「ん……」

熱くて、むせそうなほど強烈な香りを放つ果物の中にいた。
果物の汁にまみれた私は、悶えて動くたびにどんどん肌がとろけていく。

そして、とろけていくうちに自分の感じやすい、気持ちのいいところが丸剥けになって晒されてしまう。

「は……あ、い…ん」

小刻みに痙攣しながら、おぼれそうになりながら、苦しさに喘ぎながら、私は襲いかかるであろう快楽を恐れている。

「や……あ、や、やっ、や、あぁ……!!」


「……お…起きてんの?」
「……は、ああ……?」
「おーい、起きてんのか?」

……銀さんの声。
私はそれには返事ができず、ただベッドに顔を押しつけただけだ。

「寝てんのか」

……そこで、私のおしりがもうなにも身につけていない状態で、銀さんにいじられていることに気がつく。
むき出しの秘処は寝ていたのにびっしょり湿っているのが自分でもわかるほどで、
それは私がみだらな夢に悶えていたせいなのか、
そもそも夢の原因は銀さんが私をいじっていたからなのか……どっちかはわからないが。

「さすがにマズいか……」
(あ……やめる……?)

寝相を装って、うつ伏せの身体を少し動かすと、私と同じように下半身を露出させた銀さんが、肉茎を私の内股にずりずり押しつけていた。

(あ…ぬるぬる……いいなぁ……)

まだとろとろの頭で、媚びるようにおしりを突き出す。

「……はあ」

わざとらしいため息のあとに、銀さんの先端が私の割れ目を探る。

「んっ……ふ、ゥ、ん……!」

ぐじゅっと、膣口の前からクリトリスの表面まで、一気に銀さん自身が滑る。
その感触に震えて、熱い吐息が漏れる。

「…おーい、狸寝入りかぁ?」
「……んんぅ……わたし、ねてる…もん……」
「起きてんじゃねーか」
「ねてる…ねてるから、もっと、もっと……ね、そのぐちゅぐちゅきもちいから、もっとして……」

ゆるーくエアコンのきいた室内だから、私は上を脱がなくてもいい程度だったけれど、銀さんはそうでもないらしい。

ばさっとTシャツを脱いで、その辺に放った。

「銀さん…興奮したんだぁ、はは……ん、身体あつくなっちゃっ……た?」

私の意識は、まだ本当に半分寝ている。
自分の中だけにとどめておこうと思った気持ちが、ゆるい言葉になって漏れてしまう。

「いらねーのかこれ、うら」
「や、やだ、いる……いる、よ」

銀さんがすっと肉茎を私から引きはがしたので、慌ててごねる代わりにおしりを振った。

「だったらあんまし変なこと言うなって…おら」
「っん、んぅ……あ、や、ぁ、んっ……!」

銀さんが腰の位置を工夫しているのか、再び私の割れ目を肉茎がなぞるのと同時に、私と銀さんの内股同士がぴったりぶつかった。

「はっ、あ、あっ…!ん、はぁ、はっ、あ、ああ……!」
「すっげーぬるぬる……お前寝ながらどんな夢見てたの」
「や、あ……な、なんか、やらしいゆめ……」
「へー……ん、あ、これイイな」
「んっ…!これ、ってあ、や、やんッ、はひ、あぁ……」
「こーやって腰落とすと、先っちょのとこに当たるわ……あー……」

その言葉通り、銀さんの先端、鈴口のあたりが、私の陰核にぐりぐりと押し当たる。

「ん…それ、ん、ちゅー、してる……」
「あ……?ちゅー……?」
「うんっ、私のクリと、銀さん、の、精子出るあな…くっついたり離れたり……ちゅーでしょ、これ……んあぁ…!!」
「バカ」

口にした下品な形容詞を、銀さんがどう思ったのかはわからない。
ただ突然、緩やかだった動きが乱暴に、何かを憎んでいるかのように激しくなって、私は挿入こそされていないけれど、腰をぶつけられてベッドの端まで追い詰められる。

「あー、あーもーほんっと……あ、いっぺん出すわ、これ…ツラ向けな」

「つら…顔……んっ!!」

思わず目をつぶった瞬間に、びちゃあっと。
顔中に生ぬるい粘液が広がった。



「いやーだってよぉ」

ホテル自慢の内風呂露天に浸かりながら、銀さんがもにょもにょ文句を垂れる。

「大風呂行ってメシ食って、部屋に戻った途端お前寝るんだもん!いやね俺頑張ったよ、真面目に寝ようとしたの、でもさぁ……」
「…………」

露天風呂のそばに備え付けられたシャワー台とカランで顔を洗い、ついでに髪の毛も洗った私は、寝しなにいたずらされたことをさして怒ってはいなかった。

実はこっそり、起きて朝になるまで我慢できなかった銀さんを思うと頬がゆるむほどで、顔にたっぷり生臭いのをかけられたのもぜんぜんかまわない。

「……でもぉ」

それでも怒ったふりを続ける。

それはそうしないと間が持たないと言うか、
ここで「いいよ(はぁと)銀さんがまんできなかったんでしょっ(にこにこ)」なんてやってしまうと、
昨日の昼間からさんざんからかってきた分も計上されて銀さんがむくれてしまう。

だからとりあえず、「彼氏にむりやりプレイを強要されてむくれる私」を、演じとく。

「……」

い、いけない。また頬がゆるみそうだ。

銀さんがこの旅行を私以上に楽しみにしていて、それで肉体的にも変な我慢を重ねていて、余裕なんていつにもましてなくなっているというのは、十分わかった。

それだけで胸一杯なのだけれど、
胸とおなかが満たされるだけでは私は満足できないのだ。銀さんとおなじく。

「……じゃあ」

そう言ってシャワーを止め、お風呂に身体をじゃぶっと入れる。
湯船の中であぐらをかく銀さんの股座におしりを乗せて、胸板に背中を預ける。

「その……さっき、私、最後までいかなかったから……」

銀さんが、私の肩に顎をのせる。

「き、きもちよくして?って、あ、あああちょ、は、恥ずかしっ!」

ぶりっこじみたポーズが自分にぜんぜん似合わず、言葉を口にした直後に羞恥心が上ってきた。
思わず顔を手で押さえたけれど、銀さんは私をじーっと見てから…にたっと笑った。

「よーしよし。ちょっと待ってな」
「え、あ……出てっちゃうの?」

私をふわっとお湯の中に放って、銀さんはざばーと立ち上がってシャワーの方に歩いていってしまう。
お風呂から出てしまうのかと慌てたのだけれどそんなことはなく、

銀さんはにたにた笑いながら、シャワーヘッドを引っ張って湯船に戻ってきた。

「お……案外長いな、中に入るか」
「え?ええ?なにするの?シャワーお湯にいれるの?せっっく温泉……わわっ!」

シャワーホースは利便性を考えて長くとってあるらしい。
銀さんが湯船につっこんでもまだ余る長さで、その状態でシャワーをひねれば、噴水のようにぼこぼこっとお湯が持ち上がる。

「??」
「よっと……ホラ、足開け」
「ひ、ひらくって……?」

不安に思いながら、またお湯に浸かって私を後ろから抱きしめた銀さんを振り向く。
そうしながらもそろそろと足を開くと、突然陰部に刺激を感じて、慌てて前に向き直る。

「わ、わひ、ぎ、ぎぎぎ銀さんなにやってん、のっ……!」
「え、これやらない?シャワーオナ」
「オナじゃねええ!やっ、や、ったことないっ…ん、は、ひ、やだ、や……ん、なんかしゅわしゅわするってば、や、は、あぁっ!」

お湯の中で、銀さんがシャワーを私の股間に押し当てる。

強い水の勢いで下腹部のどこと言わず強烈に刺激されて、 私はかたかた震えた。

「これ、や、んっ、は、ん、んぅ……ん、やだっ、や、ばかぁ……!」
「バカ?銀サンが?」
「ば、ばかっ!こんなこと考えた人が!」
「のわりに腰ふりふりしてんじゃん、お前」

言われるまでもなくわかっている。
シャワーの動きにあわせて、自分の下半身がせわしなく動いてしまう。

「ひゃ、や、やだやだこれ、あ、あ、な、なんか、へ、へん……!」

その奇妙な感覚から逃れようとするのに、銀さんが後ろから私の身体をがっしりと押さえ込んでしまう。

「ぎ、銀さんっ、これいや、いやぁ……これじゃ、い、いかない、からっ、やめよ、ねっ……?」
「あ?これでもいかねーか?」
「ちょ、んはぁあっ……!」

銀さんのは、お風呂の中でもわかるくらいに熱い。
それをぐっと、私のいりぐちに押し当ててはにゅるにゅると滑らせる。
その上でシャワーも止めたりせずに、私の秘処にぐっと近づけて、クリトリスらへんを集中的に刺激している。

「おめーさっきヘンなこと言ってたじゃん…あー、ちゅーがどーのって」
「ひゃ、あ、ちゅ、ちゅー、いったけど、けどぉっ……!」
「変わらねえじゃん、のまんこ穴と銀サンのがちゅー」
「や、あ、ちゅーしてない、これちゅーちがうっ……!やだやだっ、ね、ほ、ほんと、私、銀さんの手とかがいいの、シャワーやだ、とめてっ!」

そこまで言って、ようやく銀さんはシャワーヘッドを私の身体からずらしてくれた。

「んじゃ教えてくれや、どんなんが「ちゅー」?」

シャワーを止めて、また湯船に浸かりなおした銀さんは、今度は向かい合わせに私を抱きしめる。
……その言葉と体勢の意味を理解して、湯の温度とは違うものでかーっと赤くなりながら、私は銀さんの脚をまたいだ。

「こ…れ、こうやって……ん」

脚をゆっくり曲げて腰を屈ませ、お湯の中でも濡れているとわかる自分の割れ目を、指で割り開く。

「こ、こーすると、私の…あ、アソコと、銀さんのちんちんの先っぽが、ちゅー……んっ!」
「先っぽ?どのへん?」
「こ、ここ、だからここ、銀さんの、ちんぽの先っちょのおちょぼ口みたいなとこ…せ、精子でるとこっ」
「おちょぼってお前……とんでもねーこと言うな」
「〜〜っっ!いいの、ほんとにそれっぽいもんっ!で、わ、私の…この、穴…わかるでしょ」
「俺専用穴?」
「そ、そう、銀さんせんよーの、エロあなっ…ここで、ちゅー……」

あと少し腰を屈めてしまえば、膣の前庭で絡め取った銀さんを挿入するのは簡単だ。

「……んー、待った」
「はえ…え?な、なんで……?」

銀さんが突然立ち上がって、ふわっと私を抱きしめる。
普段は大変なそれも、広いお風呂の浮力を利用すれば簡単だ。

「よっと…ほら脚開け」
「ちょ…な、なんでぇ……」

お風呂のふちに座らされた私は、また開脚して、全部銀さんに見せることを要求される。

「おねだりしてみ」
「おねだり…?」

オウム返しした私の秘処を、銀さんが指でつついた。

「ココにキスしてほしーんだろ」
「……キス……う、うん…」
「じゃーねだってみろって、銀さんちゅーしてぇ〜って、甘えてみな」
「やっ…そ、そんなの……!」

異議を唱えようとした私の声は、虚空に消えた。
正しくは…それ以上声を出せなかった。
銀さんがクリトリスをきゅっとつまんで、まるでしごくように上下にぐりぐりしたから。

「あ、あやっ、や、やらっ、やだ、やだ、しこしこしないでっ、ぐりぐり押さないでぇえっ!」
「んー……」
「そ、そこちんこじゃないのっ!銀さんの、お、ちんちんとは、ちがうから、乱暴にしごいていいとこじゃないのっ……!」
「そーか?まんこは汁吹いて喜んでっけど」
「ひ、ぎ、ちがう、の、それ、違うのっ……」

かたかた震えながらなんとか脚を閉じようとしても、銀さんの腕ががっちり押さえ込んでいる。

「あ、あいえきがいっぱい出ちゃうのは、銀さんとおふろが嬉しいからだもん、そこ、んぁっ!し、シコシコされるのが嬉しいんじゃないのっ!」
「……へー」

そう言って、銀さんの指がぱっと離れる。
ひとまず大きくため息をついて安堵した私を、じっと見つめてくる。

「お前、やってるときかなり変なこと言うよな」
「あえ…そ、そう……なの、かな?」
「前も平気でちゅーしてーとか言ってた。言ってたマジで。アレなんなの?演技?」
「は、はあ?!演技じゃないよっ!なに言って……んのっ」
「じゃあなんでシラフだと恥ずかしいんだよ。演技ってか、お前アレのときは勢いに任せてデタラメ言ってんじゃねーの?」

意地悪だ。
お風呂に入る前のいじけたふりでやり過ごしたと思っていたのに。
目の前の男は、ここについてから自分の方が私より落ちつきなくそわそわしていて、かつそれを私に言い当てられたことをまだ根に持っている。

本当はそんなこと思ってもないくせに。
なのに、私を泣かせようとする。
どうしてそういうこと言うの、って、怒り泣きさせようとしている。

「……しらふで言ってあげよっか」
「あん……?」

私はふんっと鼻を鳴らして、閉じようとしていた脚を、逆に思い切りひらく。

「……ここ」

開いて、さらにはその中心の肉の合わせ目を自分の指で開いて、奥の奥まで晒しきる。

「ここに、ディープなちゅー、して?」
「おい……」
「このつんってなってるとこ、クリトリスの皮ごと食べて、よだれいーっぱい絡ませて、すっごいエッチなちゅー、してほしいなぁ……」

こんなことを、恋人の前でだけとはいえ口にしているのがしれたら、かぶき町のみんなは私をどんな目で見るんだろう。
おいてきたつもりの日常生活が、ほんの少し脳裏にちらつく。

「銀さんのこってりしたべろとくちびるっ…ん、んひはぁあああぁっ?!」

一度ぎゅっと瞳を閉じた瞬間を待ちかまえていたように、銀さんが私の陰部に口づけた。

「んあっ、あ、ちゅーきたっ、ちゅー……はっ、ん、はひやっ、あ、あああ…!」
「ん…の望み通り、こってりしたキスしてやるって……ん、んー……!」

むちゅるっ、と、銀さんが自分の唾液と私の愛液を同時にすする音。

「あ…ああ、舌ぁ、わかるぅ……ぎんさんの…べろぉ……」

舌のざらつきまで、全部わかる。
じっくり味わわせるようにゆっくり、銀さんは陰核の表面を丁寧に舐めてくれる。

「ひゃひっ、ひあ、あ、あぁ、ん、ああ……!」
「んぶ…おわ、今ピュッて出た」
「や、あ、吹いちゃう、のっ……!」

膣穴からか、それとも尿道からなのかも曖昧。
濃い液体が勢いよく、自分の性器からあふれ出る。

「いーって、全部吸ってやるから…キスだもんな?お前のヨダレ、銀サンいっつも飲んでやってるもんな」
「は、あ、う…うん、飲んで…いっぱい……んぁ、あ、ああぁ…!!」

今度はちゅうっと、包皮ごと唇で挟んで吸われる。
そして本当にキスするみたいに、吸いながら舌がむき出しの肉芽をぺろぺろ舐めて、とにかく弄くる。

「ひ、ぃあ、ん、はっ、あ、あ、はぁ、だめ、ゆ、ゆるむ、のっ、ゆるんじゃう……!」
「っは…ゆるむ?」

その言葉に、こくこくうなずく。

「あ、あそこゆるんで…な、っ、へ、へんなの、出ちゃう……っ!」
「出してみ」
「や、やぁ、ん、あ、また吸うのぉ……ちゅーするの、や、ぁ、あっ、あぁぁああっっ!!」

くんっと臀部に力が籠もって、それからすぐ抜けた、と思った拍子に。
ゆるんだ自分の性器から吹き出した迸りを、銀さんは口も離さずに吸っている。

「あ、や、だ、だめ…の、飲んじゃだめえ……!」
「ん……ふは、いいじゃん、小便じゃないっぽいし」
「だ、だからって…え、ぇぇ……あ、う……」

ちゅううっと、漏れた愛液の滴りを吸い尽くすと、銀さんは割れ目から口を離す。

「……あ、銀さん、口元どろどろ」
「誰のせいだと思ってんですか」
「ん…私のせい……だ、だから、よっと……」

ふにゃふにゃする体になんとか力を込めて、湯船にざぶんと降りる。
すかさず銀さんに抱きついて、その口元をぺろっと舐めた。

「んっ…だから、ちゅーで綺麗にする……ね?」
「……ったく……ん…」
「ん…はぁ、ん、む……ん、ちゅっ」

犬か猫みたいに、ペロペロと口の周りを舐めていた舌が、銀さんに捕まえられて甘噛みされる。

「んちゅぶっ……ちゅ、ううっ……ん、はっ……」
「…はー……、けつ向けて、そこに手ぇつけ」

体をぐりんっと回転させられて、お風呂の縁に手をかけさせられる。
露天風呂だけあって、湯船も岩風呂を模した形だ。
引っかければ、そんなに滑ることもなさそう。

「…………っ」

そんな風に考えながら、次に私に訪れる刺激を待ちかまえる。

「ふらつくなよ……おら」
「ん……あ、こ、これ……」

銀さんの腕がうしろから回ってきて、私の下腹をぐっと固定する。

よりおしりを後ろに突き出した形になって、改めて羞恥心にふるえた瞬間に、それは…きた。

「はぁっ……あ、ぐ、う、ぐぅあっ……!」
「お…ぐ、ちょ、待て、待て待て…これ、なに?え、あれ?」
「ま、待って銀さん、ちゃ、ちゃんとはいってない、へ、へんなとこ、つっかかってる、ちゃ、ちゃんと穴みて入れてぇ…!」
「駐車場の警備みてーなこと言うな!ちょ、あれ、痛てっ…な、ん?」
「あ…う、わ、あ、わかっ…た、わかった、私、これっ……!」

くんっと、足に力を込めて背筋を伸ばす。
すると、突っかかって、私の下腹に変な圧迫感を与えていた内側の熱が少し押し戻されて……そして、もう一度、今度はしっかり入り込んでくる。

「お…おぉ、入った……は、やべ……」
「た、たぶん、ぎ、銀さんの、いつもより、大きいからぁ……、いつもより上、ん……!む、いてるから……はぁあっ……!」
「ッ……またそれほじくり返しますかおめーはっ……は、銀さんなぁ、う、ああ」
「は、あ、んっ…うん、なに…お、教えて、銀さん、教えてぇっ……!」
「はぁ…どんだけムズムズしても、あー、抜かねーように気ぃつけて……ぅあ」
「あれ…?!い、いまぴゅって……でた、の…?はぁ、ああ、あっついの、でたの……?」

自分の膣穴の中で、銀さんの肉茎の先端からねばつく液体が噴き出す感覚がして、あわてる。

「ちげっ……まだ出てねーよ…これガマン汁……は、なんかすげー出てるわ」
「う、うそ、だぁ、だって、せ、精子みたいにぴゅっぴゅってなってるよ?な、かで、暴れてる……ん、はあ、ああぁああ……!」
「喜んでんだよっ……のまんことちゅーできんの、銀サンのが喜んでんのっ……!ああもォ変なこと言うなら…出してやろーか?」
「う、うんっ、うんうん、出して、私もうれしいから、ちゅーうれしいから、だ、出されたしゅんか、んに、一緒にびくってしたい、いっしょにイキたい……っ!」

歯が、勝手にかたかた鳴る。
崩れ落ちないように体をなんとか支えながら、狂おしく求める。

「わがままばっか言いやがって……うら、出すぞっ」
「んっ…ひ、はぁ、あ、あきっ…きた、あ、あぁああぁあああああぁあぁあっっ!!」











……福引きで当てたチケットの中には、施設の中のレストランでの朝食が無料になるサービスも含まれていた。

サンドイッチや軽食で…と思って、朝の8時にレストランモールを歩いたらどこも満席で、
それでも空腹をガマンできない私たちは、モールの一番奥にある怪しげなお店に入った。

店主は天人ではないけれど日本人でもなく、
日本語がいまいち堪能ではないらしかったけれども、
「もーにんぐめにゅー、あと肉、肉肉」
と銀さんが手振りで説明したところ、店主はにこにこ笑って席に案内してくれた。
そしてやってきたのはモロヘイヤのスープと、なにやら焼き鳥みたいに串に刺さったお肉の料理と……前にカレーやさんで見た、ナンに似たようなパン。

「こ…ふたかばーぶ、けばぶ?あ、ここエジプト料理なんだ」

席に置いてある冊子には、一応ローマ字と日本語で簡単な説明が書いてある。
銀さんが今食べている串焼き肉は、羊肉らしい。

「それマトンだって」
「マトン?あ?これ魚?肉じゃねーの」
「……銀さん、マトンって魚じゃないから。ていうかどう見ても肉でしょそれ、羊肉」
「へー…羊ねェ」
「エジプトじゃあ結構よくあるみたい…へー、モロヘイヤの特産はエジプト、だってー」

塩味のついたパンをかじりながら、妙に感心する。

「エジプトっつったらあれだよお前、ファラオ?古代文明の王サマが、敵に毒漬けにした生娘を送りつけて暗殺してたっつー、「毒娘」つったか?おっかねー話があったな」
「どくむすめ…?へー…」
「外国は得てしてこえーよ。俺の知り合いなんだけどさァ、貿易やってる男がな、こないだパツキンのネーチャン買ったらなんか股間が腫れたっつって写真よこしたし、案外今もあんのかもな、毒娘文化」
「それは毒娘っていうか…ただ病気うつされたんじゃないの……」

いいながら、青々したスープを飲む。
実に滋養によさそうな味がした。

「食え食え。スタミナつけとけ」

「……今日も、夜までいっぱい遊ぶもんね?」








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続き物のくせにアップが遅いよ。
というわけでお待たせ…しました?
待ってくださった方はいるのだろうか?な銀さんと温泉、2話目です。
まだ引っ張るという。次でラストです!!
いやでも、これはただひたすら銀さんとアレざんまいの話が書けて実に楽しいです、はい(笑)
最後のエジプト料理は…毒娘のことをちょっと書きたかったんですね。ごめんなさい……。

そんなわけであと残り一回、おつきあいいただければ幸いです……!