……夜。
私の、密やかな楽しみ。
……もう、銀さんと同じ和室に寝泊まりさせてもらうのも日常的になった。
掃除や雑用で遅くなってしまった日だとか、晩ご飯をごちそう……いや、どちらかというとこっちが材料を持ちこんでごちそうしているんだけど……になったとき。
私は万事屋銀ちゃんの部屋に泊まらせてもらえる。
それは、私が銀さんの信頼を得られたということでもあって……だから。
たまに私が取る行動ややましい心は、それを裏切っていると言えるのだけれど。
それでも私は…どうしても、やめられないのだ。
……隣に敷いた布団から、無遠慮ないびきが聞こえる。
布団から顔を出して様子をうかがえば、銀さんは涎を垂らしながら熟睡している。
私は、隣同士に間なく敷かれた布団の理を生かして、のそのそと銀さんの布団に移る。
「んがっ……んが…が」
それでも、銀さんは起きない。
甚平の開いた胸元をがりがり掻きながら夢の中だ。
……もう、何度かやっていることだから。
銀さんは起きないと知っているから……私はさほど緊張せずに、銀さんの、布団の中に潜ったままの片手をそっと手に取る。
そして……その手を、自分の開けた寝間着の間に差し込む。
「……ん……」
ほんの少し、吐息と声を上げる。
大きくて温かいその手を、自分の下着ごしにつるりと、性器の割れ目に触れさせて。
私は……心の中をいやらしい妄想でいっぱいにしながら、うっとりと…密かな愉悦に浸るのだ。
この指を使って自慰をするとか、銀さんに対しての誘惑のつもりだとか。
そういうわけはまったくないのだ。
ただ……眠っている銀さんの、この指を。
私は、好きにできる。
それでたまらなく……うっとりしてしまうのだ。
「ん……はぁ…」
自分でも呆れるくらい、色欲混じりの吐息が何度も漏れる。
目が潤みすらする恍惚に、身体が震える。
あと少しだけ。本当に少しだけ。
そうしたらなにもなかったことにして、ちゃんと寝ます。
だから銀さんも気づいたり、とがめたりしないでくださいね。なむなむ。
そんなことを思って、すっかり自分の世界に入っていたから。
「あ、あひぎゃああああぁあああっぁぁっ?!」
がみっ、と。
下着が思い切り掴まれた感触に、部屋どころか夜の町中に響きそうな大声を上げてしまった。
「あああ、ぎ、ぎっぎぎぎ銀さんんん!!」
「おーい、うるせーぞお前」
そう言って、心臓がばくっと跳ねて治まらない私の口元を、銀さんがぱんっと押さえる。
それから様子をうかがうように、起きあがって部屋中を見渡す。
「起きてこねーな、神楽も下のババーどもも」
「んぐぐ、んぐううっ…!」
私が苦しい声を上げると、そこで銀さんが手を離してくれた。
「ちゃあん、てめー俺が気がついてないと思ってたの?」
「え、えええ……?!」
「なんなのお前、寝るたんびに人の手股ぐらに突っ込んで」
「あ、あわ、あわわわ」
「それだけじゃねーだろ」
「な、なん、の…こと?」
思わずうわずった声を出した私に、銀さんがいやらしく笑う。
「銀サンはお前が荷物の中に洗濯前の手ぬぐい突っ込んで持ち帰ろうとしてたの知ってますぅ」
「え?!」
どうして。
どうしてよりによって。
一番知られたくない自分の悪癖を、この人は……!
「ワキ甘すぎんだよ、洗濯中に胸ぐらに慌てながら突っ込んでんの見えた」
「あ、あう、いや、あの、ほつれてたから、直そうと思って」
「手ぬぐいをか?」
「う、うん、時代はエコロジカルだから」
「エロジカルの間違いだろバーカバーカ!バレバレなんだよ!」
「あ、あうああ!!許してぇええ!!」
及び腰になりながら、布団から離脱をはかる……が、その足首をがみっと掴まれた。
「逃がしませーんー。思春期男子並のエロ娘にはお仕置きです」
「う、ううう……!あああ…だ、だってぇえ!」
後込みする私を、銀さんがひんむく。
それはもうあっさりと私を裸にして、下着まで一気に取り去ってしまう。
「あ…ああう…ぁ」
……私がそれに抵抗らしい抵抗をできなかったのは、近くの人が起きてきてしまうという考えもあれば、
まったく知られていないと思っていた恥ずかしい癖を、目の前の恋人に全部知られていたということの羞恥心もあった。
「さて、どーすっか」
とりあえず全裸にしました、とでもいうように、裸にした私を前にして、仁王立ちの銀さんが腕を組む。
「あ、そーだそーだ」
そう言って、銀さんが私の風呂敷包みを部屋の隅からたぐり寄せる。
「やっぱ入ってんじゃん」
「……う…うう…」
そう言って銀さんが風呂敷の中から、洗濯する前に私が持ち出した手ぬぐいを引っ張り出す。
「お前、これ持って帰ってどうするつもりだったの?」
手ぬぐいをひらひらさせながら、にたにたと銀さんが笑う。
その顔に今はいいようにされるしかない状況が嫌だったけれど。
そしてその笑いは、私がどういう意図でそれを持ち帰ろうとしたのか、ちゃんとわかっている事を意味していたから…どうしても、強気に逆ギレなんてこともできなかった。
「やっぱこう?こうやってさぁ」
「あ、わ…」
銀さんが、私の鼻の先に手ぬぐいを持ってくる。
そしてそれをすり付けるように動かしながら、私の頭を押さえる。
「こーやってじっくり嗅いだりするわけ?」
「あ、ああう…し、しないもん!」
「えっ、違うの?じゃあどうやって使うの?しゃぶったりすんの?」
「ち、違う!」
「じゃあどーするつもりだったんだよ」
「……う、ううう……!」
自分の顔面に血液が集中して、もうかっかと火照っているのがわかる。
「んー、どっちにしろアレだろ?これズリネタだろ」
「ず、ずりって…げ、下品なこと……!」
「下品なのはですぅ」
「……!」
「お前なに?俺といっつもあれだけやって、それでも物足りない?家帰ったら思い出してオナニーとかしてんの?」
「……っ…」
「どうなんだよ」
にやつきを抑えもしない顔で、意地悪く銀さんが私に問う。
答えを知っているくせに。
私にそれを言わせたいのだ。
「ど、どえす!悪魔!」
「ああ?洗濯物ドロボーの上に寝てる間に人の手ぇ勝手に股ぐらに突っ込んでた奴に俺を非難する権利はないね」
「…………ご、ごめんなさい」
「わかればよし」
手ぬぐいをまるで縄のように、ぎりっと両手で引っ張りながら銀さんが私を見下ろす。
「……あ、そーだ」
私がなにも言えずにうつむいていると、銀さんが突然しゃがみこんだ。
「こーいうの、どうよ」
「え、わ…あ、ああわわっ?!」
突然、暗い視界がさらに暗くなり……というか、真っ暗になった。
「おお…長さ的にもちょーどいいわ」
「えあ、こ、これ……目隠し?!」
まぶたに、荒い布の感触。
さっきの手ぬぐいが、私の目元をぐるっと一周して頭に巻き付けられた。
「ちょ、ちょっとこれ……!」
「んーんー。ほんで……ほら」
「わ、わっ……!」
ぱたん、と、私の体が布団に倒される。
慌てて目隠しを取ろうとした私の腕を、銀さんがつかんだ。
「んー……お前、これなんだかわかる?」
「え……っ?!」
私の頬に、ぷにっと。
肌…と思われる温もりとなめらかさを持ったものが触れた。
「……ゆび……じゃない……これっ?!」
「いや、さすがに指よりは太いと思うんですけど。微妙に傷つくんですけど」
「えあ、あ、ああ……こ、これ…おちっ……」
「オチ?」
思わず叫びそうになった言葉を、慌てて飲み込む。
…私の予想が正しければ……今、私の頬に当てられているものは……。
「なーんだ」
「…え、あ……お、おち……やだっ…!」
「だからオチって何?言ってみろって」
ぺちぺちぺちと、銀さんが……私の頬にあてがった肉茎で、私を叩く。
「あ、当てないで……おち、んちん……!」
「へー」
なんとか絞り出した言葉に、銀さんがうれしそうな声を上げる。
視界を遮られているせいか、その声色がいつも以上に耳朶を揺らす。
「わかるんだ、これ銀サンのちんぽだって」
「だ、あ、だって…そ、そうでしょ……っ!」
すると、すっとその熱が私の肌から離れた。
そして、畳がきしむ音。
……銀さんが私の真横から移動した。
それが目隠しをされているにも関わらずわかってしまう自分がなんだか余計に恥ずかしくて、顔がさらに熱くなる。
「じゃ、これ嗅いでみ?」
「……え?」
鼻先に、何かが突き出されたのがわかる。
「…なに、これ……?」
「だから嗅いでみ?したらわかる、お前ならわかる」
「な、なにそれ…?!」
そう言われて、思わず犬のようにクンクンと鼻を利かせてしまった自分がなんだか悲しい。
「……って、え、これ……」
鼻の先に突きつけられた匂い。
それは……というか。
「っていうか、これもちんぽじゃん!!」
「ほらわかったじゃん、さっすが」
「ってあああ、えええ?!何やってんの銀さん!」
つまり今、銀さんは寝転がった私にまたがって、顔のすぐそばでアレを出していることになる。
「や、やだってば…なに……なにさせたいの、銀さん……?」
「あーと、ほら、アレだ」
「あ……?」
銀さんの熱が、今度は上唇のあたりに当てられる。
「このままくわえてみ?」
「…………」
そう言って、私の唇のど真ん前で銀さんが肉茎をぷるぷる振ったのが、わかった。
「ほ〜〜るぁあ、コレだろ?コレが好きなんだろ」
「す、好きじゃ……!」
「ないもんってか?へ〜〜」
「えあっ、ま、待って……!」
銀さんが下がって、私の顔から肉茎をふいと離したのがわかって……思わず顔で追いかけてしまった。
そんな行動を取ったのは、本当に無意識で……いや。
…………無意識だと、なお悪いんじゃないだろうか。
私はもう、自分で気づかないうちに……銀さんのソレに反応するようになってしまっているのか……?!
「やっぱり好きなんだろ」
「う……う、ううう!!」
どうにも。
どうにも私、おかしい。
そう思いながら、憎たらしい銀さんの声をどうにかしてやりたくて……。
かぷっと、銀さんの熱をくわえこんだ。
「……おお……」
「ん……ふ、ん…!」
唇で挟んで固定してから、ちろちろと舌先でねぶる。
……口の中に、ほんの少ししょっぱい味が広がる。
……寝汗だ。まだ先端から滲液は出ていない。
「はぶ…っ…しょっぱ……」
「んー……さすがに垢は溜まってねーと思うけど」
「っ、んぶるっ……ん、ふはぁ……ほんとに……?」
「いや、銀サンそこまで不潔な男じゃないし。皮もすげー寒い時以外はちゃんと剥けてますから」
「ん、ふ……ほんと、かな…んぶ、寝汗にしては……んちゅっ、ちょっと匂いが強い……かも」
「ああ?」
「こ、このへんとか……ちゃ、ちゃんと洗ってるの…?」
「てめっ……お、おわ…おお……」
銀さんの、おもいきり反り返ったかり首の裏側。
魚か何かの鰓のようになっているところに、舌をくるんと回した。
「あぶっ、んぢゅっ……ふ、ん…わ、私に意地悪したくて…わざと汚くしてたりしない?」
「汚くねーつってんだろ!きたねーか?くせーか?!」
「んぅ…るろっ…き、汚くは……ない、かな……」
「ほら見ろ汚くねーの!寝起きでも侍はちんかす溜めたりしねーの!!」
「ぷはっ…侍関係ないじゃん!!溜まるときはたまるの!」
「洗ってるから溜まんねーよ!だいたいアレの第一要因はオナニーしてティッシュで拭いてそのまんまにしとくことだと思うね!俺そんなんしねーもん」
そう言って、ぐっと先端を私の喉の奥まで突き入れようとする。
私はそれをなんとか舌で押さえ込んで、れろれろと裏すじを舐め取った。
「んぶっ、ん、るろっ、はぁ、でも…でもなんか匂いするもん、蒸れてるもん」
「……へー」
「わ、あわああ?!」
クンクンと、また鼻を利かせながらそう言った私に対して。
「……そんなに匂うなら離れてても場所わかるよな?ほら、ちんぽの鳴るほうへ〜」
「は、はあ?!」
そう言って、銀さんが移動したのがわかった。
移動と言っても、私からすっと肉茎が遠ざかった程度だ。そんなに遠くには行っていない…はず。
「ちゃんとくわえてくんねーと……おら」
「わひっ?!ひ、ちょ、ちょっと痛っ……!」
銀さんが、私の内股をひっぱたいた。
それも結構力を込めてだと思う。
寝間着の上からだったけど、結構本気で痛かった。
「四つん這いになれよ」
「うぐ……」
愉悦の声色を、隠しもしない。
私が銀さんに今、従うのは……。
つまり、は。
今日はみんないるし、そういう雰囲気じゃないからエロいことは我慢、なんて思ってたのを裏返し。
銀さんが……下品だけど、いやらしいことをしてくれる。
そんなことに愚直に反応してしまう心と。
今まで本当に、自分の密やかな楽しみだった恥ずかしい秘密が、バレバレになっていたというやけっぱち。
布団の上を手探りで、膝と手をついて…銀さんの望む体勢になる。
「ほらほら今、銀さんのちんこどこにあるかわかるか?」
「わ、わかんないよ…え、えっと……うあひっ?!」
ばしん、と。
お尻に、容赦のない平手がたたきつけられる。
「いた、叩かないでっ…や、やるから、探すからぁ……!」
「探すって何を」
「え、だ、だから」
「お前冷静になってみ?素っ裸に手ぬぐいで目隠しされて、布団の上に四つん這いって……」
言われて、見えないぶんを補うように。
自分の脳裏に、そんな滑稽な姿の己が浮かぶ。
そうすると、羞恥心が急速にこみ上げてきて。
「や、は、恥ずかしいからぁ!言わないでぇ……!」
「んーでもなー、お前これ、きっつくお仕置きしないとまたやるだろ?ぜってー洗濯物盗むよな、ぜってー寝てる間にイタズラするよな」
「しっ……し、ない……」
「服役中はみんなそう言うんだよ」
「ふ、服役ってぇ!」
「まーとにかく、自分の彼女が変態っていうのは矯正してやらなくちゃならんので、銀サンも心を鬼にしているわけだ」
そう言って、銀さんが胸を張るのが目に浮かぶ。
……実際、多少身じろぎしたのだと思う。
衣擦れと、ほんの少し……銀さんの匂い。
(あ、わかった……)
「とどのつまり……って、おおおおぉおィィ!!」
「……あ、当たった。見つけたー」
音と匂いのする方にすぐさま這っていけば。
伸ばした手に、銀さんの肌がかすった。
「見つけたよ…んっ、これ……だよね?」
そのままぱすぱすと手で、のそのそ動く銀さんの身体をまさぐれば、露出したままの肉茎に指先が触れた。
「……え、いや、なんでわかったの?」
「え、匂いが…したから……」
いいながら、またクンクンと鼻孔をひくつかせる。
うん。間違いようもなく、銀さんの。
「……俺、自覚してないだけでかなり体臭キツいのか?オッサン臭してんのか」
「……いや、オッサン臭っていうか…なんだろ?あ、でも、普段はしないから……たぶん大丈夫」
「いやいや、じゃあお前なんでわかったの、ここに俺が立ってんの」
膝建ちになって、銀さんに舌を絡ませる。
このシチュエーションに興奮しているのか……なんだかもう、銀さんは結構な硬さになっていた。
「え、えっと……銀さんの匂いなら…わかる、かな?」
そう言って、熱い粘膜にむちゅうと吸いつく。
口の中でぢゅうっと啜れば、硬さだけでなく、快楽の証拠の粘液の味も舌の上に転がった。
「……あーー、つまんね」
「うひゃう…んぷはっ、ん……?」
銀さんが、私の顔を肉茎から引きはがして……それから目隠しもばっと、解いてくれた。
「あーもォォお前さあ、もっと恥ずかしがらせて、部屋中ぺたぺた歩かせてやろうと思ったのによう」
そう言って、銀さんはかぶりを振る。
「……おし、プランBだ」
「ぷらん…って、え、ちょちょっと何やってるの?!」
銀さんが窓際に歩き出して、がらがらっと…それでも随分静かにだけれど…ベランダの窓を開けてしまったので、私は小さく叫んだ。
「ほら、来いって」
「え、ええ、ちょ、ちょっと……や、やだよ…そういうのは……いや……!」
「でけえ声出すな」
「は、んっ……んぐっ…!う、ふぶっ……?!」
またさっきのようにとっさに口を塞がれて、そのまま夜風の冷たい窓際に立たされる。
冷気に晒されて、乳房の先っぽがつんと立ち上がってしまった。
「さ、寒いっ…ぎ、銀さん……!」
「そのままでいろって…ほら」
「わ、ま、また…?!」
また、目元に布の感触。
手拭いの即興目隠しをされてしまった。
「お…丁度イイや……オーイおじさーん」
「え、え、えええっ?!って、わあぁっ!」
銀さんは窓の外にそう呼びかけると、後ろから私の胸を乱暴に引っ掴んだ。
「おじさーん、この子どーしょーもないマゾなんで、見られないと感じないってゆーんでそこで見てて〜」
「えっちょ、ちょちょちょ、ぎ、銀さん?!」
背後からがっちりと、身を隠すことなどできないように押さえ込まれて…その上目隠しのせいでまったく外の状況がわからない。
「おっ…オッサン目ぇ丸くしてるぜ」
「い、や、ちょっと…やだ、やだよっ…そ、そんなことしたら私外歩けなくっ…ん、んんぅう!」
私の耳元に低く、意地悪い声で囁いた銀さんの唇が、今度は私の耳を食む。
唇で耳たぶをぷるぷると弄んだかと思えば、軟骨に軽く歯を立てて遊ぶ。
「いっ、や…ん、いや……ぁ、あ、ん…!」
銀さん以外の人、しかもごく近所に住んでいる顔見知りかもしれない人。
そんな人に、自分の裸を見られるのが嫌で身じろぎするのに…途中で銀さんが何度も耳を舐め回すから、私の抵抗は淫らな喘ぎにしか聞こえなくなってしまう。
「や、ぁ、ああぁ……ぅ、んっ…はんっ…首、やだ、舐めないでぇ…!」
「ん…おめーも寝汗かいてんじゃん」
「あひっ?!や、やだっ…そんなこと言わないでっ!」
「オイオイなんだァ?さっきは俺のバズーカに対して暴言吐きまくりだったろーが、お前」
「い、や、そういう…ん、じゃなくってぇ……っ、はぁ、あ、あああぁあっ!」
つるん、と、下の先っぽがうなじを撫で上げる。
そうすると、世界に私と銀さんしかいなくなってしまったような錯覚に囚われる。
頭の中が、自分の出す恥ずかしい声と吐息と、銀さんが私の肌を味わう淫靡な音だけで満たされて、ほかには何もなくなってしまう。
……普段なら、そんな状況に喜んで身を投げ出すけれど。
今はそんなわけにもいなかった。
「ぎ、銀さん…やだ、み、見られて…見られちゃう…よぉ……!」
「いいじゃん、見さしてやれよ…ほら、オッサン先長くないかもしんないんじゃん?あんなに棒立ちになってお前のこと見てさぁ」
「っ……!!」
夜気に交じって視線を感じて…身体が硬直する。
「や、だ…見られたくない…!ぎ、銀さんは…いいの…?!」
「んあ?」
「わ、私のはだかっ…ほ、他の男の人に見られても平気なの……?!」
なんだか言葉にしてみればおかしかった。
他人にこんな状態を晒して恥ずかしいとか、どうにかしなくちゃとかいう気持ちよりも。
私は銀さんが、自分の身体を他人に見せて平気でいるのかどうかの方が気がかりなのだ。
「ん〜……難しいとこだな」
「む、むずかしっ……ひ、あぁあっ!」
舌と、ほんの少し肌に触れる銀さんの柔らかい髪の毛にばかり気を取られていた私は、突然秘処をつついた指に大声を上げる。
「静かにしろって……あんまうるせーと他の連中が起きてくるぞ」
「し、静かに、って、あ、ぅう……あ、ああ……!」
そんなふうにいいつけながら、私の股間をまさぐる手を止めてくれる気配はない。
太くて強い指が、割れ目を開いて、ねとねとの粘液にまみれた私の芯をいじくり回す。
指で探って、縮こまって包皮に隠れたクリトリスにたどり着くと、指の腹で何度もぐりぐり、つぶすみたいに撫で回す。
「のちっさいちんこは包茎だもんな」
「ちっ……ちんこじゃない…!は、ぁあ……ほーけいでもないもんっ…!」
「皮かぶってるじゃん、ペロンって剥けるじゃん……ほら」
「ふはっ、ひ、ぃぁああっ!」
その言葉通り、銀さんの指が包皮をめくり上げる。
直接的すぎる快感に悲鳴を上げる間もなく、くりっと露出した粒そのものを、今度はいたぶるみたいに指の先ではじかれた。
「はぅ、あ、ああ…ぅ、くっ、あ…つ、強い…よぉ……!」
「ん?痛いか?」
「い、いたくない…けど、びりびりするっ……はぁ、ああ……!」
強すぎる刺激が、つーんと何度も秘処から頭の奥まで突き抜けていく。
頭の中まで、同時に銀さんにくちゃくちゃにされてしまう……。
「う、やぁ…み、見られてるのに……!わ、わたしっ……!」
「イキそう?」
こくん、と頭を縦に振る。
もうわけがわからない、と泣きそうになって、
いいじゃないか、そのままぐちゃぐちゃになってしまえばいいとささやく悪魔と、
羞恥心だとか、世間体だとかそういうものを必死で掲げて抵抗する私の心が衝突している。
「おじさーん、イクってこの子、なんか言葉責めしてやって〜」
「え、いやっ!いや、いやあっ、そんっ、ちがっ……あ、あくっ…んはぁああぁあっ?!」
銀さんがそんな、私にとっては絶望的な響きすらする言葉を発した瞬間に、包皮ごとそこをつねりあげたものだから。
私は一度びくっと大きく痙攣して、自分でも止めようもない勢いで浅い絶頂に達してしまった。
「は…ああ……い、いや…み、見られっ……」
「ほんっっとバカな、おまえ」
言うなり、目元の手拭いが乱暴にほどかれた。
「は…え……あ、あ…れ?」
……ベランダから見える階下の通りには。
人どころか、猫一匹いなかった。
「え、えええ?ど、どいうこと?え…?」
「見せるわけねーじゃん、どこの誰とも知らんオッサンに」
「え、う、嘘だったの?!」
「そうですよォ、チャンがあんまり信じ込むもんだから面白くって〜。銀サンの言うことだからって鵜呑みにしちゃダメよ」
「………!!」
かあ、と、顔が羞恥心……とはまた違った何かで、赤くなる。
「ば…ぎ、銀さんのばかっ……!」
「んー怖かった?やっぱり他の奴には見られたくない?」
「あ、当たり前でしょっ……!」
噛みつくような勢いで銀さんの方を振り向けば、それ以上の言葉を封じられるようにキスが降ってきた。
「んむ…ふ……うう…」
「ふは……」
ぬるぬるの舌と、銀さんの匂いに落ち着いている自分に気がつく。
なし崩しで突入したこんなことなのに、ひとたび優しくされると……もうダメなのだ。
よろよろと銀さんに体重を預けると、私をしっかり支えてくれる。
そのまま窓を閉めると、私の身体をぽいっと布団に放った。
「あう……ああ…」
「んで」
布団の上で身をよじるしかない私を、にやけた顔の銀さんが見下ろす。
「最後までしてーの?」
「……う……う、うん……」
さっきまで、恥じらいだとかを気にしている場合じゃないようなことをしていたのに。
改めてそう言われると、どうしても恥ずかしくなる。
「ねだってみ?いっつも頭ん中で考えてるようなやらしーこと、銀さんに言ってみ」
……ああ、私は。
銀さんの前でだけはせめて、欲望に忠実に生きられる愚直な女でありたい。
「……い、いっつもぉ……銀さんにずぼずぼされると気持ちよくってぇ…家に帰ってから思い出しても……うずうずしてきちゃうからぁ…!」
「ふんふん」
「だ、だから、頭の中でぇ、銀さん銀さんって呼びながら…ゆ、指でいじるのぉ……!」
「どこを?」
「……!お、おまん、こ…!こ、この、穴ぁ……!」
屈み込んできた銀さんに見せつけるように…というか、実際見せつけるために、自分の肉の合わせ目を割開く。
「ひ、ひくひくしてるの、わかる…?!い、いつも銀さんが入れてくれる穴ぁ…!」
「おー…ぱくぱく言ってんな」
実際、その言葉通りに、膣のいりぐちがほんの少しうごめいているのがわかる。
それこそ、目の前の男の熱を求めて。
卑しい口のように、ぱくぱくと何度も虚空を掴む。
さらには後から後から、視線を感じて唾液みたいに愛液が漏れてくるのを止められない。
「こーんなちっちゃくまとまってんのになぁ…」
「わひっ?!ひ…あ、うう…ゆ、指……ん……!」
「ここががぽがぽ開くんだもんなぁ…ガキみてーなすじと毛なのに」
口にしながら、銀さんが私の陰毛をさわさわと撫でる。
そのくすぐったく身を焦がしてく刺激に悶えながら、私はさらに浅ましい言葉を吐き出す。
「ぎ、銀さんが…拡げたんでしょっ…ふぅ、ああ…私のおまんこあな…指とちんぽで何度も何度もぐりぐりしてっ……!」
「俺だけじゃねーだろ、も自分でいじってたんだろ」
「ちょ、ちょっとだけだもん…!激しくしないもんっ…じ、自分の指じゃ、あ、あんまりよくなれないから…いつもちょっといじってるだけだもん……!」
「ふーん……」
私の指の上から、自分の指を重ねて。
銀さんは拡げられるぎりぎりまで、私の媚肉を引っ張ってむき出しにする。
「ちょっと口で息してみ。ふーって」
「え、ええ…うん……わかった…」
言われたように、ふうぅと口から息を吐き出す。
それは欲望に炙られてだいぶ弱々しく震えてしまったが、銀さんはそれでも満足なようだった。
「おお…開いた開いた。ぐりぐりっ…と」
「あきっ…あ、ああ…!ゆ、指だめ…あぐ、あ、はぁああっ!」
銀さんの指が無遠慮に、私の膣の中に入り込む。
そして勝手知ったる、と言う動作で、一気に奥まで突っかかりもなく指を進める。
「もーちょいグロいアワビみてーな方がいいんだけどなー…」
「はっ、はぁ?!なに言ってるの?!」
「いや、だってそうじゃん?もっとびらびらしててがぽがぽ開いてるほうがよくね?」
「よくなっ…あ、ぅんっ…!あ、は…よくないよくない!」
「いや処女っぽいのもイイけどさ…お前の場合もう少し…なあ?」
「……っ……じゃ、じゃあ銀さんが…ひ、ひろげて……」
「あ?」
「わ、私のアソコ、好きなだけ広げちゃえばいいでしょっ……!銀さん、にしか見せないし…私のが…その、ぐ、ぐろくても……」
「…………」
「ぎ、ぎんさんは…嫌いになったりしないよね…?」
すがるような目で銀さんを見つめたら、秘処にやられていた手がぱっと離れた。
その手を自分の目元にぱんと当てて、銀さんがかぶりを振る。
「じゃあおめー、逆に聞くけど」
「う、うん…って、わああ!あ、い、入れるの…?!」
「入れろつったろーが!」
「ちょ、ちょあ、ああぁあああぁっ!」
腰を、すごい勢いで引っ張られる。
気を抜いた瞬間に、ズルズルっと滑る感覚で銀さんの肉茎が私のなかに入り込む。
「あっ、か、ああぁ…あは、あ……はいっ…ちゃ、った……!」
「お前、銀サンがすげーグロチンだったら嫌いになるのか?」
「はっ…は、あぁ……え?!こ、これ…グロくないの…?」
「……」
「え、ああ、だ、だって結構色濃いし、あの、形もびきびきって……あ、や、やだ抜かないでっ…!」
「んあー…ああじゃあアレだ、やくざよろしく真珠が入ってボコボコしてたらどーなんだ」
「え、し、真珠?よくわかんない……あ、ふ、ああ…んっ!」
「……ああ、もうイイわ……まんこは俺専用だもんな」
「ぎ、銀さんちんぽは…?!わ、私専用……?」
「当面は」
「と、当面って、さ、最低!っ、はぁ、ああ、ああっ、かっは……はっ、んぅ……!」
「(お前か俺がくたばるまで、当面)」
「え…な、なんか言った……あ、あぐぅう?!」
「言ってねーよ!っ……あ、て、てめっ、いきなり締めんなっ……!」
絡み合う腰に、さらに自分の足を回して銀さんを捕まえる。
それからお尻にぎゅうっと力をこめて、できる限り膣の穴を締め上げた。
「ぎ、銀さんがよそで出せないように…!も、もう一滴も出せないように…今、絞るぅ……!」
「ちょ、待て…待て待て!」
「待たないっ……ほ、ら…んっ、ふ、ぅぁ、あぐっ、んぅ…!」
そのまま銀さんの腕をしっかり掴んで、微妙に腰を前後させる。
内壁が、肉茎をごりごりと擦っているのがわかる。
……それはつまり、私もより深く銀さんを感じているということになるのだけれど……。
「あいっ、わ、わたし、す、すぐ……う、ああ…で、でもっ……!」
「変な意地張るんじゃねー…っ…おあ、やべっ…ちょ、ゆるめろ、動けねっ……!」
「う、うごいたらでちゃう?もうでちゃう?中に…は、ぅ、で、でちゃう、んだねっ……!」
気を抜くと私の方があっという間にどこかに意識を飛ばされそうで、なんとか自分をしっかり掴まえて銀さんを包む。
「…ちくしょっ……てめーはぁ!」
ぎりっと歯を噛んだ銀さんが、突然私の耳元に顔を寄せた。
そして。
「…まー……可愛いけどな……」
そんなことをささやくものだから。
「ば、銀さんっ、の、ばか、ああ…う、うれしいのが広がっちゃう、一杯になっちゃ、あ、あぐっ…ああっ、あ、い、く…だ、だめっ……!」
「意地張るなって…もー銀さんも出しちゃうから」
「……っ、う、あ……っ!」
そう言われて、頭の中が本当にぐっちゃぐちゃになって。
より強く私の内側をえぐった熱に、私は。
「ふぅああぁああっ……あいっ、い、いあああああ……!」
なにもかも空しく、そしてからっぽになった頭ではなく、ふわりと浮いた身体の方で、愛しい人を感じて。
それから遠慮なく膣内に放たれた精を受けてまた震え、私の上にのしかかってくる銀さんの重みに癒された――。
「……私ね」
一息ついて。
銀さんの布団に二人で入って、背中から抱かれる形で寝そべって。
けだるく私の脇をまたぐ銀さんの腕をさわりながら、どうでもいいことをしゃべる。
「なんでかなぁ…小さい頃もしかしたらお父さんとかとやったのかな…?」
「あ?何を?」
「こうやって、お布団に二人で入って、掛け布団をぐるぐるーって巻き付けちゃうのが好きなのね」
言いながら、私の上にかかっている布団を、自分の身体に巻き込む。
「なんか、ここにいれば守られてるーっていうか…銀さんと、銀さんの匂いがいっぱいで…なんか、巣みたい?」
そう言いながら銀さんの方を向いて胸板に顔をうずめると、銀さんはふんと鼻を鳴らした。
「どーせオッサン臭いですよ」
「違うってば…ああ、うまくいえないなぁ……えと…」
つまりは…。
「えっと、幸せなのかなぁ……」
今度は銀さんは頭を掻いた。
それから私のことを、ぼーっと見て。
「巣の中のメスがこうも発情しっぱなしだとオスも困るだろ」
「は、発情って……」
「守んなきゃなんねえじゃん、留守中に他のオスが巣に入ってこないように」
「……」
「…………」
「…今のはうまくないし、恥ずかしかったよね」
「あー!うるせーよ!ほじくり返すな!!」
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銀さんのタオルくんかくんか。というネタは結構前についったーでつぶやいたりしました。
今回はもう、エロくできないなぁとわかっていたので、
下品さ丸出しで銀さんと猥談〜みたいな雰囲気でいきました。
ついでにこのあとがきもびっくりするくらい下品なことを書いてます。要注意です。
ぎんたまキャラはみんなちんこむけてる的なあれを考えたのですが、
個人的にはゆるい感じの火星人の方が好きです。
なんか、皮があるぶんお得なかんじしません?
しませんか……。
銀さん→自分でむきつづけて気づいたらずるむけに
ヅラ→小さい頃に割礼の儀式を受けていそう。
高杉→ヅラと同じく。
沖田→実は火星。ことあるごとにいちいちむいて出してます。
土方→銀さんと同じく
山崎→上野クリニックにて除去済み
神威→春雨入隊とか鳳仙弟子入りのあたりで先輩夜兔的な人にあれされてそう。とか。
いやほんと下品だな。どんだけひどいこと書いてるんだよ。
こんなの書いてるサイトは銀魂裏夢サイト多しといってもここだけな気がします。すいませんうへへ。
最後のお布団が巣というのは別に思いついたネタなのですが、あまり膨らませそうになかったので、
この夢と合併させちゃいました。
読んでくださってありがとうございました。