「とうっ」
「ぎゃああああああああっっ!」
「!!」
予想以上のリアクションが返ってきて、仕掛けた私のほうが逆に身を引いてしまった。
「お…お前…次やったら命は無いと思え…」
「「やったら」って。やってないじゃん。フリよ、フリ」
「フリでもタチが悪ィわ!あー、もうビビらせんな。ショック死するかと思った」
そう言って、目の前の男は自分の胸と臀部を、落ち着かせるようになでさすった。
…私が何をしたかというと、この男の背後から、丸めた雑誌で尻を思いっきり突っつく「フリ」である。
だというのにこの尻に爆弾を持つ男、服部全蔵は、
前述のような大袈裟なリアクションで、逆に私をびびらせていた。
「そんなにつらいの?」
「あー…もー、何て言ったらいいのかこの絶望感」
「絶望って…たかだか痔、くらいでさァ」
「…たかだか、だと?」
全蔵の見えないけれども、私を思い切り睨んでいることがわかる瞳。
…元々は摩利支天だお庭番衆最強だと謳われていた男の殺気を持つ視線だ。
私は、やっちゃったかな、と自分の行動を少し後悔した。
「お前にわかるかこの気持ちがァ!」
「…いや、私、そっちで困ったことはないので、わかりません」
スイマセーン、てな具合で頭を下げる。
「厠に行きたくなるたびに死にたくなる俺の気持ちがァ!」
「わぁ」
「そんなゴメンで癒されるわけねーだろ!」
「だからごめんなさいってば」
「お前っ…ゼッテー甘く見てんだろ?ゼッテー俺の言い分本気にしてねーよ…ゼッテー「たかだか」とか思ってんだろ」
気安く謝る私の態度が気に食わないらしい。
全蔵は全身からコロシテヤルって感じの空気を漂わせながらつかつかと私の方へ歩み寄った。
…怖い。
元々こいつは怒らせてはならない男だというのを忘れていた気がする。滅多に怒らないし。
怒らせては、というか、敵になると非常に厄介だ。
このオーラだけで人が気圧されるような迫力の男に、私はどう対応すべきか、必死で頭の中で考える。
「うーんうーん、だからゴメン、もうしないです」
迫ってきて、壁際まで私を追い込んで見下ろしてくる全蔵に、
とりあえず上目遣いで謝罪する。
全蔵の口許はそれでもユルシガタイわというふうにピクピクと動いている。
「…う、うーんうーん、あ、じゃあとりあえずお尻繋がりで大人しく叩かれるので許してください…なんつって」
語尾に慌てて「なんつって」をつける。
口にした瞬間に、全蔵の口が善からぬ形に歪んだからだ。
「いーな、それ」
「だ、だからなんつって。なんつってってわかる?!」
「あん?」
「…すいません」
この男の声はとんでもなく響く。
少しでも威圧感のある声を出されると、それが身体中にびりびり響いてきて、危険だ逃げろと脳が知らせる。
今もそうだ。反射的に謝っていた。
…しかし、逃げ道は無い。
ヘタな手を打って怒らせるより、大人しく尻を向けて数発叩かれておいたほうがいいと本能が告げる。
「う、う…」
私はしどろもどろであるが、全蔵に背を向けて、壁に手を突いた。
大丈夫、万力こめて叩かれたって死にゃしない。
そう言い聞かせて首を全蔵の方へ向けると、全蔵はにやりにやりとしており、
あごの薄い色の髭が歪んでいた。
「ね、ねえ…」
「裾、絡げろ」
「え?」
「叩くから着物の裾上げろ」
「え…た、叩くっつっても…」
「たかだか服越しに2、3発パンパンはたいた所で俺の気持ちが治まるとでも思ってんのかお前は!」
私に痔を「たかだか」と言われたのがよほど気に触ったのだろう。
仕返しだといわんばかりに「たかだか」という言葉を使ってくる。
そうしてそう発する声は、怒りに混じって、かすかに昂ぶった気持ちがうかがえる。
…どんどん私は自分を追い詰めていっている気がする。
私はまた全蔵が声を出す前に、いっそ勢いよく、と思って着物の裾をバッと上げた。
下着が露わになる。
肌が外気に触れる感触に不安を感じていたのもつかの間、
さらに不安、どころではない事態が私を襲った。
「ちょっ…何を…!」
「尻出せ」
「出してるでしょ!」
「丸剥けになれっつってんの!」
「い、や!」
全蔵が、私の下着に指先をちょいとかけたのだ。
私が身じろぎすると、全蔵は自分の着物の合わせ目をごそごそやりだした。
「なっ…や、やめてよちょっと…!」
ピコポコペン♪なんて効果音がつきそうな具合に全蔵が自分の懐から取り出したのは、
荒縄と鋏だった。
私がそれを知覚して逃げ出そうとしたときにはもう遅かった。
縄は私の両腕を器用に緊縛し、
全蔵はその縄の端を持って、いとも簡単に、ピョンと天井の梁に飛びついて見せた。
「あ、あッ!」
飛びついたまま器用に、縄をぎりっと梁にくくりつける。
そうしてからトンッと軽い音で降りてきて、
今度は手にした鋏で、なんと私の着物の裾をお尻が見える長さに切り落としてしまった。
「な…な、な…」
もう言葉も無い。
私は半分冷水をぶっかけられたように青くなりながら、
縛られた身でなんとか抵抗を試みる。
が、身体を動かせば動かすほど、縄が捩れて動きにくくなるだけだと悟って、口で悪態をつく。
すると全蔵は切り落とした私の着物だった、もうただのハギレになってしまったそれを拾い上げ、
私の口の中にもっさもっさ詰めていく。
「んおっ!んごっ!お、おおっ…!」
舌で押し返してやろうと必死に口をもごもごさせるが、
それを上回る力でぐいぐい布地が押し込まれてくる。
「お、ぼおぉぉおっ!」
ついには喉元まで到達したそれが、私の身体に嘔吐の体勢を取らせる。
もうコレ以上入りません、とアピールしたのと同じだ。
全蔵の布を押し込む手は止まった。
吐きそうになった反射で、私の頬に涙がぽろりとこぼれる。
それを掬ったのは、全蔵の舌だった。
「おぶっ…」
その優しい感触に、私は不可解な声を上げてしまう。
「お…おほっえ…あいお…?」
「あー、もう怒ってない」
口の中を異物でぱんぱんにされての私の奇怪な言葉を、全蔵はしっかり拾って答えてくれる。
「ただ、イイコト思いついたんで」
「んお…?」
「だからジャマされたくねーだけ。泣くな」
丸出しになっていた私の下着を、全蔵がさっと取り払ってしまった。
私がびくんと動くと、
全蔵はお尻や内腿をすべすべと手で何度も撫でた。
くすぐったさと、それとは別に襲うゾクゾクで、私はひたすら身をよじってしまう。
「ん…んんっ…ん……!」
そして、そのするすると這う手に、いつ力が籠められて私の肌を叩くのかと想像してしまって、
怯えて小刻みに身体が震えた。
その震えが、撫でられる心地よさに負けて治まったときに、
パァンと小気味よい音を立てて、全蔵が私のお尻を叩いた。
「んンッ!」
派手な音に思わず大声(まあ口に詰め物をされているので小声なのだけれども…)を上げてしまうが、
音のワリに痛くない。
臀部の下のほう、お尻の部位でも特に脂肪が乗っている部分をはたかれたのだ。痛みは鈍い。
「ん、んぶっ!」
それでももう一度、パァンと叩かれれば反応してしまう。
今度は多分、思い切り力を籠められた。
さっきと同じ部分だけども、痛みが段違いだった。
「う、う゛…」
「怒ってないっていったくせに!」という気持ちをこめた目で、全蔵の方を振り向く。
全蔵はざりざりあごひげを撫でつつ、私の腰をぐいっと掴んだ。
私は思いっきり全蔵に尻を突き出す形になる。
多分赤くなっているであろうお尻を、全蔵が撫で回した。
「あーあ…真っ赤っ赤」
「ン、ふぅ…!」
どうして、さっきみたいに容赦ない力で人の肌をはたいた手指が、
こんなにやさしくしなやかに同じ部分をなでることもできるのか。
そんなことを、私は思う。
全蔵の手は下腹部が思わず熱くなるくらい優しくて、
ヒリヒリしている臀部をするする滑って癒していく。
「おらっ」
「ん、ん!?」
両手で腰を掴まれて、むき出しの秘部にぐっと何かが当てられた。
「ん…ふ…うっ?!」
肌が感じる感触は麻の布地だったけれど、その猛りと熱さは男の、全蔵のそれだった。
…袴の上からでもしっかりわかるくらいに硬くなった肉茎を、
全蔵が私の秘部を突き刺すように押し当てていたのだ。
「ん…んっ!んん…!」
全蔵の腰が上下する。
ずりずりと、粗い麻の布地が、私の敏感なところを擦った。
その、微妙にもどかしい感触が私に不思議な快感を与えて、
声は自然にくぐもり、秘部からはねっとりとした愛液がとろとろ垂れた。
「すげ、ねばねば」
「んうう…!」
一度離れようとした全蔵の猛りに、未練たらたらというように私の愛液が糸を引いた。
「何かヤなモン思い出すんだけどな、ネバネバって」
「う…?」
小声で「納豆…眼鏡…」とか漏らす全蔵に、私は疑問の声を上げる。
すると全蔵はぶんぶんっとかぶりを振って、ネトつく私の陰部に手を伸ばした。
「ふぁ…ん、んんッ…!」
指も巧みだ。爪の先で私の粘りを掬ってから、それを指全体に絡めて秘部をなぞる。
包皮から剥かれてくりっと頭を出した陰核も、すりゅすりゅと指の腹でどうにかなりそうなほど擦られた。
口の中の布が、とめどなく溢れる唾液を吸ってなんとも気持ち悪い。
「ほっへ…ほえ…ほっへ…!」
「あー…も少ししてからな。お前、ゼッテーうるせえから」
「あえ…?」
取って、と口の中の布に拒絶反応を示した私に、全蔵はそんなことを言った。
「も少ししてから」「ゼッテーうるせえ」。
…なんだか、この言葉に嫌な予感を覚える。
そもそも全蔵は、面白いことを思いついた、とか言っていたわけで…。
私の中に疑問符が浮かぶが、全蔵がまた私の秘部をこねまわすので、思考は途切れ途切れになってしまった。
「んあ…んんっ!」
指が、膣口にもぐる。
いりぐちをこりこりと引っかいて、ビクビクと跳ねる私の反応を楽しんでから、
何のためらいも無く、ずぶう、と一気に指を根元まで突き入れる。
「んうううううっ!」
膣から、ひっきりなしに愛液が滴る。
全蔵が膣の中の指をくいくい前後させると、私の秘部はぐっちゃぐっちゃなんて音を立てた。
「ん…んふ…んぶぅう…!」
全蔵から見たら滑稽だろうけれども、
私は快楽に縛り上げられた身体を捩りまくった。
「すげエ濡れてる…指ドロドロだわ、これ」
(声、声やめてっ!耳元で囁かないで…!)
私はそんなことを思う。
だって、この男の声は身体を芯から震わせる力を持っているのだ。
ただでさえ愛液がだだ漏れになるくらい感じているのに。
「こんだけ出てりゃあ…まー平気だろ」
「ん、んんっ…?!」
言いながら、全蔵が私の秘部から愛液をとろりと掬って、
それを会陰を伝ってもっと下…お尻の穴ににゅるにゅると塗りたくったものだから、
私は困惑交じりの声を上げた。
しかも、巧みな指がくすぐったい。
「ん…んんん…?!」
言葉にするなら「まさか…?!」というニュアンスで、私は全蔵の方を見た。
全蔵は口許だけでにたぁっと笑って、
「あ、わかった?」
と笑いを堪えきれないような声で言った。
「ん、んんんー!ん、あ、え゛っ!」
「ダメ!」と口にしたいのに、することができない。
「やっぱりうるせーじゃん」と全蔵が静かに言うのに、ちょっとした恐怖を感じた。
…ちょっとした、どころではない。一大事だ。
今、私は真後ろの男に、物凄く恥ずかしくて、物凄く痛いであろう事をされそうになっている―。
「んんーッ!」
「遅いって。暴れんな」
やっぱり威圧感のある声は、私をびくりと凍らせる。
それでも抵抗しようと、懸命にお尻のところに力を籠めて全蔵を拒む。
「無ー駄だって。ホラ力抜けよ。痛てェのはお前だけど」
両手でお尻の肉をぱっくりと割って、
誰の侵入も許したことのない私の後ろの穴を、全蔵がまじまじと見ている。
視線が一点に注がれているのがわかる。
「う゛…ひう゛ぁっ…」
「イヤ」とすら、まともに言えない。
全蔵が思いついたという面白いこと。
つまりそれはアナルセックスのことなんだろう。
…アナルセックス、なんて思ってしまっただけでもカァッと顔面に血液が集中した。
恥ずかしい、そんなことしたら死んでしまう―
私の中で、そんな思いがはちきれそうになり、抗えそうもない現実と重なって、
涙となってポロポロと頬を零れ落ちた。
それを見た全蔵が、また私の頬に唇を寄せた。
「泣くなって…」
甘い痺れを持った声で囁きながら、また、私の涙を舌で舐め取る。
そのやさしさにも、今は怯えるしかない。
私はひたすらかぶりを振った。
「しゃあねー…よっと」
「ん、んんんんんッ?!」
いつの間にか外気に触れさせられていた全蔵の自身が、
私の膣の中に突然めり込んでくる。
どろどろになるくらい濡れたそこだから、まったく抵抗無く全蔵の熱を受け入れてしまった。
「お、ぶぁ…あ、あ、ぶぁ、ああ、う゛ぁ…!」
そのまま軽々と背後から抱きかかえられ、繋がったままゆさゆさと揺すられる。
私は堪えることなくはしたない声を漏らした。
「お、おぶう…う…ン、ンン…!」
「大分脳ミソ、蕩けてきたか?」
「う、うンン…!」
全蔵は、私の中をぐりぐりと自身で擦り上げながら私の顔を覗き込んだ。
生理的な涙が滲んで、半開きの口からはよだれが垂れかかっている顔。
それを見られたという羞恥心など、感じているヒマはない。
とにかく全蔵が与えてくる快楽の波に酔ってしまいたくて、
私は考える事を放棄しかかっている。
「いいカンジにローション、付いたしな…おらっ」
「ば、あう゛ぁあああああぁっ?!」
私はそんなふうにとろけていた思考を、まさしく真っ二つに引き裂かれた。
…全蔵が、突然私の膣から肉茎を抜いたと思えば、
快楽に緩みきった後ろの穴にそれをいきなり突き立てたのだ。
「う、ういえっ!ういええっ!」
「っちょ…力むなっ…コレ、食いちぎられそーだわ…」
「いう゛ぁっ!あ゛あ゛っ!」
私が力をこめたせいか、全蔵が苦しそうな声を上げる。
私も負けじと苦痛の悲鳴を上げる。
圧力を緩和しようとしてか、全蔵が私の両脚を目一杯広げる。
それから、その体勢を維持しながら、器用に私の口に詰められた布地を引っこ抜いていった。
「っ…げほっ…あ、い、いたっ!」
息をつく間もなく、全蔵が私の直腸の中をえぐるように肉茎を動かしたので、
私はようやくであるが、マトモな悲鳴を上げた。
「い…ああ…あ、や、やめて、裂けちゃうっ!」
必死で叫んでいた。痛みは破瓜のときのそれの比ではない。
…というか、入り口あたりの皮膚はもう裂けているような…。
「そりゃそれでいいわ。「たかだか」けつの穴が裂けるくらいだろ」
「う…お、怒ってないって言ったくせに…!あ、あ痛っ!」
「お前にこの痛みを味わわせてやること考えたから治まったの。だからつまり我慢しろ」
「い、やっ!」
お尻にギュッと力を籠める。
侵入してきた異物を拒んで押し出そうとする。
「いてっ…テメ…」
どうやら痛みを感じているのは私だけではないらしい。
私は「裂けそう」、全蔵は「ちぎられそう」な痛みを共有している。
だったら思いっきり力をこめて全蔵に傷みを与えてやろう…という手は、使えない。
力を籠めると、私も全蔵の自身を思い切り感じてしまって、圧迫感に耐えられなくなる。
「あ、ハ、ぁ…」
仕方なく私は弛緩して、全蔵を受け入れるしかない。
「すげ…ニュクニュクしてんぞ…もーちょい慣らせばすげー良くなるかも」
「う…や…ぜ、絶対やだ…!」
泣きながらだらんとして、全蔵に支えられながら弱きに抵抗をする。
…私は、戸惑っていた。
痛み、圧迫感とは別の、
後ろの穴を貫かれているということを考えたときに湧き上がる不思議な気持ちに。
ぐんっと中、直腸をえぐられるたび、不思議な感覚が襲う。
もしかしてもうすでに私は、後ろの穴での行為に慣れてしまったのではないか、と考えると、
理性がストップをかけるし、
私自身も心でセーブをしていた。
「う、あ、う…っ!」
前後に出し入れされると入り口がぴりっと痛むが、力を抜いていれば、
中で壁をごりごりとされる分には痛みはない。
それどころか身体がどくんと高鳴る不思議な感情に満たされる。
「あ、あ…あ、たし…っ」
口にしたらだめ、と「頭」が言う。
でも、言ってしまえば開放される、と「心」が囁く。
「わ、たし…!」
「あ…?何だよ…言ってみ…?」
頭より、心のほうが強い。
「お、おしり、きもちいい…!!」
全蔵が、ヘエ?と意外そうな声を上げながら私の内壁をぐにぐに拡げる。
(い、言っちゃった…言っちゃったよ…!)
湧き上がってくるものは、後悔よりも快感だった。
「ああっ…全ぞっ…私、お尻…っ」
「ヤベ…可愛い」
よだれがだらだらと口の端から垂れているのを、全蔵がぺろりと舐めすくった。
そのまま私にキスを落として、
てろんと垂れている舌を拾って絡める。
「ん…んるっ…んうぅ」
もう私は、色気の混じった声を押しとどめたりしない。
全蔵に突かれるたびに嬌声を上げた。
全蔵の息も、どんどん上がっていくのがわかる。
「あ…わ、私…い、…っちゃうかもぉ…っ!」
「イイって…ホラッ!」
「あ、ン、ああっ!あ、ホ、ホントにだめっ…!」
「遠慮すんな…俺も出すからおもっきしいけよ…ッ!」
「あ、うあ、あああああああぁっ!」
言われた直後、中で全蔵が激しくうねって、
その熱を感じた私は、いとも簡単に達してしまった。
きゅーんと昂ぶった身体の奥に、どくどくっと白濁が注がれていく感覚もあって…。
私は、意識を暗闇に落としていった。
「とうっ」
「いやああああああっ!」
全蔵が私のお尻を、手にしていた火掻き棒で突こうとして来たものだから、私は大声を上げた。
…あの日、私は初めての経験としてアナルヴァージンを奪われ、そのうえ快感さえも覚えたのだが、
代償…というべきか、
…つまりは、入り口が完璧に裂けて、全蔵と同じ病を患うハメになってしまった…。
全蔵はニヤニヤと笑いながらこちらを見ている。
「どーした?「たかだか」痔だろ」
「〜〜〜〜〜ッ!!」
涙ぐんだ顔で睨み返すことしか出来ない。
物事を笑うやつはそれに泣くハメなる…そんなお決まりを、自分が味わうことになるなんて。
私は切実な涙を、ほろりと一滴流した。
***********
銀魂裏夢はお下劣になる、の法則の中でも、やるまいと決めていたことがあって、
それがケツ性交(この言い方やめろ)とオモチャなのです。
オモチャは裏夢なんかの定番ですが、個人的な意見で言えば楽しくない。
全然楽しくない。全然楽しくない(大事なことなので二度(略))
やっぱり中に入れたり密着させたりするのはナマの肉体だろっ!というのと、
尻に関しては…関連プレイ(尻ズリとかね)はいいけど、
本番しちゃうと、もうそれ以降の歯止めが利かなくなりそうだから…なんですが、
全蔵で裏書くならっ!とやっちまいました。てひぇ。
…すごい下品なこと書いてますね。私。作品も充分下品なのに…。
あと、全蔵、銀さんとの書き分けが難しい(泣)
ていうか口調に関しては銀さんと同じだろ、と開き直りました。
ついでに。
文中で「声」に関する描写が多いので、お気づきの方もいるかもですが、
私は全蔵のCV、藤原さんが大好きです(笑)
大ファンです、もう(笑)
文中の台詞も、藤原さんヴォイスだと思っていただけるとうれしいです(えー)
いつもに輪をかけて下品な文章ですが、
読んでくださってありがとうございました!