ふとベッドに仰向けになって、自分の陰部をまさぐった。
もはやそれは日常的な行為でもあるが、
脳裏に思い浮かべる光景、耳の奥の奥で聞こえる幻の声が伴えば、自慰行為はいつでも私に格別の楽園を覗かせてくれる。

ただの自分の指が、頭の中の妄想と絡まって神威の指に変化する。
そして私を、泣きそうになるほどに愛してくれる。

「……っあ…」

一時の愉悦から抜けて、ふうと息をついて。
弛緩しきった身体をさらに横たえても、なんとなく余韻に浸っていたくて手は陰部に触れたまま。

「……そういえば…」

私、神威のオナニーって見たことない。
当たり前か。

私の自慰は、見せてと言われれば拒む理由なんてない。
むしろそんな浅ましい自分の様子を見せられるのが恥ずかしくも嬉しくて、ついついいつもよりも大きな声が漏れてしまうくらいだ。

「…………」

もう少ししたら、神威が帰って来ると同時に開くドアの方を見てしまう。

「……っ」

なにか、なにか。
うずうずと。

無言で、買ってもらったばかりの下着に手をかける。
粘液を吸って、水浸しのようになっている布地はいちいち肌に張り付いて面倒だったが、なんとか脚から引き抜く。
それをぽん、と、ベッドの上に置いた。

……なにを考えているんだろう、と自分を客観視してみて、考えなんて一つしかないといきつく。

……神威の手淫が見たい。
それも、私の下着を依り所にして喘ぐところが。

「…ああ……!」

あの、女の私よりも白い、抜けるほど白い肌を紅潮させて、細さからは想像できないほどグロテスクな熱をその手でもてあますところを。
切ない吐息を、一人で漏らすところを…どうしても見たい。

「…でも…」

ぼそぼそ自分の期待と罪悪感に整理をつけられずに呟いて、シャワー室に引っ込んだ。
脱衣所とセットになったトイレの奥の扉を開くと、一畳もない、シャワーとカランだけが設置されたタイル張りの間になっている。
……そして、その後ろの壁は耐久仕様のガラスだ。
外側からブラインドを閉じたり開いたりできる。
開いたままにすればベッドからもシャワーからも互いに丸見えだけれど、閉じてほんの少し、隙間を作っておくこともできる。

「ばかみたい、私…」

そう言いながら、シャワーをひねる。
こんなことをしたって、神威がすぐに帰ってくる保証も、もっと言うなら……私が望むようなことをしてくれる確証だってないのに。

「……!」

慌てて、シャワーの出を最大にした。
つぶやいた瞬間に、部屋のドアが開いたのだ。

ただいまー、という愛しい声が聞こえる。
シャワーを流しっぱなしにしながらブラインドの隙間から覗けば、神威がにこにこしながら傘で自分の肩をとんとん叩いていた。

「あ、う…」

今すぐ出ていって、お帰りなさいと飛びつきたい。
水浸しの私をたしなめるかもしれないけど、きっとバカだなぁ、と笑いながら髪の毛をぐしゃぐしゃしてくれる。

「あ…?!」

思わず声を出してしまって、慌てて自分の口をふさぐ。

……ベッドに座り込んだ神威が、私が置いた下着を手にしたのだ。

「あ…うそ……」

…それを顔に近づけて、すんっと呼吸したのがわかった。
ぞくん、と、下腹に強烈な興奮が走った。
痛いくらいの。
怖いくらいのいやらしい予感が、私の股間を疼かせた。
思わずすぐさま右手を割れ目にあてがおうとして、ぎりっと歯を噛んで自分をたしなめる。

…まだ駄目。まだ。
自分を焦らして楽しむ段階だ。

「は…ぁ、ああ……神威…」

シャワーの音でかき消えるくらいの声でつぶやいてから、代わりに乳房に手をやった。

「んっ…!」

乳首はもう、触れる前からわかるくらいに尖っている。
それに親指と人差し指を添えて、きゅっと挟み込む。

「っ……!」

はしたない声が漏れそうになるのを我慢して、今一度隙間から神威の様子を覗く。

「あ…や、やあ……?!」

ゆるゆると。
私の下着を手にしたまま、神威の右手は、長杉とズボンの上から自分の股間をまさぐっていた。

「……ん…」

そんな声も、聞こえてきそうだった。
シャワーの音も自分の吐息も全部排して、神威の声に集中する。
どくどくと高ぶって、口にはいくらでも唾液が沸く。

「は…ああ……」
「ぁ……神威も…じらしてる……」

服の上から、ゆるゆると手のひらで触るだけ。
もうその下の熱が大きくなっているのがこちらからでもわかるのに、直接触れようとしない。
神威もきっと、自分自身を焦らして楽しんでいる。
早く触れて、思い切り刺激を与えたいのを…我慢している。

「ん…や、あ……ああ…!」

指先で乳首を、しごきあげるように引っ張る。
何度も何度も、きゅっ、きゅっ、と。

「あ…い、ああ…すごい……の…!」

それだけなのに、頭の中に気持ちいい物質がばらまかれて、思わず座り込んでしまいそうになる。
だって、目の前で。
ほんの壁一枚隔てた向こうで、神威が私の下着を鼻先でまさぐって自分の肉茎を触っているのだ。

「やだ…ああ、我慢…むりっ……!」

目先の欲におぼれやすい私は、胸の尖りをしごくだけではすぐに満足できなくなる。
自分の下腹に手を伸ばし、それでも割れ目には触れずに、陰部の外側…大陰唇の上から、むにむに揉むだけ。

「や、ああ…あん、あ…や、神威も…?!」

ちょうど私がそうしたのと同時に、神威が少し身を起こす。
もどかしげに自分のズボンも下履きもはぎ取って、ぱつんぱつんに張った肉茎を露出させた。

「は、あ……あ」
「……っ、あ、ああ…すごい、すごいの……神威…っ!」

外気に触れた肉茎は、刺激もないのにびくびく震えて、今か今かと刺激を待ちかまえている。

「ああ…触るの…触って、お願い…私も…さわりたい、から、神威も…触ってぇ……!」

小さく小さくつぶやきながら。
敏感な肉芽や膣穴に触れたくて触れたくて疼く身体を、なんとか押さえ込む。

「ふ……う」
「あ……!」

つー、と。
神威の指先が、張りつめきった亀頭に触れる。
指の腹でくるんっと、鈴口のまわりを円を描くように撫でて、口から弱々しい吐息を漏らす。
…普段の様子からまったく想像できない。
私が見たいと願ったものが、目の前にある。

「ん………」
「う、んぁ……っ!」

ちゅぷ、と。
音は聞こえないはずなのに、頭の中ではしっかり響いた。
自身を焦らし続ける神威の指が、鈴口につんとめり込んだ。
同時にぞくっと、神威が身震いする。
ちゅくちゅくと、そこから溢れた先走りの粘液を指先に掬い取る。

「あ…あ、そんな風に……する、の…?」

私の手は、もう自分のコントロールを離れて、勝手に包皮の上から肉芽に触れた。

「んうっ……!あ、う、神威…!」

まだ、まだ辛うじて。
包皮の上から、ぬめる自分の指で叩くように触るだけだ。
それだけでもみっともない声が漏れて漏れて止まらないけれど、気にするよりも視界の先を見ておきたい。

「は……」

絡め取ったぬめりを、指の腹で先っぽに塗りたくっていく。
それだけで興奮が逸るのか、神威がきゅっと目をつぶる。
だんだん呼吸にも落ち着きがなくなってきて、白い肌が上気していくのがわかる。

「あ…わ、わたし、も……ん、ぅ、ああ……!」

つぷんと、膣口に指を潜らせる。
かき回すまでもなく、とろんとした愛液が中指に絡む。
シャワーを出していてもわかるほど強い、女そのものの匂い。
卑しい私の匂い。

「んっ…く、あ、私も…これ、ぬるぬるに……ぃ」

掬い取った露を、表面だけなぞる動きで、自分のクリトリスに塗りこむ。

「はあっ…あ、やあ、ん、あ、ああ…!」

立っているのがつらいほどの快楽が、何度も脳を突き刺す。
それでもなんとか必死にこらえて、赤くなりきった肉芽にたっぷり蜜を絡ませる。

「ん…ふ、ン……!!」

神威はまだ、ぬるぬると。
溢れ続ける滲液を掬っては、何度も何度も、自分の肉茎に滑らせていく。
私がじれったさでもう死にそうになりそうだ、なんて思った瞬間に。

「う……く、う…!」
「あ……ッ!」

きっと、ぬじゅる、なんていういやらしい音がしたに違いない。
自分の手指で作った筒を、神威が根本から先端まで一気に滑らせた。

「あ゛っ、あ、やだ、神威の……っ!」

もう、視覚そのものが性感帯だ。

ぎりっと歯を噛んで目をつぶって、神威が自分の肉茎をしごきあげるのが。
しっかり見えるのだから、もう我慢なんて必要ない…!

「うっ、くぅぅん……ッ!」

ぎゅ、と、ぬめって逃げようとする自分のクリトリスを、根本から指でつかんだ。

「あ、ああ…わ、私のおんなちんぽ…」

クリトリスはペニスと同じルーツなのだという。
そんなどこで得たのかも思い出せない知識が頭をよぎって、瞳は神威のほうを向いたまま、指先の感覚だけを頼りに自分の秘処をまさぐる。

「んいっ、いあ、いい、あ、あぐっ…神威と一緒に、ひ…あ、しこしこしたい……!」

誰に懇願しているのだろう。
自分か。聴いていない神威か。
親指とひとさし指でしっかりクリトリスをはさんで、それこそ神威が今、自分の肉茎を摩擦しているのと同じ動きで。
くちゃくちゃ音を立てながら、上下に指で擦り立てる。

「んっあ、あ、あは、ああ…あ、あああ……!」
「ふ……く、う……!」

神威のそれは、色白い本人とは正反対にグロテスクだ。
血液が集まると血管が浮き出るほどで、表面は内臓のように真っ赤になる。
ぷっくり腫れた亀頭も、つついたらはち切れそうな裏筋も、淫猥さを携えた凶悪さ。
…それを今、神威は一心不乱に自分の手でしごく。

「あ…あ、すごい、今ぴゅうって出た、先っぽぴゅうってえ……!」

軽い射精くらいの勢いを持って、神威の指が先端から根本に移動するたびに鈴口から先走り汁が迸る。
いつもは私が口で受ける、あのしょっぱいぬめりが。

「は、はあ、ああだめ、やだ、いやらしい、の、すごいの、がまんだめ、がまんむりっ……!」

意識せずとも、私の指先も激しくなる。
挟み込んだクリトリスを指でしごいて、その合間合間に揉むようにくりくりと指の腹でいじめる。
それでも足らずに、余った薬指を膣のいりぐちに押し当てて、くぽくぽと軽く出し入れさせる。

「はんっ、あ、んっ、ああ、あん、あ、きもちい、オナニーきもちい、神威としてる、いっしょにしてる……!」

もうシャワーの音でもごまかせないくらいの大声が出ていることなんて、軽く考えるだけで脳の深いところに到達しない。
ただもう、今はこの快楽に身をゆだねたい。

「……!あ、ああ…?!」

じゅくじゅくと、どんどん手の動きを早めていく神威が一瞬だけ、ふっと息をついたと思ったら。

「あ、や、やああっ、は、あ、ん、ああぁあ…ッ!」
「ン…!く、ん……!!」

私の下着を手に取って、そのまま顔の、鼻と口元に勢いよく押し付けたのだ。
…そしてその瞬間に、神威の肉茎はびくんと、一層の刺激を受けたように脈打った。

「あ゛ッ、あ、うれしっ、い、あ、ああああッ!」

ぐり、と、自分の肉芽を押しつぶす。
同時に背筋がぞわぞわして、それからぴぃんと、電撃のような気持ちよさが突き抜ける。

「ふぁい、い、イッちゃ、った、あ、ああ…か、むいより、先にっ……ん、ぐぅ…!」

カクカク震える膝になんとか力をこめて立ち続け、絶頂の余韻が引かぬ粘膜にまた、手を添える。

「……
「っ!」

自分の手で肉茎の摩擦を繰り返す神威の口から。
その唇の動きで…私の名前がこぼれ出たのだとわかった。

「っ、う、ん、ぐぅうっ……!」

もう自分で自分を律するのが難しい。
カタカタ震えて、窓枠に手をかけてなんとかしがみついて、何度も何度も押し寄せる恍惚に歯ぎしりする。

「いあっ、なまえ…呼んでくれてる、のぉ、あ、あたまのなか、神威のなかに、今、私がいるのぉ……!」

あの急くように動く手も、先っぽがつぶれるくらいに強く握られている指も。
「私」の、代用品なのだ。

「……〜〜っ、…ッ、う、くぅああっ……!」

ぞくぞくと、幸福と快感が私を殺しにきている。
それでも必死に生にしがみついて瞳を開けば、神威は呼吸を乱して没頭し続けている。

「ああ、や、やぁあ、ああ……!」

二度の絶頂で、尖りすぎた肉芽が直接摘むと痛い。
ぷくぷく膨れる肉芽の根本を、ぬめりと一緒にぐりゅっと引き戻して、なんとか包皮の中に納め直す。

「あん…あ、かわ、勃起クリ、皮の上からぁ……!」

包皮の上から、たっぷり愛液で湿らせて指でこねくり回すと気持ちいい。
愛液の気泡がつぶれる音と、クリトリスに絡んでねとつく響きが一緒になって、私の耳朶まで興奮で埋め尽くそうとする。

「ぐりぐりきもちい…っ、あ、つ、ぎは…神威、いっしょ、いっしょに……!」

そのときにふと、神威が頷いた気がしたのは気のせいだろう。
こちらに一度も視線をよこしもしないのだから。
ふとなにかの拍子にかぶりを振っただけ。
けれども私はそれを都合よく肯定と受け取って、自分を高めながらも神威の挙動に釘付けになる。

……っ、く、う…」
「っあ、ああ…!や、やだ、それやだ、やだうれしいの、うれしいのおっ……!」

片手で持つのも煩わしくなったのか、私の下着をぐっと噛んで。
ほとんど苦悶のような顔になりながら神威は、一層肉茎を擦り立てる。

「あ、ああ、あっ、いっ、く、だめ、またくりいきしちゃうっ…!かむい、より、先に…あ、い、あぎぃっ…!」

神威の手のひらも、もう滲液でぬるぬるだ。
ガラスさえ隔てていなければ、恥ずかしい音と男の匂いで一杯になってしまうだろう。

「は、っ、あ、出る…」

私に宣言するみたいな、大きめの声だった。

「出る、、出すよ」

急いている声。ほんの少し余裕を欠いた切ない声。

「わっ、あ、私もっ…い、いく、イッちゃうっ、は、ああ、あ、きて、きてえっ、お願い、あ、い…く、ぅ、いく、いくのっ……!」
「っ、ん……!」
「くんっ、あ、あっ、あ、あはぁああぁああッ!」

ちかちかと一瞬目の前が白くなって…ついに私の脚はバランスを失って、水浸しのタイルに座り込んでしまった。

「ん…ふ、あ……」

ぼうっと、心地の良い虚脱感に襲われながらふと上を向いて。


「わっ、か、神威?!」

ブラインドをさくっとめくりあげて、神威がにこにこ笑っていたものだから、大声を上げてしまった。

「えっ、え、ええ……っ?!」

窓から離れたと思ったら、今度はシャワー室の扉が開いた。
裸で水浸し、下半身は違うものでどろどろの恥ずかしい私を見て、神威はひゅう、なんて口笛を吹いた。

「あわっ、あ、あわわああ」
「やっぱりしてた。バカだなぁ」
「わ、わかってたの…?!」
「うん。途中から声も丸聞こえだった」
「う…うううっ…」

うれしさもあるけれど、同じくらい羞恥心もある。
うつむいた私のわきの下に、神威が腕を差し込んだ。

「早くおいでよ。満足してないんだから」
「あっ、あ……?!」

そのまま私を持ち上げてシャワー室から出ると、体中びしょびしょな私をかまわず、部屋のベッドに放った。
シーツにのめりこんだ自分の顔を持ち上げて神威の方を見れば、ズボンだけ脱いだ長杉の前垂れを持ち上げて、硬いままの肉茎で私を差した。

「は…あ、まだ硬い……」
「手で軽く出しただけじゃね」

軽くといっても、ふつうの射精くらいは出たはず。
それでもこの夜兎というのは…とりわけ特に神威は、簡単に充足して弛緩したりしないのだ。

「ほら、おねだり」
「んっ…!」

うなずいて、仰向けに脚を開く。
自分の膝の裏に手を通して、できるだけ脚を持ち上げる。

「か、神威…がちがちの、それ…がちがちちんぽ、のオマンコに突っ込んでくださいっ…!」
「アハハ、オナニーじゃ満足できないの?」
「できないよぉ…!お、オナニーは軽くクリでイッただけ、ぇ…オマンコの奥、深いとこでイッてないんですぅ……!」
「ココばっかりいじってるの?そっか、だからお前の、最近いつでも皮からはみ出てるんだ?」
「い、いやあっ……!」

ベッドに乗り上げて、神威が私の開かれた足の間をじっくり眺める。
上位から。私を心から隷属させてくれる、絶対的な支配と愛の視線で。

「だ、だって中イキはぁ、神威の入れてもらったときのために取っておいてるのっ…自分の指もおもちゃでも、ぜんぜんだめなの……!オマンコも子宮のいりぐちも、神威のじゃなきゃ「びくびく」ってなれないの……っ!」
「へーえ……」

ごくんごくんと、止めどなく口腔に溜まる唾液を飲み込んで。

「神威お願い、お願いしますっ…をたっぷり中イキさせてぇっ!」
「ハイハイ、合格」
「んっ…う、あ゛、あっはぁああぁあああーーっっ!!」

ぐっと、脚が力強い手で押さえ込まれたと思ったら。
期待に震える私の孔を、神威の熱い杭が貫く。

「はっあ゛、ああーッ!きた、きたぁ…っ!奥まできたぁっ!」
「っ…
「んあぐぅっ、あ、ああ、な、なんですっ…ぁあぁああぁっ?!」

神威が私の腰の下に手を入れ、くんっと上に突き上げさせる。
同時に中の肉茎も上の壁を擦るような動きに変化して、あり得ないのに、おなかが破れる、なんて想像さえさせた。
恐怖じゃない。
むしろ上壁のにゅくにゅくしたところが、潰されるように刺激されて、そのうえズルズルと粘液まみれに摩擦される。
気絶しそうなほどの快楽だった。

「んはあッ…あ、あんっ、お、おっふぅう……?!」

ひとしきりめり込んで擦ってきた肉茎が、今度はずるんと引いていく。
そして気を抜いたころを見計らって、神威がまた…腰をぐりっと突き込んでくる。

「あ゛あ゛あ゛っ……あ、ああ、ひぁ、神威っ…!」
「…気持ちよかった?」
「んえっ?」
「俺をオカズにオナニーするのは、気持ちよかった?」

ぞくぞくぞくっ、と、思わず目玉が裏返りそうな感覚が体中に走った。

「あっ…ああ……!」
「どうなの」
「あきっ、き、きもちよかったぁ…!か、神威がちんぽしこしこするの、す、すっごく、いやらしかったぁ……!」

なにより神威が、いやらしい言葉で私をなじってくれるのに興奮してしまう。

「あっか、神威は?私のパンツでオナニー…き、きもちよかった…?!」

ごくんと、一際大きく唾液を飲み込んで。
不安で押しつぶされそうになりながら、神威の言葉を待つ。

「…やっぱり、それが目的で置いてたんだ、アレ」

あれ、で、神威がベッドの端の私の下着を顎でしゃくる。
真っ赤になりながら…もう否定のポーズなんて取っても仕方がない。頷いた。

「ふぅん。そんなに俺のオナニーが見たかったんだ」
「っ、う、だ、だって…」
「かわいいなぁ」

ぐしゃっと、神威が私の髪の毛を撫でる。

「気持ちよかった」
「や、やぁ、う、うれしっ……!ん、あ、あッ、ひぃああぁああっ!」
「ん…なんでかなぁ、と直接、こうやってさ」

番った部分から、粘っこい音がする。
神威の体は暴力的な勢いで私を押しつぶして、中を何度でも擦ってはかき回す。

「はぁひっ…ひ、あ、あああぁ、ん、んぅああぅ…!」
「こーやってするとこじゃなくて…、っ、手でさせたり、お前の肌に擦ったりするとこ、考えちゃうんだよね」
「〜〜ッッ、そ、それ、それぇぇっ……!」

また、ぞくぞくと。
発狂するんじゃないかというくらいの悦びが、私の体を突き抜けていく。

「なんでだろうね?……は、俺も、もったいぶってるのかな……?」
「んあッ、あ、も、もったいぶらないでぇえっ!い、今はもう、もったい、ぶらないでっ…私のおまんこ…ぐっちゅぐっちゅにしてぇえっ!」

嬉しさと痛いくらいの気持ちよさで滲む涙を、神威がぺろっと舐め取ってくれた。
それをタイミングに神威が私の上に倒れ込んで、体全体をぐっと押し付けてくる。

「神威っ…神威、神威っ……!」
「バカで甘えん坊で……お前はほんとにかわいいなぁ」

ぎゅっと、その背中に腕を回して幼児のように抱きついた私を、神威は撫でてくれる。

「んあぎっ…いあ、あぐっ、あ、だめ、きちゃう、いくっ、いぐっ……お、おまんこきちゃうっ……!」
「だね…きゅうきゅうしてる…はぁ、一回出すよ…中に塗り込むから、こぼすなよ?」
「はっぐ、は、はぁい、こぼさないっ、から、は、早くっ……!」

ぐっ、と、より一層奥に、神威がめりこんできて。

「んっ……あ、あぁぁああーーーッッ!!」
「っ…う、っ……!」

きゅうっと、自分の膣が収縮した瞬間に、神威の肉茎がのたうつ。
そして私が力を抜くと、またびくっと。
何度も何度も私の中に熱を吐き出して…ようやく治まる。

「……っと」
「あうっ…」

神威が肉茎を引き抜いたので、私はくっとお尻をあげて…いわゆるまんぐり返しだとか言う体勢になる。

「は…こぼれちゃだめ……」

いくら中に出されたって、実が生ることはないけれど。
それでもせめて、こうしていたい。

「……んー」
「わ、わひっ?神威?!」

天に臀部を向けて割れ目を押さえる私の手をどけて、神威が膣に指を一本、差し込む。
そしてにゅるにゅると、白濁が注がれた内壁を指の腹で撫で回す。

「んくぅっ…は、ああ…神威……?」
「これって全部飲み干せるのかな?どうしてもこぼれちゃう?」
「んっ…!」

なみなみ注がれた獣欲を、全部身体で受け入れろと言うのだ。

「えへっ…あ、あんっ……が、がんばるから、いっぱい押し込んで…いっぱいかきまぜてっ……!」
「はいはい」



そう、今が。
この瞬間が神威と得る幸福で満ちていれば、ほかに何もいらない。