りが、抽送をスムーズにしてくれる。

「起きて、よ、きもち、いーこと……またしよ……っ!」

呼吸も荒くなって、手加減もわからなくなってくる。
気づけば自分よりずっと小さいの身体を、紫原はまた乱暴に揺すってしまっている。
わかっているけど……それでもどうにも、抑制が難しいのだ。

ちんっ、好き、気持ちい、好きっ」

気づかないうちに紫原が膝をの尻の下に滑り込ませてしまっているものだから、もうの身体はベッドから離れてがくんがくん振られて……。

「あ……えっ、あ……?!あ、アツシくん?!」
「はっ、あ……起きた……!」
「お、おき、ちょ……ちょっと、えっ?!なにこれ?!」

……当然、不安定な揺さぶりによっての惰眠は醒まされた。

「私寝て……ご、ごめっ、え、でも、アツシくん……?!」
「待って……逃げんなっ!」
「逃げなっ、はぁっ、わぁあぁ?!」

すかさずは身をよじって起きあがろうとするが、それは紫原に阻まれる。
ぐい、と片手で軽々両腕を押さえ込まれてしまう。
だいたいおかしい、紫原とまともに挿入行為まで至って、「い、痛いけど、これでとアツシくんはズッ彼だょ……!」みたいなことをほざいた記憶はあるが、
それからがいまいち曖昧だ。
どうやら眠ってしまっていたらしいのだが、なんで紫原が自分のことを、こんな……。

「に、にげないから、待ってぇ……ちょ、ちょっと、アツシくん!」
「待てない、オレ待ったもん、ちん起きないんだもんっ」
「そ、それ、ごめんっ……でも、これ変っ……ん、あぁあ?!」

そう言ってなんとか身をよじり切ろうとしたところ、腕を押さえつけていた大きな手のひらがぱっと離れて……かと思ったら、その手がの陰部をまさぐりだした。
汗で湿った陰毛をかき分け、行為の余韻でジンジンと腫れている気がする孔の入り口をなぞりあげて。

「いやっ、あ、だめえぇっ!それ、だめっ!」
「ダメじゃないでしょー?……ちん、ここ……いんだよね」

紫原の指が、のクリトリスに触れる。
そのまま間伐入れずに、ぐりぐりぐちゅぐちゅと押しつぶすような愛撫が降ってくる。

「やぁあぁあぁっ!いやらあぁっ!らっ、あ、しょ、しょこっ、そこ、だ、め、だめっ、あ……!」

何度かの触れ合いの中で、紫原なりにの敏感な場所をしっかり見つけているようなのだ。
それだけ私のことを考えてくれてるなんて……と、感激する余裕は残念ながら今はない。

「あ、アツシくんっ、それだめっ、だぁ、め、なのっ、だめ、だめっ、いじったら、めっ、メッ!」
「なんで……?」

愛撫を続ける手から逃げまどって、つい声を荒げてしまった途端、紫原が真顔で問うてきた。
……顔はまじめなくせに、大きくなった肉茎をの太ももに押しつけたままだったが。

「な、なんでって……」

えっと……なんでだろ。

「ね、寝てるときに、こういうこと、しないでほしいの……」
「む……オレ入れてないのに……」
「いれてって……い、いいよ、怒ってはないけど……でも、あの……でも……」
「……ちん、すっごい疲れてるみたいだったし……」
「う、うん……疲れてはいるけど……」

紅潮していた頬としわを寄せた眉根がどこか淫猥だった紫原の表情が、わりあい本気で落ち込んでいるように見えて。
そんな顔をされてしまうと、の方まで悲しくなってくる。

「でも、オレまたしたかったし……」
「そんなん……また起こしてくれれば……」
「だからぁ!」
「いっ……?!」

ついついいじけるようにつぶやいたとたん、今度は紫原の方が声を荒げた。

「イヤなんだってば、ちん我慢してばっか。オレそーゆーのすっげーヤダ、我慢すんならバレないようにしてよ」
「………………」

は真っ青になった。
紫原に悪意はない……むしろ、初対面の時とは逆で、への思いやりに満ちている。
けれど、そうやって自分のありかたを恋人に「いやだ」と言われてしまうと……悲しくて悲しくてしょうがない。
……紫原はを否定するつもりはないし、意識せず好きと口走ってしまうくらいに好きだ。
ただ……痙攣的に言葉を選ばず喋ってしまうものだから、辛辣なニュアンスになってしまうだけ。

「……ご、ごめ……ん……」

はさっと血の気の引いた顔を、ふいっと紫原から背ける。
……二人はいまいち、すれちがう。 そして目を瞑って、あふれそうになる涙をこらえ……たところ、紫原の手がゆるんだので、そのままはうつ伏せになった。

「ご、ごめん……アツシくん、ごめ……んっ?!んっ?!ちょ、あぁああアツシくんっ?!なにしてるの?!」
「ウザちん封じ」
「うざっ、て、あっ……や、あぁあーーっ?!」

うつ伏せになった瞬間に、の腰から下がいきなり持ち上がった。
膝立ちの紫原が、の片足首をつかみ上げて大きく開かせてしまう。
戸惑う隙もなく、横寝状態になったの尻の谷間に紫原の熱が押しつけられた。

「……ちんがそーやっていじけんのも、ヤダ」
「だ、だって……っあ、それ、だ……めっ、て、言って……!」
「だからー……なんで?」

紫原はの身体を横ハメ状態で押さえ込んでから、またクリトリスに手を伸ばした。

片脚を上げて用を足す犬みたいな格好にされている自分と、また容赦なくいじられる身体。
はくらくらしながら、なんとか紫原の方を見ようと必死になる。

ちん、おしりもヌルヌルできもちい……」
「あやぁー?!やだー!そういうこと言わないでー!!っち、ちがう、でしょ?!」
「ちがくないもん、オレしたいことしてるから、ちんはそのままでいーって言ってんの」
「んっ、だから、私っ……ひ?!や、やぁ、やぁあぁっ……そこ、そこだめ、ダメ……!」
「オレわかっちゃった。ちん、ここすっごい気持ちいーんでしょ。だからダメなんでしょ」
「?!ち、ちが……っう、あぁぁああぁっ!!」

ものすごく恥ずかしいことを、言われてしまったような。
反論しようとしたら、その拍子にクリトリスが指につまみあげられた。

「ほら、今みたいにウザいことも、泣き言も言えなくなっちゃうもん」
「う、うざいって、言わない、でぇ……!」
ちんかわい、ぜんぜん正直じゃないの、かわいー」
「ふっ……う、む……!」

は脚を持ち上げられるわ身体がよじれるわでむちゃくちゃな体位なのだが、紫原はそうでもないらしい。
さっきよりも余裕ありげな顔で、背後からの顔をのぞき込んでくる。
そのままキスまでしながら、何度も執拗にの秘処をこねくり回す。
なんだろう、と、の頭の中を瞬時にいろいろな感情が行き来する。

「ふっぐ、うぐっ……ふあっ、はぁ……あっ、やめ、やめやめっ……あ、アツシくん、だめ、おねがぁい……!」
「なに……?なにを、おねがい?」

……なにをだろう。
ぐしゃぐしゃに混ぜられた頭の中身で、はなんとか考えて……。

「は、あぁ……あ、つしくん……おち……違う違う!おち、あの、お、おおち……」
「オオチ?」
「ちがっ!あの、お……あの、それぇ、アソコ、ぐりんってするやつ……!」
「ん……これ?」

そう言って、またぐりんっと回すように紫原の指が蠢いて……。

「ふい゛ッ!し、しなくていいから!ゆび、じゃなくてぇ……その、お、ち、ん……あの、アレで……」
「…………?」

野となれ山となれ、な気分だった。
紫原が自分の顔をのぞき込んで、本気で何を言っているのかわからない、という表情をしたので、は恥を捨てる。

「あ、アツシくんの、おち……お、おちん、ちん……で、こすって、ほしい、の……!」

自分の顔が熱病の時のように火照るのを感じて瞬時に目をつぶったは、再度目を開いたときに驚いてしまった。

「あ、あの……あ、アツシ、くん……?」

「…………う」

紫原は、よりずっとずっと真っ赤だった。

「……いーの?」
「うん……?わ、私の方が、いいのって、聞きたい、んだけ、ど」

そう言いながらうなずくと、を支える紫原の身体がぐんっと浮いた。

「はわっ……あぁ、これ、こ、れぇ……!」

自分の脚の間に、熱く充血した肉が割り込んでくる。
数時間前の、ラテックス越しに膣穴を穿つ動きではなくて。

「あくぅっ、うぅ、ん……やぁ、あぁあ……!」

ずりずり、と甘えるような。
紫原が普段、に抱きついてくるときに似ている。
ぐいぐいと、とにかく身体を押しつけてくるのだ。
それから、まるで自分の匂いや温度を感じたがっているように顔を埋めてきて……。

あ、それなら緊張するなんて私バカなんじゃないの?と、ふとは悟る。

これは普段アツシくんが、私にしてくれるのとぜんぜん変わらないこと。
あるいはちょっとした強化バージョンってところで、特別でも何でもない。
それを痛いだのがんばるだの言われていちいち気負われたら、紫原にとっては確かに鬱陶しいのかもしれない。
なんで甘えてるだけなのにがんばられなくちゃなんないの。
そういう気持ちで、アツシくんは私にちょっと不満があったのかもしれない。

「あ、アツシくん……さ、さっきの、ごめん、ね……!」
「ん……?!さっきの……?いつの、どれ」
「はぁっ……あぁ、んっ……あ、アツシくんは、私が抱きついたら、はっ、黙って抱っこしてくれるもんね……」
「はぁ……?っん、の話……?」

わかんなくていいよ、という返事のつもりでがかぶりを振ると、だったら最初から言わないの、とでも言いたげに紫原の腰が突き上げられた。

「はあっ……あ、っつ、い、これ、ん……!」
「っちょ、ちん締めんな、脚閉じんな!」
「んあっ?!はっ、あぁあ……だめ?ぎゅってしちゃ、だめ?」
「ダメ……!」

持ち上げられっぱなしだった片足がようやく解放されたので、内腿をきゅうっと、締め付けるつもりで動かしたのだが、紫原は途端にまたの脚をぐっと固定する。

「それされるとすぐ、出ちゃう」
「い、いいよ……出してよ……!」
「ダメ」
「ダメじゃないよっ、アツシくんが、こーやって、私に甘えてくれるからぁ……!」
「んっ?!ちん……?!」

太ももの間からにょきっとはみ出す先端を、留守になっていた手の指でくりくりいじる。
びくっと、抱きしめたごと紫原の身体が大きく跳ねたが、それでもやめない。

「ちょ、やめっ、ダメ……!」
「んっ、ん、は……アツシくん、大好き……ごめんね、今まで、なんか……!」

鈴口からこぼれ続けて、潤滑油の代わりを果たしている透明な粘液を指先にすくい取る。
それから撫で回すように張りつめた先端に指の腹で塗り広げて、くすぐるように愛撫していく。

「やめ、ちょ、ちんそれっ」
「あ、は……あぁ、わ、私ね、たぶんね……これ、アツシくんが、私のここ、いじってくれてるとき……こんな感じなんだと、思う……んっ……!」
「〜〜っ、ちょ、やめ、てってば……!」

先端をいじりながら、の方から積極的に割れ目を押しつけて、さっきは紫原にいじめられたクリトリスを肉茎に寄せる。

「はぁ、う、あぁあう……!アツシくん……?」
「ダメって言ってんのに……!もー!」
「わひっ?!」

仕返しがきた。紫原の下腹部がぴたん、との尻にぶつかる音がするくらいに激しく腰が押しつけられて、
熱が勢いよく何度も割れ目を往復する。

「はぁうっ、あ、やぁ、やぁあぁっ、あぁ……!」
「ばか!ちん、ほんとバカ……あ」
「はぁっ、うぅうぅ……!そ、そぉ、だね、バカだね、私ぃ……!」

足の親指がぴぃんと攣る。
粘膜もどんどん開いて、恥ずかしい粘液が垂れ流しだ。
彼はそんなの姿を、好きでかわいいと言った。

「あぅ、はあっ、アツシくんっ、私っ、うれしくて、死んじゃうかもぉ……!」
「何言ってんの、、ちんっ!」
「っうぐうっ……?!は、らめっ、そんなぐりぐりだめぇえっ、いっ、いいぃい、いいっ、いいいっ……!」
「いーんじゃんっ、ちんもよくなりそーなんでしょ、これ、ほらっ、ほら、ほら!」
「あやあぁあッ……だ、めぇえっ、いく、いっ、いぁあ、アツシくっ、ん……んーーーーッッ!!」
「はぁ、オレもーだめ、出る、出ちゃうから、ちんも、ほら!」
「いっ、あ、うれしっ……い、いぁあぁあぁあっ、い、くううぅっ、うっ、ぐ、うぅううぅう……!!」

ぱたたっ、と、の太ももと、ついでにその先のシーツを脚の間から迸った欲望が叩くのと、の身体が弓なりにしなるのは、だいたい同時だった。



ちなみにこの後もう一回挿入にチャレンジして。
が翌日まともに歩くことさえできない痛痒に襲われているのを見かけた「先輩」がいろいろ頑張っちゃうのは、もう少し先の話。