「……」
「………」
「…………」
「……………」

万事屋の空気は、いつになく重い。
気ぃ遣いを自称する新八くんも、いつもストレートにものを言う神楽ちゃんも、
さすがにこのぴりぴりした空気を打破できるような行動は思い浮かばないらしい。

原因は、現在椅子に腰掛けて貧乏ゆすりを秒速30回みたいなペースで続け、
死んだ魚を通り越して邪神像のようになってしまった瞳を湛える万事屋銀ちゃんのオーナーである坂田銀時さんである。

昨日から、銀さんは機嫌がすこぶる悪い。もうものすごく悪い。
陰鬱な感じに悪い。
軽口を誰かが飛ばそうものなら、得意のツッコミではなくグーパンが飛んできそうなくらい殺気立っている。

その息苦しさに神楽ちゃんと新八くんは耐え切れないようなのだ。

…私といえば、そんな三人の中にいて、一人だけ違う理由で必死に沈黙していた。
なんというか、笑いをこらえるのに必死だったんである。

銀さんの機嫌がすこぶる悪い理由は、たびたびドット絵になったりボックスドライバーになったり不運な運命を辿っている、
その…銀さんの股間の大切なものが、「ものっそい痛い」からである。
むずかゆいたいのだ。掻くに掻けず貧乏ゆすりを繰り返し、理不尽な痛みに怒りを隠せない。
そんな様子を見て私は本当に、笑っちゃダメ、笑っちゃダメ…と自分に言い聞かせるしかなかった。





…銀さんは甘いものが好きだが、同じくらい旬の食材だとかが好きだ。
なんでもそれが江戸っ子の粋な心意気、なんだそうで。
そうして昨晩、銀さんのリクエストで食卓にはマダケのたけのこが上った。
近場で掘りたてほやほや、えぐみのまったくないたけのこが売っていたのだ。
煮物が得意なところを主張してお嫁さんぶりをアッピール!なんて、私も張り切って、たけのこを鰹汁で煮て、
さらには新鮮なものだったので刺身も用意して、ついでに炊き込みご飯にも小さく刻んだたけのこを入れた。
たけのこづくし。の夕飯だったのだ。

それは神楽ちゃんにも銀さんにも好評だった。
新八くんにも食べてもらいたかったなぁ、とか思いながら洗い物をして、神楽ちゃんがうとうととテレビを見る中、
銀さんと交代でお風呂に入ろうとして、脱衣所ですっぱだかの銀さんと対面したときに、
銀さんがなんだか小首をかしげていたのは、今考えれば予兆だったのだ。

で、夜。
すっかり遅くなってしまったので万事屋に泊まることにした私が浴衣に着替えていると、
銀さんが神楽ちゃんが押し入れで寝入ったことを確認して―静かに、それでも大慌てな様子で、私を寝室に引っ張り込んだ。

ちょっ、ちょっとコレなんか変なんだけど、おかしくね?
と、銀さんは普段は恥ずかしがるくせに、寝巻きを脱いで私の目の前に自分の肉茎をでーんと露出させた。
…うーん?よくわかんないよ、と私が言うと、銀さんはおそるおそる部屋の電気を明るくした。
で…銀さんがやたら慌てている原因のそのぶつをよく見ると、まあ、確かに変だった。
なんというか、全体的に赤黒く変色して、妙な腫れ方をしていた。
いや、もともと銀さんのはかわいいピンク色なんてことはないんだけどさ…とか思いながら、
私がそれをつんと触ると、銀さんは飛び跳ねた。
なんだか、思いっきり痛いのだそうだ。じんじんと膨れ上がるように痛み、
しかも根元のほうがなんだかむず痒い。
俺病気か?病気なのか?とあわあわする銀さんをよそ目に、私ははっとして、銀さんを真顔で見つめた。

「…銀さん、お風呂で…その、ひとりエッチとかした?」
「あん?してねーよ」
「いや…えっと…してないなら…いや、そうでなくても、なんか乱暴に洗ったりしなかった?」
「え?あー…新しいナイロンタオルでちょっとゴシゴシしたかも…って、それが原因か?!」
「い、いや、それだけじゃなくて…えっと…たぶん…確証はないんだけど」

銀さんは、私のような小娘の言うことに真剣に耳を傾けていた。
私はちょっとううん、となりながら、腕とか、脚とかかゆくない?と問うた。

「…あー、なんか…さっきからうっすら痒いぃけど…なんだよ…早く言えって…」
「…旬のたけのことかって、すごく「強い」から、肌とかにあんまりよくないって、聞いたことある」
「強い?」
「だからほら…ぐんぐん育つわけでしょ、土から栄養吸って。それで、なんか成分が…なんだっけ…ヒスタミン?だっけ?」
「は、ハッキリしろっ!」
「とにかく…なんか、とにかく栄養素抜群すぎて、血液のめぐりとかがよくなりすぎて体が痒くなるんだって」
「いや、でもこれはおかしいだろ」
「だから…そんなかゆかゆになってるときに、ナイロンタオルなんていうのでゴシゴシしちゃったから…腫れちゃったんじゃないの…」
「………」

銀さんはパンと自分の顔に手のひらを当て、肉茎をでろんと出したまましゃがみ込んでうなだれた。
なんというか、実に見ていられない図だったので、私もちょっと悩んで…それから思い立った。

「…あれって、男の人のにも効くのかな…」
「あれ?なんかあんの?」

銀さんがバッと顔を上げ、すがるような目で私を見つめた。
ちょっと待ってて、と、居間の方へ行き、救急箱の中にさらにある箱を開けた。
ぽらぎのーる軟膏とか、マッサージジェルとか。
あんまり銀さんと私以外の人間の目には触れさせたくないものが詰まった箱の中から、デリケートゾーン用と称された軟膏を取り出した。
女性用で、生理前にむれてかゆいときとかに使うものだけれど、
薬には違いないし、強さで言ったら男性器>女性器だろうし、使って悪くなることはないだろう。
そう思って、軟膏を持って寝室に戻った。

「銀さん、座って。で、あし広げて」
「ちょ…な、なんなわけ?なんなの?ちゃん説明してちょーだい」
「だから、かゆいんでしょ?腫れてるんでしょ?これ、塗ったらいいかも」
「…平気なのか?」
「た、多分」
「多分て!多分で俺の大事なバズーカが腐って落ちたらどーすんだよ!」
「ちょ、大きな声ださないでっ!神楽ちゃんが起きてきちゃうでしょーが!」

銀さんはしぶしぶというか、不安を隠せない様子で布団に座り込み、
白い軟膏を指にとって近づけてくる私の顔をはらはらと見ていた。

…なんか、変な気分だ。
別にいやらしいことをするわけじゃないのに、銀さんのあれに思い切り触れるのだ。

「えっと…このへんから全体に塗れば…」
「あ、あい……ッッつああああっ!」
「え?!」

私がちょん、と、特に腫れて痛々しい先端の部分に軟膏をつけると、銀さんは身体を思いっきり飛び跳ねさせた。

「し、しみる?」
「しみ…いや…ッ…な、なんかちくちくすんだけど?!なんか熱い感じすんだけどォォ?!」
「あ、それは私が塗ったときでもなるから大丈夫…ちょっとがまんして…」

快感もないのに屹立して、びくんびくん震える銀さんに、軟膏をゆっくり伸ばして塗りこんでいく。

「…ッッ」

銀さんは歯をぎり、と言わせながらこらえている。
そしてその額から汗が一筋つうっと伝ったのを見て、男の人って大変だなぁとぼんやり思った。


それで一旦銀さんはぶつを仕舞い、布団に入ったのだ。
私は隣に敷かれた布団に入った。
銀さんは何度も寝返りを打っていて、やたらそわそわしていた…。


で、今日の朝。
起床すると、銀さんが目の下に隈を作ってぼーっと布団に座り込んでいた。
かゆみと痛みと薬の沁みでろくに眠れなかったらしい。
しかもどうやら私のほうを恨みがましく見る視線を感じるに…下半身の様子はちっともよくなっていないみたいなのだ。




それで…現在に至る。

さすがに重苦しい空気に新八くんが嘔吐でもしそうな顔をしたときに、私は思い立った。

「…神楽ちゃん、お小遣いほしくない?」
「えっ?!」

重たい空気に気圧されていたちびっ娘が、いきなりぱあと明るい顔で私を見る。

「昨日洗濯手伝ってくれたから、ちょっとだけあげる」
「マジアルか?!きゃっほー!、今から第二のアネゴとして認めてやるネ!」
「あと、新八くん…お昼と…あと持てたらでいいんだけど、晩御飯の買出しお願いしていい?私、これから寝室の掃除しなくちゃいけなくて」
「え、でも…あ…わかりました。メニューは僕任せでいいんですか?」
「うん、よろしく。じっくり吟味してね」
「……了解です」

「(隊長、ここは私が引き受けた。あなたは自身と神楽ちゃんの保護を最優先すべし)」
「(ラジャーですちゃん…ご武運を!)」

事情を知らない新八くんは、本気で私を気遣いながら神楽ちゃんと玄関の戸をあけて出て行った。


で、そこで銀さんはようやくため息をついた。

「…まだいたいの?」
「あー…なんかよォ…昨日よりはマシになったかもしれねーけど…」

私はそう言って、銀さんの机に近付く。
また薬箱から軟膏を取り出して、銀さんの脚の間に座り込んだ。

「ちょっと見せてよ」
「…あ?お前、変なこと考えてんじゃねーだろうな」
「ちがうよ!あんな殺伐とした雰囲気をずっと保たれたらこっちも疲れるって!もっかい薬塗ってみようよ」
「えー…また?」
「わがまま言うんじゃありません」

銀さんはいじけたように机に伏してた顔を上げて、自分の羽織をたくし上げると、その下のズボンをしぶしぶ開ける。
…普段私を閨でいじめるときからは想像もできない、かといって貧弱な様子でもないのだけれど…
元気のないうなだれたそれを目にして、なんだか私の中の妙な気持ちが騒いだ。

それをむにゅ、と手に取ると、銀さんが身体を痛みで震わせる。

「……」

…本当になんだか、変な気持ちが煽られる。

「…うん、腫れは…昨日よりは治まってるね」

そう言いながら、触らなくてもいいんだろうけれど、そこはかとなくさわさわと銀さんの肉茎を触る。
裏筋を撫でて、普段から剥き出しの先端をつうっと指先で円を描くように触って、それからついでに付け根の玉袋の方にも手を伸ばす。
むにゅっと、なんか柔らかい皮に包まれた軟質ゴムボールみたいだなぁ、とか思いながらぷにぷに触る。

「おい」
「あ、えっ?」

銀さんに声をかけられて、慌てて手を離す。
銀さんがジトっとした目でこちらを見ていた。

「あ…あー、触診の結果問題なさそう。お薬塗ります」

慌ててそう取り繕って、軟膏のキャップを開ける。
白い薬を指先から銀さんの肉茎に塗りこんでいく。

「うっ…あー…でも昨日よりかはマシ…か?」
「そ、そう…よかった」

言いながら、なんかドキドキしていた。
昨日は暗闇の中で、しかも銀さんがめちゃくちゃ狼狽している状態だったからマヒしていたけれど、
銀さんが自分のものを触らせていながらも、こんなにしおらしい、大人しい態度なんてそうそうないではないか。
そう意識してしまうと、なおおかしな気分だった。

「………」

むらり、と、いたずら心が湧いた。

軟膏を多めに手にとって、銀さんの先端に乗せる。
それを思い切り塗り拡げるように、薬ごと手のひらで先端をきゅっと握った。

「おうっ…?!」

そのまま、手で愛しむみたいに。
軟膏のかすかな滑りを利用して、こしこしと銀さんの肉茎をさすった。

「お、おい、なにやってんの」
「え?薬を…よく塗りこもうと思って…」
「いやお前それ…っつ!」

やっぱりまだしみることはしみるのだ。
かり首の反り返りの裏側に指を回すと、銀さんは目をつぶって歯を噛んだ。

…なんというか、ほんの軽い下克上気分でござるよ。
普段はこんな弱った銀さんを見る機会なんてないし、私に肉茎を握られていいようにされているなんてシチュエーションもないから。
ちょっとした、女性なら誰でも持ってそうな、ほんとにちょっとした嗜虐心で、私は銀さんをいじめたいと思っている。

「……」

口角がつりあがって、にやりと下品な笑いがこみ上げてくるのを押さえきれず、
意地悪な表情になりながら私は銀さんをしごき続ける。

「ちょっ…テメッ…絶対わざとだろ!わざとやってんだろ!」
「え〜〜〜」

尿道のところにつんっと薬を塗りこむと、銀さんは私に掴みかかろうとしていた体勢から仰け反って椅子に戻る。

「て…てめっ…やっていいことと悪いことぐらいあんだろーがァ!」

痛みでひくひく顔の筋肉が引きつっている銀さんに、私はとぼけた顔をする。
銀さんのそれが、痛みや腫れだけでなく、快楽を持ってして屹立してきているのがわかる。
が、一向にいやらしい雰囲気にならないのは…銀さんが微塵もそういう態度をしてくれないからだ。

「…チャン?ボクこれから真剣にお話しますから心して聞くように」
「え?」
「途中で笑ったりしたらその場で逆さに吊るして全身の毛穴から血が出てくるまで許しませんので」
「え…えちょっと…なに…?」

ぷるぷる全身を小刻みに震えさせながら私のほうをじとっと見つめて、
たんたんと言葉を吐く銀さんは、なんだかとっても殺気立っている。
無意識にも私は銀さんにきちんと向き直って、その脚の間に正座する。

「え〜〜〜と」
「…な、なに」
「あ〜〜〜、だから」
「わ、わかんない」
「だからね、男はね、どんな状況にあってもね、好きな女の子がチンコを握ってくれたりしたら勃起するんです。立つんです」
「……う、うん」
「でねようするに勃起ってチンコに血が集まってきてるわけでしょ」
「そ、そうだよね」
「血液が集まりゃあ当然カッカしてきて火照るよな」
「そ…そう…かな?」
「そうなんだよ!覚えとけ!テストに出るから!」
「は、はい…んでも…それで?」
「それでじゃねーよ!さっきからなァ、ただでさえ痛くて痒いいのにお前が握ってゴシゴシしてくるからはち切れそうにムズムズすんだよ!」
「……」
「痛いんだよ、痒いんだよ、その上興奮してバッキバキなんだよ!どうしろっての?!俺もう死ねばいいの?!」
「…………」

い、いけない。
お、抑えなければ。
今ここで思いっきり噴き出したりしたら本当に逆さ磔にされかねないとわかっているのに…!!

「…くっ」
「!!」
「…くっ…あ、アハハハハハハ!」
「…お…おい…」
「ご、ごめんむり!むりむりむり!銀さんがそんなかわいいこと言うなんてガマンできない!アハハハ!」
「………」
「だ、だって、(ブッ)よ、ようするに、(クックッ)私が好きできもちよくておちんちん…(プッ)たってきちゃったけど、痛いからできませんって八つ当たり…あ、だめ…やだー!!あはははは!」
「……………」

銀髪から発せられる殺気も一時わすれて、私は一頻り笑い転げた。
文字通り万事屋のフローリングの上をコロコロと。

ひーひー言いながらなんとか呼吸を整えて、ああなんかつぼ入っちゃった、と瞳に滲んだ涙を拭いながら起き上がって。

「……!!」

目の前の男が、「憎しみでヒトが殺せたら」なんて顔をしているので凍り付いてしまった。

「…あー、ちょっとプランを変更しよう。逆さに吊るして血みどろじゃなくて、逆さにして窒息の刑だな」
「え…っ…ちょ、い、いくらなんでも、マジじゃないですよね?」
「へェー、俺の顔見てマジじゃないって思えるの、お前」
「ご、ごめんなさい」

ワンパークのウソッペ並にチキンな私は、にたっと笑う銀さんの顔を見て即座に態度を変えずにはいられなかった。

「いや、でも、でも!逆さなんて…できないでしょ?ここ、天井に梁とかないしさ…」
「足りぬ足りぬは工夫が足りぬだ!見てろォォ!」
「えっ?わあああっ?!あ、き、きゃあああああっっ?!」

何が起こったのか、一瞬わからなかった。
机に手をかけて立ち上がりかけていた私の膝の裏に銀さんが腕をするりと入れ、
一度お姫様抱っこみたいな形になったかと思うと…銀さんは私の足首を掴んで、ぶらーんと逆さ宙吊りにしたのだ。

「やだっ!やだ、こ、怖い…!ちょっと…落ちちゃう!」
「喋ってっと舌噛むぞ…ほら…よっと!」
「あやっ?!」

銀さんが座っていた、万事屋の長が座るに相応しい井草編みの涼しげな社長椅子。
私はそれに、逆さまの状態で「押し込まれた」。
うまく表現できないが…普通なら腕があるべき肘掛に太腿を乗せ、
背もたれを挟むみたいな形で開脚させられている。
普通はお尻を座らせるべき場所に上半身が乗って、そこに乗り切らない首から上はぷらん、と、
不安定に、まさしく逆さに宙ぶらりんだった。
銀さんは一瞬のひらめきで、普段使っている椅子を即席の拷問道具に変えてしまったのだ…!

「ちょっと…これ…!」

脚をばたつかせて、その拍子に背もたれがぐうっと反発して倒れそうになって慌てた。
…身動きが取れない。
その上、銀さんはチャックを開け放して肉茎をぷらぷらさせたまま、私のほうに逼ってくる。

「ち…窒息って…え…ええっ…?!」

まさかまさか、という私の困惑をずばり突くように。
銀さんは逆さまになった私の視界に、銀さんのおちんちんしか見えなくってしまうくらい接近して、
まるでキスでもするみたいにそっと、私の唇にその微動する肉茎をぴとっと押し当てた。

「ほら、口開けろ」
「え、い、いや…!」
「いやじゃありませんー。もうお仕置き通り越して拷問だからな!やめてやらねーぞ!!」

そう言って、銀さんは肉茎の先っぽで私の頬をぺんっと叩いた。

「あ、い、痛っ…!」
「んー、チンポビンタって初めてやんだけどな」
「い、いたいってば…!はぅっ!」

ぺちぺちぺちぺちっと、音にすると間抜けなその行為は、地味に痛い。
ついでに叩いているうちに銀さんの肉茎は興奮しているのかどんどん硬くなってきてことさら痛い。

「懺悔しろォ!まじめに悩む銀サンを笑いものにした謝罪を口にしろォォ!」
「えわ、あわ、ご、ごめんなさい…!」
「気持ちが篭もってない!ハイ駄目!」
「そ、そんな、そんなこと言われても…!」
「だいたいなんで俺のチンコが痒くなってのまんこは痒くなんねーんだよ!女尊男卑じゃねーか!」
「わ、私のせいじゃないもん…!」
「いーやお前のせいだね!お前が俺のチンポコで遊んだせいでこんな苦しいことになったんだよ!」
「そ、それは…それはぁ、ごめんなさいだけど…!」
「謝罪すんならなんか差し出せ!等価交換!俺の怒りが収まるような供物を出せっ!」

そう言って、銀さんはまた私の頬をおちんちんでびたんと叩いた。

「わ…わかんないよ…供物って…」

逆さまにされているせいでだんだん額あたりがどくんどくんしてきて、頭が上手く回らないというのもある。

「…じゃ、俺が決める。いいのか?」

銀さんが…よく見えないけれども、ものすごい意地悪な顔を浮かべているのがわかった。

もう私は半ばいろいろ諦めかけていて…これ以上は本当に反抗のしようもなかったし、思い切り頷いた。

「…おし、じゃ、今からの顔にチンコ擦って痒いの紛らわすけど、文句ねえよな?」
「そ…え…ええっ…?!」
「ヤなの?」
「…う…嫌って言っても、す、するんでしょ…」
「…あ。むかつく。なにそのさっさと終われ的な台詞」
「えあっ、違う、ちがう!そういう意味じゃなくて!」
「ちゃんと言えよ。自分で考えて、俺がこれからすることを受け入れますって、ちゃんと口にすんの」

そう言って銀さんは、私の頭をがしりと掴んだ。

「え…えっと、それは…えっと…」
「ホラあと10秒で考えろ!間に合わなかったらおめーの鼻めがけて立ちションするからな!」
「ええええええ?!う、うそっ、か、考える!考えるから待ってええ!じゅ、10秒じゃ無理…!」

そう言って時間を稼ぎながら、なんとか自分の中で銀さんが望んでいるような言葉を組み立てる。
それを羞恥心を身体の奥に押し込めて、なんとか喉から搾り出す。

「…あ、ああ、わ、私の、私の顔に…銀さんのチンチンごしごししていいですから…!か、顔ズリ…!私の顔でおちんちんしごいてください…!」
「顔ズリ?お前よくそんな言葉思い浮かぶなぁ」

銀さんは愉悦のニュアンスを隠しもしない。
思いつきで言った言葉がその実考えてみるととんでもなく下品なことに気が付いても、遅い。
銀さんは私の言葉で勢い付いたように私の頭をしっかり押さえて、
私の鼻筋の横におちんちんをぴったりくっつけて、本当に「擦る」みたいに強く腰を動かして、私のあごあたりまでと頬の傍を往復する。

「あ…あいっ…」

さっき私が思いっきり塗りたくった軟膏が、銀さんの肌の温度でとろけて丁度滑走剤の役目を果たしている。

「ん…ンふっ…」
「おー…鼻息くすぐってえ」
「こ、こっちだってその…そのもじゃもじゃくすぐったい…!」

銀さんの、髪の毛と比例するようにくせっ毛で、色素の薄い陰毛が、たびたび顔に擦れる。
その上柔らかい玉袋までぱたぱた私の顔を叩くものだから、なんだか本当に下品でおかしなことになっている。

「あ…ああ…ぅ…なんか…へん…!」
「変?」
「こ、こんな変態みたいなこと…!銀さんが…ぎ、銀さんがぁ…!」
「あ?俺が変態だって言いてーの?」

そう言われて、ぎゅっと目を瞑った。
自分の口から出そうになっている、変態そのものの台詞に自分で興奮している。
口にしてしまったら、もっと気持ちいい。
私こそまさしく変態じゃないかと羞恥心がこみあげるのに、そんな理性は興奮の前にあっけなく崩れ落ちるのだ。

「ぎ、銀さんが…!私の顔で…銀さんが…顔面オナニーしてると思うと…変態なのに興奮しちゃうの…!」

そう口にした瞬間、私の身体はびくびくとはねた。
自分の言葉に自分でどうしようもなく昂ぶって、ぶるりと震えた。
逆さになった陰部から愛液が潤って、それが行き場をなくして身体の奥に逆流してくる奇妙な感覚を味わう。
…が、私が震えたのと同時に、銀さんの下半身もがくっと、打たれたように跳ねた。

「…銀さん…もしかして銀さんもこーふんした…?」
「…っ」

問いかけには応えて貰えず、代わりに私の上唇に銀さんの玉袋が押し付けられた。

「ンむふッ…」
「あーあー。全然痒いの取れねえ…むしろ悪化したわ」
「んー!…んん…っ!!」
「紛らわすためにとりあえずキンタマしゃぶっとけ」
「んぶぅあっ!き、きん…」
「なんだよ?キンタマだよキンタマ…うらっ」
「ん、んふ…ふぅ…」
「言ってみ?キ、ン、タ、マ…って。ほ〜〜るぁあ♪」
「ふンッ…んぶっ、んぷふぅうっ…!!」

きんたまどうのより、まず喋れない。
銀さんの玉袋が私の口を思い切り塞いでいる。

「俺下の毛薄くてさあ…タマ毛とか全然ねえだろ?昔は気にしてたんだけど」

そう言って銀さんは、一度私の口に押し付けていたその陰嚢袋を退ける。

「っあ…ぎ、銀さんの…たまたま…ぁ」

私の口から、そんな言葉がつい出てしまう。
銀さんのいやらしい、いつも口でするときに口腔いっぱいに広がるあの匂いが、
陰嚢の裏のほうからはさらにきつく香ってくる気がする。
逆さにされて、おちんちんで顔をひっぱたかれて、顔に思いっきりなすりつけられて。
明らかにおかしいのに、変態だと客観視するまでもなくわかるのに…なんでか私は、どうしようもなく欲情していた。

「タマタマじゃねえって。キンタマだって」
「や、やだ…たまたまがいいのぉ…銀さんの…こんなにぷにぷにつるつるでかわいいんだもん…」

私、なにを喋っているんだろう。
そんなことさえ考える脳みそも残っているのに、目の前に差し出された大好きな人のものにクラクラしている。

「…へー…どんな風に?」

銀さんが、そんな私を面白がるような声をだした。
…ああ、銀さんは私の口からいやらしいことを言わせたがってる。
面白がってる。私をからかってる。
でも…その奥で、すごく興奮してる。
銀さんが私にそういうことをさせようとするときは、銀さんの気持ちも充分昂ぶっていて、
私がそれを悦んでいやらしいことも平気でしてしまう、銀さんにたっぷり仕込まれたオンナだってことを知っててやっている。
…だから、私はうれしさと興奮でいつもはできない恥ずかしいことだって出来てしまう。

「んぶっ…ふぅ…ふぅ、銀さんのたまたま…こんなピンク色だし、毛もなくてすべすべだし…」

銀さんが、また少し震える。

「たぷんたぷんってしてて…ぁあ…中には…いっぱい溜まってるんだよね…?おちんちんの先っぽから出る…ドロドロが…」

そう言いながら、私はついに銀さんの玉袋にむにっと舌を当てた。

「っぅあ…」
「ンむっ…むちゅぅううっ…ちゅぽっ!」

柔らかい、それこそ最初にさわった時に感じた、軟質なゴムボールが入ってるみたいなそこを、まるごと口に含んだ。
両方のたまは入りきらなかったので、片方だけちゅむちゅむ吸い付くみたいに。

「っあ…ちょ…お…ま、待て!」
「待たない〜!はぁ…ぁぁ…むっ…んちゅうっ」
「ちょ、ちょ!」

慌てた様子で、銀さんが突然私の鼻をつまんだ。ぎゅいっと。

「んぐっ…ぷはっ…!」

呼吸が出来なくなる苦しさに、私は銀さんのたまたまから口を離す。

「キンタマもういいから…こっち咥えろっ」
「はえ…?あ、あ…んぶぅうっ!!」

苦しさに目一杯開いていた口腔に、いきなり銀さんの肉茎が突きこまれた。

「んぐっ…んぐっ、ん、んぐぅうううう〜〜ッ!!」

それはもう喉の奥まで一気に入ってきたものだから、私はたまらず嘔吐しそうになって、銀さんになんとか鼻声で不満を訴えようとする。
その上私は逆さにされているのだ。
反り返った銀さんの先端が、まるでそう作られたみたいに喉奥までぐううっと入り込んできてしまう…!

「お、おぶゥッ!おぶふぅうっ!うン、ン、んん〜〜〜ッ!!」
「あん?苦しいか?」

必死に首を縦に振る。銀さんに歯を立てないように。

「でもお前は供物だからなー。怒れる銀時様への生贄だから」
「んんんぅ!んっ、んごっ、ん〜〜〜!!」

私はちょっとパニックに陥っていた。
苦しいだけではない。終ぞ喉奥から胃液が逆流してきて、それが私の口の中をすっぱくして…その上それが、鼻腔の穴へと入り込んでいく。

「んっんっん〜〜!!んんんんっ!んぬがっ!」

自分がとんでもなく滑稽な声を上げていることに、恥ずかしさを抱く余裕もない。
一刻も早く銀さんのものを抜いて貰わないと、早く身体を起こしてもらわないと、本気で窒息してしまう。
瞳から涙までぼたぼたと出始めて、顔をゆがめた私の頭を、銀さんがくいっと持ち上げる。

「ふごっ…」

反動で鼻からまるで女らしくない音が漏れてしまったが、いくぶんか酸素を吸い込む余裕は出来て、
ついでに頭に上っていた血液が戻り始めて、こめかみのあたりがどくんどくんとうるさい。

「苦しいか?」
「んっ…!」

うなずく。

「でもなー。俺は気持ちいい」

このサディスティック悪魔!!
そんな罵りを浴びせるかわりに、なんとか頭を引いて…私は銀さんの肉茎を、口腔から引き抜いた。

「んぶはっ…はぁ…」
「あ。勝手にやめんな」
「あッ…ま、待ってえ、待って待って…!ちゃんと舐める、舐めるから…!」
「ん…?」
「な、舐めるから、銀さんは腰を動かさないでっ!ほ、ほんとに苦しくて窒息しちゃう…!」
「……」

銀さんが意地悪そうな顔で黙りこくったので、私はなんとかしようと、銀さんの先っぽに舌先を伝わせる。

「んちゅっ…ちゅっ…ちゃ、ちゃんとこーやって舐めるから…やめないから、おちんちんするから…」
「おちんちん?」
「…う…」

銀さんが惚けた様子で私の顔を…今度は平手で叩いた。
ぺちん、と、軽くではあるけれど頬肉が弾かれる。

「お、おちん…ぽ」
「「お」は邪魔」
「う、ううっ…ち、ちんぽ!」

そう言い切った瞬間、銀さんの肉茎がびくっとはねて…それから銀さんは喜悦に笑った。

「そうそう。飲み込みはえーな、は。続けて言ってみ?」
「…ちゃ、ちゃんとちんぽします…銀さんのちんぽに舌、絡ませて…こう…」

そう言って、私はまた銀さんに舌を絡ませる。

銀さんはそれで満足したのか、私に肉茎を預けて、それから私の脚に手を伸ばした。

「ふひゃひぃっ?!」

突然膝を掴まれて、そんな間抜けな声が出てしまう。
銀さんは、椅子を揺らすまいと緊張していた私の脚をぱかっと開いて、その間に顔をぐーっと押し付けていた。

「んひゃっ…ひゃぶ、んぶぅ…ひゃ、や、やぁ…!」
「んー…すっげ…蒸れてんなー」
「い、いやあ…!」

銀さんは腰を屈めて、それでも私の口許から肉茎が遠ざからないように気をつけながら、私の下着の中心部に鼻を押し付ける。
恥ずかしさと、ついでに内腿に当たる銀さんの柔らかい髪の毛のくすぐったさで、私は身を揺する。
が、抵抗むなしく、銀さんは私の下着を簡単に脚から引き抜いて、その部分にじかに触れてきた…くちびるで。

「ひゃはぁっ!」
「やめんな、こら。次やめたらまた突っ込むぞ」
「ん…うう…」
「よしよし…んー♪すぅゥゥ〜〜〜ッ……」

やだやだやめて、と叫びたくなるのを堪えなければならなかった。
銀さんは愉快げに、私の陰毛に顔を埋めて、わざとらしく大きな音を立てて恥部の匂いを嗅いでいる…!

「エロい匂いしてんぞー…これ、お前ノーパンで過ごさせたらやばそう」
「んぶるぅっ!んんぅ…!」
「街とか歩いたら何人振り向くだろーなぁ…「うわっ、あの女マン汁くせえ!」とかビックリして飛び退くぜ」
「んぶちゅっ…ちゅぶ…んひ…ひやあ…!」

下卑た言葉で辱められて、私は咥えながらもかぶりを振る。

「ウソだって。冗談だバーカ。外で恥はかかせねえよ」
「んぁうっ…!」

そう言って、銀さんは私の毛を鼻先でぐりぐりとまさぐって、かき分けるように撫でまわしながら。

「んひゃぁぶぅ!あぶっ!はぷっ、はぷっ…んんん〜〜〜ッ!」

私の体の入り口を探り当て、そこに。

「ふうっ」
「んぷぅ!はひゃ、ひゃ、ひゃめへええっ!」

私の膣口に、まるで風船でも膨らませるかのように息を送り込む。
これをされると。

「ふ〜〜〜ッ!…っと…」
「や、あ、やあ、やめて、お、おねがい…!!」

私はつい口を離して、銀さんがしようとしていることを恐れる。

「ヤダ。それにお前今口離したろ」
「あっ…ほ、ほんとにやめてええ!それはいやっ…いやっ!」

そんな私の抵抗を楽しむように。
銀さんはずるりと、私の身体を椅子から引き摺り下ろして。
下半身が仰向けになりかけたところで、私の下腹部を手のひらで押した。

「い、いや、嫌あああっ!」

声でごまかせるわけもない。
銀さんがさっき、私の中に送ってきた空気が、まるで排泄みたいな死ぬほど恥ずかしい音を立てて膣から抜けていく。
ぶびゅり、と。
そんな音を、銀さんは至極愉快そうに聞いて。

「なんでこれそんな恥ずかしがんの?別にいいじゃん」
「い…だ、だって…!!」

恥ずかしさで瞳を開けない。
自分の膣から、他人に聞かせることなんて普通は絶対にないような音が漏れるという行為に我慢が出来ない。
銀さんのことは大好きで仕方がないくらいだけれど、
これはそんな好き、の気持ちとは異なる単純な恥を恐れる気持ちだった。
そう思うと、少し涙さえ出てきて。

「…オーイ。いくらなんでも泣くなよ」
「だ…だって…」
「そんな泣き虫には…ホラ」
「あやっ?!」

銀さんが、引き摺り下ろした私の身体を床板に横たえて、私の片脚をぐいっと持ち上げた。
思わず直前の恥ずかしさも忘れて慌てる。

「えっ、い、いれるの?!」
「え、いれなくていいの?」
「え…っ…と…いや、い、いれてほしい…けど!ぎ、銀さんの…平気なの?」

私がそう問うと、銀さんはそこで小首をかしげた。

「そういやさっきからあんまし痛くねーな…」
「う、うそん…」

変な声を漏らしながら、私は接近する銀さんの肉茎をぷるぷる震えて待ちかまえている自分のことを意識する。
どろり、と、今度は空気ではなく粘着質な愛液が漏れる。
それが横たえたままの太腿を伝うのがわかって、それは銀さんにもしっかり見られてしまったようで。

「おー…相変わらずすげーのな」
「す、すごい…って」
のまんこはすげー、奴隷向き」
「ど、奴隷だもん…!」
「あん?」
「わ、私…私の、お、おまんこは…」

私はいやらしい言葉を発して、自分と、あわよくば銀さんを興奮させようとしている。
口の中がねばつく。
とろんとしてきて、もう銀さんのことしか考えられない脳みそで、自分の望みを、自分の心のありさまを言葉にする。

「っふ、普段は、銀さんとかお登勢さんとか神楽ちゃんとか新八くんとかいろんなひとに…!」
「……」
「いろんな人に銀さんのっ、銀さんのお世話してるいい子ぶってるけど、けど、ほ、本当は…」
「ほんとーは?」
「ほ、本当は、銀さんのちんぽ目の前にするとただのハメ穴になっちゃうのぉ…っ!銀さんのおちんぽ入れられて喜ぶただのあなぼこになっちゃううっ!」
「ハメ穴かー…淫乱だなぁ」
「い、淫乱なのっ!淫乱ハメ穴っ…!だから…い…」
「ドスケベ変態淫乱ハメ穴、はい言い直し」
「…っ!ど、ドスケベ変態、淫乱ハメ穴…だから、い、いれて…!」
「ん〜…ついでに銀サン専用、アナルもOKで」
「な、何回言わせるのぉ…!」
「俺の気が済むまで」
「…う…ドスケベ、変態、淫乱の、銀さん専用アナルもOKのハメ穴ですっ…!」
「それで?」
「それで、は、早く、そんなハメ穴に早く栓してっ!銀さんのかったぁいのでえ…!」

私が自分の大陰唇を指でちゅくりと開いて、なお滲んでくる愛液を見せびらかすみたいにする。
銀さんに言われるまま言葉を口にしているうちに、もう私はすっかり気分を昂ぶらせてしまった。

「よっと…そらっ…!」
「あ…あ…ああ…ッッ!!」

待ち望んだ猛りが私の膣口を押し広げ、敏感な壁を容赦なく摩擦して、いきなり限界まで突き入れられる。

「あっは…ああああ〜〜〜ッ!!」
「なんか随分景気いーな…このままノリでベランダ出るか?」
「え…え?!っはぁ…!い、嫌…こ、こんな真昼間からそんなこと駄目…!」
「じゃ、やったまま下のババアの店にでも電話かけるか?」
「い、いやっ、誰が出てもバレちゃうっ…!私が銀さんとセックスしてるってバレちゃう…!」
「いーじゃん別に…淫乱ハメ穴のチャンを晴れてお披露目っつうことで」
「あやっ…やだぁ…もうこのへん歩けなくなっちゃう…!街中の人が私のこと変態淫乱ハメ穴だって冷たい視線で見てきちゃっ…?!」
「バカ、冗談だっつってんだろ」
「あっ…じょ、じょうだんでも、い、いやぁ…」
「お前がしたいんなら俺は協力してやるけど」
「い、いやいやいやあ…!ほ、他の人に見られるより…!ふ、ふたりっきりで…銀さんの先っちょで私の奥をごりごりされたいのぉ…!」

私はくわえ込んだ銀さんを促すみたいに、腰を僅かにかくかくと揺すった。

「欲しいならホラ、おねだり」
「く、ぅ…ぎ、銀さんのちんぽの先っぽぉ…かちかちになってるとこで…私のおまんこの奥のおく…っ!し、子宮の入り口こすってえ…!」
「ココ?」
「くぅぁっ!あ、あぃ…!」

まるでそこから押し上げられて、内臓が身体の内側に詰め込まれるような感覚が私を襲う。
そしてそれは、苦しいのに充足した感覚を与えてくれる。

「あぐっ…あぐぅ…あ、う、うれしい…!も、もっと、もっともっとずんずんして…!」

銀さんが突然私の頬をむにっと引っ張って、唇を押し付けてきた。

「んっ…んぅ…!」
「ほら…舌突き出せっ」
「う、うん…んえー…っ?!」

銀さんの口腔めがけて突き出した私の舌を、銀さんが甘噛みした。
甘美な刺激が脳にぴりぴりと媚薬を送り込む。

「あぅ…ん、っはぁ…」
「アレだぜ?舌を噛まれるのは服従の儀式らしい」
「ふ…ふくじゅう…あ…やだ、な、なんか…やだっ!」
「…なんか、今キュッってしなかった?」
「だ、だって…!ふ、服従って…え!」
「好きだろ、何かそんなん」
「っああ…す…好きっ…!銀さんのモノになるの…大好きっ!」

そう口にすると、私の中の銀さんがビクリとしてから一際硬さを増した。
…今ので、銀さんも感じてくれた。
頭がその考えに行き着くと、私の心の中は性的な気持ちよさとはまた別の、ぽかぽかかと温かい、幸せな物質で満ちていく。
銀さんが私の太腿を押さえつけて、膣壁の上のほうをずるずると擦るように、
カリ首や肉茎の表面の微妙な隆起が中を抉り取っていってしまいそうな動きを繰り返す。

「あ、あああ…ッ!!いいっ…!いいよう…!」

私はその動きをより強く感じられるように、なかなか力の入ってくれない腰をそれでも懸命に揺すった。
銀さんが上下に動かしてくれるから、私は左右に。ゆるゆるとお尻を振る。

「ふうっ…くぅ……っ!」

おしりの穴に力を入れて、膣をきゅっと締め付ける。

「っ…!ヤベ…みちみち言ってんぞ…!」

そう言って、銀さんが目を瞑った。

「こ、これきもちいい?中、ぎゅうぎゅうするのが・・・きもち、いい…?!」

きゅっ、きゅっ、きゅっ、と。
むすんでひらいて、みたいに。
膣に力を入れては抜いて、入れては抜く。
銀さんの腰がぶるりと震える。
銀さんが感じてくれるのと同時に、膣内を締め付けると、私も硬くなった銀さんを一層深く感じる。
気持ちよさを共有する。
恋人にしか出来ないこと。

「ああっ…うれしい…!銀さんが…わ、わたしの彼氏でよかった…!」
「あん…?!」
「な、なんかなんかぁ…ッ…きゅ、急に愛しくなっちゃったぁ…銀さんぎゅーしてっ!ちゅーして…!はめたまんましてぇ…!!」
「…ンっとにオメーは…!」
「ンむっ…む…んるっ…は、あ、ん…れろれろれろれろ…ッッ!」

銀さんが突き出した舌をペロペロと淫猥に動かすのにあわせて、私も舌を突き出して銀さんの舌をリンチする。
叩くみたいにぴちゃぴちゃしたあとに、むちゅうっと、突き出されたままの舌に吸い付いた。

「はんっ…む…んっちゅ…」

今度は、私が銀さんの舌を甘噛みする。

支配して支配されて。
それが私と銀さんの在り方なのだ。

「はあっ…!」
「しっかり締めてろ…ッ」
「う、うん…ンン…!!」

銀さんが私を抱きかかえて、身体をさらに密着させた。
体位のズレで肉茎が抜け落ちてしまわないように気を配りながらも、
背中に回ってきたたくましい腕がうれしくて、私は自分の脚を、銀さんのがっしりした腰に回しこんだ。
ついでに肩に腕も回して、がっちりと。
二人くっつく。

「はあはあははぁああ…ん…!んいッ…あいッ、わ、私イッちゃう…!このまますぐイッちゃう…あ、あああ…っ!!」
「遠慮すんなって…好きなだけイけばいいだろ…ッ」
「や、やだやだやだぁあ!銀さんといっしょっ…一緒にイキたいの…!」
「……っ」
「銀さんのが中にびゅくぅってきたときに…そのままイッちゃいたいの…!」
「…っ…カワイイんだよ、このバカヤロー…ッ!!」
「んぁう?!」
「じゃあもうホラッ!出すぞ!出したときいけよ…ッ!」
「わ、わかっ…あ?!あッ、あ、も、もう…あ、ああああああッッ…んひっ…ああああああぁぁーーッッ!!」

ドクリ、と。
白い欲望が私の中で弾ける感じがして、私はつられてあっけなく達した。
身体が仰け反る中に、びくびくと脈打つ銀さんがまだ精を放っているのを、幸せに思いながら。

「っんん…!」

やがてすべて出し尽くして、私から身を引いた銀さんが、ドロドロになったそれを私の口許に持ってきたときも、
何のためらいもなく、幼児がお母さんの乳房に吸い付くみたいに自然に、いろんな液体まみれになったものにしゃぶりついてしまうくらい、
とっても満たされて、とってもクラクラで、とっても頭の中が白かった………。












「只今戻りましたー…って、アレ?」
「おーう家事手伝い。昼メシなんだ?」
「ああ、それならおいしそうなかき揚げが売ってたんでそばかうどんにしようって…って、銀さん、ちゃんは?」
「あ?…あー、アイツは頭痛てぇつって、寝てる」
「……」
「必然的に昼飯はお前が作るわけだ」
「…………いや、それはいいですけど」

いい加減バレバレなんだけど黙っておくべきだよなあ、と。
朝方のいらつきもどこへやら、普段からのけだるさの中に隠しきれない上機嫌さが伺える雇い主を見ながら、
新八はその恋人に心の中で合掌した。

















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前回が気まずさをはらんだなんだか暗いものだったので、
今回は明るく…というのと、
前回はやっぱりこう、シチュエーション重視で書いていったら個人的に好きなポイントである、
銀さんとの会話ややりとりというのが少なくなってしまったので、
今回はたらふく書きたいな〜というのがありました。

作中のたけのこによる腫れは実際なくもないことです。
よく小さい頃家族が苦しんでいた。
時間が経てばおさまるものだと思うので、あんまりフェミニーナ的なものを塗ったりする意味はないと思うんですが、
まあ、雰囲気作りということで。