「えっきしっ」

普段着の上からジャケットを羽織り、その上から毛足の長い毛布を被ってなお、神威も私もくしゃみとふるえが止まらなかった。

……地表がほとんど雪と水で覆われた惑星に滞在して二日目、艦内の空調管理が完全に壊れてしまった。

「ほい、こいつも被っとけ」

現状を報告に来るのと一緒に、追加の膝掛け布を持ってきた阿伏兎さんの前で、神威はズル、と軽く鼻をすすった。
そして差し出された布を受け取る。

「やっぱりすぐ直らない?」
「難しいねぇ…元々俺たちゃ、他の連中に比べると艦内環境にそこまで予算を割いてねェし」

難しいことはわからないが、機械というのは大体熱を発するので、冷ますために内側に扇風機のようなものが組み込まれていて、必死に本体を冷却しているらしい。
この冷却が追いつかないとオーバーヒートとなって、煙を噴いたりだのという「目に見える故障」が起こる、と。
だったら冷たい環境で使っていれば問題ないのでは?という思考がよぎったのだが、現に故障しているということはそんなに単純でもないようだ。
馬鹿な子アピールをする必要もないので黙っておこう。
氷点下の滞在地と、艦内全体に巡っている空調機器の停止。
これによって、私たちはかつてないくらいの寒さに見舞われていた。

阿伏兎さんが部屋から出ていくと、神威は受け取った膝掛けを、くるりと私の体に巻き付けた。

「わ、い、いいですよ、私、そんなに寒くない…」
「無理するなって、脚がすごく冷たくなってる」
「う…その、それは冷え性だから……」
「余計に暖めないと」

しがみつく私の脚を、神威の手がつーっと撫でる。

「う……」

確かに寒いし、私の体は神威よりも冷えてるのだろうが、
冷え性というのはあまり自覚できないものらしい。
冷たい、と言われるまで、さほど血の巡りの悪さを感じていなかった。
戸惑う私の膝の裏にクルンと布を巻き、脚を包んでくれた。
神威はそんな私を膝の上に抱き、上から毛布を羽織ってぎゅっと、距離を縮めてくる。

「……ねぇ、こういうとき、裸で抱き合うと温かいってホントかな」
「は、裸?」
「よく言うだろ?吹雪の山小屋で遭難したら服を脱いで、裸で抱き合ってから毛布かぶるって」
「言うんですか?そうなの……?」

……でも、確かに。
衣服の化繊は発熱も保温もしてくれない。
むしろ空気をはらんで冷たくなり、包んだ皮膚を冷やしていく。
それならそれこそ裸になり、神威と抱き合って…お互いの体温を与え合った方が、いいのでは。

「な、なって…みます?裸……」
「んー?」

……神威はやや、意地悪が伺える様子で笑った。
こんな話を持ちかけられた時点で、私という女が暖をとる以上に、性行為を想像しないはずがないと知っている。

「脱がせてあげるよ。ちょっといい?」
「じ、自分で脱げますっ」
「俺がしてやりたいんだよ」
「ぅ……」

そんな風に言われてしまえば、些末な羞恥心よりも嬉しさが優ってしまう。
私が変に体をじたじたさせるのをやめたとたん、神威の指が胸元に伸びてくる。
ぷつんとひとつ、白い指先でボタンが外された。

「は、あ……恥ずかしい……」
「アッハハ、なんでだろうね。裸も見せ合ってるし、風呂もトイレも一緒に入ったのに」

言われればそうなのだ。
もう、お互い直接見せあっていない部分なんて皮膚の奥にある内臓くらいしか思いつかない。
……それなのに、それこそ布が皮膚で、今すぐ、隠された内臓を暴かれそうになっているような…ぞくぞくする興奮がつま先をくすぐって、
足の親指をぴん、ぴんと何度かに分けてひきつらせてくる。

「俺もね、ワクワクするよ」

ふと、ニッコリ笑って神威が言う。

「プレゼントのリボンを解いてるみたい、なんて言うと安っぽいけどね」

その言葉にぎゅうっと心臓を掴まれてしまう。
瞳孔が開き世界がきらきらして、耳たぶがゾクゾクと気持ちいい。

「か、神威に抱きしめられてると、なんか…私って、こんなに小さかったっけ、とか…思います……」
「ん?どゆこと?」
「小柄じゃなくて、ふつうなんでしょうけど…神威の腕も足も、私より長いから…」
「そうかな?俺、タッパはもう少し欲しいけどなぁ」

そう言われて、神威の首筋にせわしなくぶつけていた後頭部をぐっとつかまれる。

「んっ……!」

ぺろぺろと神威の舌先が私の唇を舐め、たっぷりと私に恍惚を与えてから、しめに鼻の先をかじる。
そうしてその感覚にボンヤリ酩酊しているうちにもう、気づくと裸だ。

「っ……」

恥ずかしさよりも寒さで震えた私は、毛布の中でぎゅっと神威にしがみついてしまう。

「神威のも、私が脱がせていい……?」
「うん。頼むよ」

しがみついて指先がつかんだ布地は邪魔なのだ。


「ほんとに温かいんだ…」

全裸で抱き合って、改めて毛布を巻いて密着すると…一瞬興奮より、驚きが優った。
お互いに流れる血と皮膚のぬくさがじわじわ伝わって、服を着ているよりもずっと温かい。

「んっ…」
「ん……っ?!」

お互い向き合って膝の上にまたがる自分の愚かさと、そのちょうど二人の身体の間から見える神威の熱がむくむくと大きくなるのを目にして。

?」
「…えへ……」

なぞりあげるみたいに、冷気につられて隆起した神威の乳首を舌で転がした。

「ん……!」
「はんっ…神威、ん……」

普段同じことをしたときよりもずっと大げさに身体をびくっとさせた神威は、私のことをじっと見つめている。

、ちょっと…」
「あっ…?」

……私が神威の肩を掴もうと手を伸ばしたのと、神威が私を押さえようと腕を上げたのは同時だった。
偶然に、私の手の甲は神威の指を弾いてしまった。

「あっ、ごめんなさいっ…」
「……

それを責めるでなく。
神威は私の頭をぐっと自分の胸板に押しつけた。
……もっとしていい、と、言っているのだ。

「ん……ふ、う」
「……ん……!」

何度か舌で、自分の唾液を押しつけては拭って、また押しつけて。
ツン、と乳首だけ言えばかわいくそそり立っているので、
なんだかたまらないものを感じて、衝動任せに強く、舌先でギュッと押しつぶす。

「…ふっ、く、う…………」
「……えへ、神威…きもちい……?」
「ちょっと、息、かかるから…」
「んっ…くすぐったい?ごめんなさい…はぁ、ん…」

胸板から顔を離さずにぽそぽそと囁くと、神威の白い肌はさわりと粟立った。
わずかな私の吐息さえも快感になっているのだ、と思うと嬉しさが脳みそを何度となくつついて、視界をぼやけさせていく。

「んく……ふ、ぅ…チュッ……!」
「は……!」

さんざん押し込んでいじめた先っぽを、今度はしっかりと唇で吸い上げる。
ちょっと泣き声にも聞こえなくない切ない声が、愛しい人の喉から迸る。

「……んぅ、う……ふふ、大きくなってる……」

今はもう剥き出しの肉茎に血液が集まってきて、私の脚の間をぐいぐいと押してくる。

「っ、?」
「んっ…ほら、神威…」

どんどん充血していく乳首から離れないまま身体をより神威と密着させて、私の割れ目でその熱を挟む。

「っ……は、おまえ、もうこんなに濡れてるの」

ぐりぐりと、逆に私の割れ目を圧迫してくるほど熱い神威は、力を抜けばそのままぐいっと、胎内に入ってきそうだった。
けれどそれをせずに、私は自分のことも神威のこともじらすつもりで、興奮の唾液をごくんと飲みくだす。

「あはっ…神威だって、おっぱいだけでこんなに…」
「おっぱいって言うな」
「おっぱいですよ、ん…すごく感じてるじゃないですか、これ、私の乳首よりも敏感かも……」
「コラ…んっ、ん……!」

紅潮混じりに私をたしなめる声に抵抗して、また肌に寄せた舌の先で乳首を撫でつける。
ツルツルと何度も舌先を叩きつけ、断続的な気持ちよさで神威の言葉を封じてしまうのだ。

「っふ、ん、ちゅ、るぅ……ん……!」
「あ…はっ……あ」

意識しているのかいないのか、神威の腰がせわしなく揺れる。
ぐりぐりと肉茎を私の割れ目に擦り、その敏感な先端を何度も押しつけてくる。

「神威…入りたいんですか?」
「ん……」
「私のなかに入りたい……?」
「……わかるだろ」

これを見ればもう、と、さらに股間を押しつけてくる。
それはもう、問いかけるまでもないのだが。

「わかりませ、ん……っ!」
「っ、う……!」

神威の期待も、自分の逸る気持ちも無視して、にゅるりと股間を滑らせた。

「んぅ、あ、熱い、ここだけ火照ってるみたぁい…」
……ちょ、っ、う……!」

さらに私が神威にまたがる腰をひねれば、ぱんぱんに血の集まった肉茎は私の肉のあわせ目に挟まれたまま、粘膜とぬめりに振り回される。
同時に神威の口はぱくっと空振りして、言葉ではなくうめきのような声が漏れた。

「ふふ……ッン、でも、神威の、かたいっ、あ、私のクリの方がつぶれちゃい、そ……う、はぁん…!」
「おまえ…そういうことしたいの?」
「し、したいって言うか…その、だって……んっう、あぁ……!」

ぐりぐり、と私がお尻を振って肉ひだで神威をいたぶるのに対抗して、神威はガクガクと腰を揺らしては、亀頭と、ぴくぴくと脈打つ裏筋で肉芽を擦り立ててくる。

……さっき口にしたように、私のほうが簡単に圧されて快楽に負けてしまう。
それはわかりきっていることで、神威にとっては遊びに付き合ってくれている程度なのだと思っても、それでもうれしい。
私の動きで、自分の身体で、神威が切ない声と、いきり立つ熱を持て余しているのがわかるのが、たまらなくうれしい。

「んっく…くり、とりす…ぅ、つぶさないでぇ、ほら、先っぽぎゅーって……!」
「はっ、アハハ、頑張るなぁ、っ……」
「えへへ、当たり、ん…神威、気持ちいいんだ…クリとびらびらで、おちんぽの頭ぐりぐりされるのいいんですね…!」
「そりゃあ…っ、ん、あ、こらっ!」
「っ、へへ……!」

下腹部の動きにすっかり気を取られていた神威の胸板に頭を預けるふりをして、隙だらけだった胸板をちゅう、と吸い上げた。

「あっ、く、う、今、やめっ……!」
「はァ、あ、ちゅっ、んるっ、すごい、肩、ビクンって……!神威、どうしてそんなに…?」
「わっか、ら…な、ちょっ、噛むな、噛むなってっ」

それこそ本当に、女の私よりも性感帯として成り立っていそうな乳首を、何度もきゅっ、きゅっ、と、噛んでは離す。
漏れる吐息と唾液が入り交じれば、歯列の硬い感覚も決して痛みにはならない……これは神威が私に教えてくれたこと。

「や、め……っあ……」
「んっ…す、ごい、これ、すごいです、神威、乳首キュッてすると、おちんぽの先からぴゅって…は、あ、すごい……!」
「……っ……」
「感じてるんでしょ…?ねえ、私、うれしいです……」

そのつもりはなくても、ついつい問いかけながら腰も舌先も急いてしまう。
愛しい人が、私に主導権を握られたままに絶頂を迎えるところを見てみたい。

「く…ぅ、う……う」
「はっ、んっ、神威、ね、お願い、このまま……!」

懇願は、そのまま実現しそうだった。
押しつけあう陰部の脈動は、最初の頃よりずっと激しい。
プックリと充血を伴って膨れた先端と、小刻みに震えながら隆起する雁首まわりが、射精の前兆を教えてくる。

「出して、出して……ね、お願いします、このままいっ……て……!」
「うっ、く、あ…っ、あ……!」

だめ押しのつもりで乳首にキリッと、そのままちぎる勢いで歯を立てた瞬間に。

「……っ、は……!」
「あ、でたぁ……これ、あ、は、あはっ、すごい……!」

ぱたた、と、飛び散った重たい白濁が肌を叩く。
私の胸元やおなかに叩きつけられ、そしてそこからさらにどろりと、ねとつきながらこぼれて皮膚を汚していく。

「はぁ、あ…うれしい……こんなに出してくれたんですね……」
「……

神威は…私のリードで、というのが気恥ずかしいのか、ぎゅぅと身体を押しつけて抱きしめてくる。
そのせいで表情を伺うことができない。
肉体に与えられる直接的な快楽はまだくすぶっているが、それが気にならないほど私は今、とても心の方が充足していて……。

「えっ……あ?」

神威が突然私を抱き上げ、今までは腰掛けていたベッドに膝掛けを敷いた…と思うと、その上に落とし込まれた。

「よっと」

その上から毛布をまるでマントのようにかぶって、神威がにこにことのし掛かってくる。

「ごめん、汚れたな」
「え、大丈夫です…よっ、あ、あわっ、あわあっ!」

すぐさまベッド脇のちり紙で、神威は私の下腹部を拭い始めた。
へばりついた精も、私が漏らした蜜も、丁寧に含ませてはふき取っていく。

「や…ぁ、あ…!」
「ほら、脚開いて。ちゃんと拭けないからね」
「か、神威っ…ひ、あぁ、あう、んぁぁ……っ」

ぐ、と開けさせた私の脚の間に、ぎゅっと。
丸めた柔らかい紙と、それを持つ神威の指が割り込んでくる。

「そ、それ、拭いてない、でしょう…?!」
「んー?拭いてるよ、ほら…中ドロドロだし…これは俺のか、アハハ」
「ひぃあッ、ひッ、あ……!」

ぐりゅっ、と、湿った音がした。
わざとらしい手つきで、半端な快楽に充血していたクリトリスが擦られる。

「んっ、ひ、やぁ、ああぁ……!」

きっとこのまま続けて、私をいじめ倒すのだ。
……そう思っていたから。

「よし、きれいになった。シャワーも冷水しか出ないし、これでいい?」
「え……ええ?」

パタン、とまるで本の装丁にするみたいに私の脚を閉じさせると、神威はベッドに横たわり、私をギュッと抱きしめた。
連なった身体にくるくると、毛布を揚げ春巻きかなにかのように丁寧に巻いてくる。

ぎゅっと、距離はゼロだ。

「か…神威……?」
「ふぁあ、なんか射精すると眠くなるんだよね、寒いし。湯たんぽね、暖かくていいや」
「ね……ね、その、ね、寝るんですか?!」
「うん」
「え、えええと、えっと、でも、そうしたら……」

背中から抱きしめた私の乳房を、押しつぶすみたいに触る。意図してやっているのだ。

「わ、私…したいのに……」
「ん?さっきああいうことしたかったんじゃないの?」
「それは…その……」
「俺に恥掻かせて楽しかった?」
「ち、違いますっ!」

脚の間に神威の指がにゅっ、と入ってきて、まるで叱りつけるように、私の肉芽をつねりあげた。

「んっく、ふぅ……!」

そのままぐり、ぐり、と、指の腹で押しつぶされ、私の下半身は変に踊った。
そうして神威と密着すると、お尻にはまた熱を持った肉茎が当たるのに。

「神威、あっ、んあぁあッ!」
「ねえ、おまえってああいうの好きなの」
「ああいう、の、って、うくっ、ぅぅううっ!」

神威の指は、今度は充血した肉芽を左右にぷるぷると弾いてもてあそぶ。

「自分で主導権持って、俺の上に立ちたいの?」
「そ、それはっ……ひ、ひいいぁっ、うっ、うーーっ……!!」
「教えろよ」
「ち、ちがう、ちがいます、い、いじめ、られるのがいいの、神威に好き放題されるのがいいの、で、でもっ」
「でもなに」
「だ、だって嬉しかったの、神威がイクとこ、い、いやらしくって、ゆ、ゆっくり見られて、あっく、だ、め、いく、いっちゃ、う、だめ、だめ……!」
「ふぅん…なんでダメなの?イキたくないの?」
「っか、神威ので中イキしたいっ、ゆび、じゃ、いやっ、くりイキはいやぁぁああ……!」

そんなふうにモジモジと身体を捩るさなかにも、どんどんと快楽の気泡が頭の中で膨れてゆく。

「神威、ほしい、欲しいですっ!お願い入れて、中で、なかっ、なかあぁっ!」
「だーめ、ほら」

キュプ、と二本の指で押しつぶされて。

「はきっ、いっ、あ、あぁああぁあッ……!!」

……気泡はぱちんと弾け、私は呆気なく気を遣る。
足の先がつり上がり、一瞬目玉が裏返って視界が暗くなる。

「ふっ……は、はっあ゛?!あ、あーーーーッ!!」

そして詰まった呼吸がぽんと出ると同時に、ねじ込まれた熱に再び跳ね上がった。
さっきまで望んで望んで、そして叶わずに切なく終わったのに。
神威はそんな私にしっかりご褒美をくれた。

「はいっ、た、あぁ、熱いの、入ったぁぁ……!」
「アッハハ、喜びすぎだよ…ほら、こっち向いて」
「ん……ッ!」

後ろから貫かれた状態で舌を絡め合うのはなかなか難しいのに、そのもどかしさも苦しさも愉しい。

さっきとは比べものにならない、身体の奥の奥からの充足が湧いてきている。

「か、むいっ、わ、私すぐ、すぐいくっ、あ、ああぁああッ!」
「いいよ、何回でも…どうせ外には出られないしね」
「っふ、へ、えへへっ…へへ、うれしいっ…い、いっぱい、いっぱいして、くださいっ!」
「んん…馬鹿だなぁ……可愛いよ」
「うれひっ……い、いいくうぅううぅっ……!!」

じゅぼじゅぼじゅぼ、なんて、淫らさを超えて滑稽な気もする音を立てながら抜き挿しされる快楽に耐えきれない。

「神威、かむっ、い、あーッッ!!」

私の身体は今度は内側から張り裂けそうになった。

「ふっ、は、あァ、あ、あっ……ああぁあ……!」
「へへ…すごいや、軋んでるよもう、おまえの……!」

私が痙攣しても、神威は抽送を止めない。
そのまま自分も上り詰め、私の中に精を叩きつけてくれるつもりなのだ。

「はぁあっ、あ、あぁ、んはぁぁあっ……!」
「すぐ…出そ、俺もすぐ出せるよ……は……!」
「だ、だし、てっ、出して、中でドクドクしてえぇえっ!」

震えが治まらぬままに哀願すると、私の腰を掴む手が一気に乱暴になる。

「……っ、つ……!」
「あ、あぁああぁ、い、いぁ、いあぁああっ、くる、き、きちゃ、う、また、またいくの、神威、も、いっしょ、ね……?!」
「アッハハ…は、は、ほら……!」
「ふぅい゛い゛ッ!い、あぁぁああッ!!」





汗を拭き取り、肌からべたつきがなくなったことを確認して、またふたり抱き合う。

「あれ……止んでる」
「ん……?」

吹雪の様相だった外は、雪が積もってはいるが曇り空だ。
恒星の輝きは届かず、世界は鉛色にぼやけている。

「外に出て雪遊びでもする?」
「雪遊び……?」
「雪の中に埋めて我慢大会」

へらり、と笑いながら、神威は私の頬を撫でた。
……私がそんな過酷な責め苦にも、絶対耐えられるとわかりきっている顔。
これ以上の誉れも、悦びも私にはない。

「うんっ!しましょうっ、雪遊び!」