別に好きでも嫌いでもなかった。
というか、好きな人は別にいた。好きというか、恋仲な人。
なのにうんと頷いてしまったのは、ただたんに面倒くさくてどうでもよかったからだ。
特別なにも感じなかった。
でも、その取り立てて特徴のない陰茎を挿入されて、私は初めてうっすら後悔のようなものをした。
まるでなにも感じなかった。
気持ちよくも悪くも痛くもなんにもなく、ただむなしさだけがこみあげて、
ああなんでこんなことになっちゃったんだっけ、とかいうところに意識を飛ばしていた。
の、だが。
連れ込み宿を出たところで、私の薄い後悔は強い恐怖へと瞬く間に変化した。
一服してから出る、と言った男に従って私は一人で宿を出たが、
やましいことのない女が一人で連れ込み宿から出てきたりはしないだろう。
つまり怪しさ大爆発だったんである。
そしてその大爆発の瞬間をあろうことか私は道路を挟んで反対側の路地を歩いていた恋人に目撃されてしまったんである。
まず私が凍った。逃げることも出来ず、その場で目を見開いて多分一瞬くらい心臓も停止していたと思うが完全に石像になってしまった。
そしてそんな私をどこかぽかっとしたようすで見ていた銀さんの顔がみるみると険しくなっていき、
縮地?とかるろうになボケをしてみたくなる速度で私の目の前まで身体の距離を詰めると、
逞しい腕で私の首をがっちりと締め上げ、私が苦しさに呻くのも聞いてくれず私が出てきた連れ込み宿へ再びもつれこんだ。
受付のいやらしい顔をした老人は、さっきの女今度は違う男を連れて来やがった、
私娼かなんかかしらないけど昼間っからお盛んだねえヒヒヒッと口には出さなかったが思いっきり視線で私を好色そうに嘲っていた。
やめてそんな目で見ないでと嘆く余裕もない。
私の首に回された腕に優しさはない。
それどころかもう頸を絞めるというより極めるというほうが似合うような力強さで、
銀さんは受付にビタンと札を叩きつけると代わりに受け取った鍵をひっつかみ、
私を目当ての部屋の扉を開けるなりそこに投げ込んだ。
「うぐっ…」
部屋に入ってすぐが布団でよかった。
私はぺらぺらの布団の上で回転して頭を打った。
が、仰向けに倒れ込んで目を開くと、ああこれは頭をぶつけて気絶していたほうがいくばかよかった…と思う光景があった。
「…おい」
「……っ…」
そのドスの利いた声に返事をできないでいると、銀さんは私のお腹を足でグリグリと圧迫した。苦しさが呼吸を乱す。
「ちゃーん」
「……ぐぇっ…は…あ、はい…」
「お前何してたの?」
「な…なにっ…ぐあ、い、痛い」
「たりめーだバカ」
その罵りに、普段の親しみをこめたニュアンスは感じられない。
…銀さんは、めちゃくちゃ怒っている。
そりゃそうだ。逆の立場なら私だって怒り狂うだろう。
なのにごめんなさいだとかそういう言葉が出てきてくれないのは、
申し訳ないとかいう気持ちやなんとかしなくちゃという計算を上回って、
私の中に目の前にいる恋人の憤怒が恐怖として思い切り突き刺さるからだ。
「正直に言え、ホラ。銀サンが怒り狂っちまう前に」
「あ、ぐぁ…ぐえっ!」
そう言って、銀さんは今度は私の喉を踏みつけた。
見上げるその顔は、瞳は死んでるように輝きを失っているのに、
皮膚はあちこち痙攣していて、口許はうっすら笑みさえ浮かべていた。
…従う。従います。従ったほうがいい。そうでないと私はもう本当にどうなるかわからない。
「ぅ、ぐ…あ、わ、私は…ご、めんなさい…」
「何がごめんなさいだよ」
「う、浮気、を」
「浮気?」
「ぎ、銀、さんが、いるのに、っ、ほ、ほかの人と、せ、セックスしました」
「へー」
私を踏みつけていた足を退けて、銀さんは私をただじっと見た。
…氷みたいに冷たい瞳だった。
私は舌の根が凍るのを感じながら、じわりと涙が溢れるのを止められなかった。
どうでもよかったとか。
めんどくさかったとか。
馬鹿じゃないのか、私は。
こんなに私を想ってくれている人がいて、こんなに想っている人が私にはいたのに。
そんな懺悔の心を目敏く察したのか、銀さんは私をゆっくり起き上がらせると、
猫なで声と呼べるような声色で私に問うた。
「…出来心ってヤツ?」
「…っ」
私は思わずかぶりを振った。
「…銀サンじゃ満足できなかった?」
「ち、ちがう!」
さらに強く、髪の毛がばさばさなるほどかぶりを振る。
「誘われた?それともお前が誘った?」
「さ…さそわれ、た」
「それでなしくずし的に?」
こくん、と頷いた。
頷いた拍子に涙がぼろりと膝に落ちた。
銀さんははァ、とため息をついて、頭の後ろをがしがし掻いた。
「俺と別れたいとか、そういうのじゃねえんだな?」
「…っ!」
今度は強く。思い切り強く頷く。
「お前は俺に、許して欲しいんだな?」
続けて頷く。
もう頷くことしか出来ない壊れた人形のように、ひたすらこくこく首を縦に振った。
銀さんが、私の前に屈みこむ。
私と顔の位置をイーヴンにして、じっと私を見て。
ぱんっ、と、思い切り私の両頬を叩いた。
「あいっ…」
「…カッとなることはあるだろうよ」
「…あ…あう…」
「ムシャクシャすることもなくもねえだろうよ」
「………っ」
「だから…今回限り、許してやる」
「…っは…あ、ぎ、銀さん…」
そこでようやく、私は大好きな人の名前を呼べた。
「んー、が」
「っ?!」
「人は痛みを伴わない教訓など身にしみないと少年ガンガンに書いてあるとおりだ」
「ぎ、銀さん…ジャンプ派じゃなかったの…?」
「いいんだよ。そこでまあ、お約束だけどおしおきです」
それは、私が受けなきゃならないことだ。
シリアスなのか、それとも猥雑な雰囲気なのかわからぬままだったけれども、
私は神妙な気持ちでこくこくうなずいて、自分の手で着物の帯を解いた。
銀さんがのしかかってきて、前戯もなにもあったものではない、というような手つきで私の陰部に手を伸ばす。
下着を力任せにずらして、濡れてもいない私の膣穴に指をずぶりと差し込む。
「あ…あ、い、いきぃっ…」
突然の刺激なのに、私はなんだか不思議な気持ちだった。
不思議と安堵している。
ついさっきの男の無味無臭な愛撫とは違う。
乾いた膣壁がこすられる痛みも確かにあると言うのに、私の体の奥は銀さんの太い指を悦んでいた。
「は…い…いい…っ…ぜんぜん違うっ…」
自然とそんな言葉が漏れた。
それを耳にした銀さんが、私の身体をぐいっと抱き寄せながら、耳元に唇を寄せる。
「何が違う?」
「あ…あっ、う、浮気なんかと、ぜんぜん、違う…違うの…!」
ぶんぶん頭を振りながら言う私に、銀さんは好色な笑みを浮かべた。
「そういう路線でいってみようか」
「ろ、路線…?あ、ああひっ!」
指が、中でぐにっと折られる。
その拍子に奥からどろっとした愛液が滲んでくるのが自分でもわかって、
さらにそれはぐちゅり、なんていう淫猥な音を立てて銀さんと私の耳朶を刺激する。
「銀サンと間男の指、どっちがいい?」
「ま、まおとこ…?」
私が戸惑うと、銀さんは私のお尻を容赦なく叩いた。
衝撃で身体がびくりとしたが、それすら甘美だった。
「の口から全部言ってみろよ。証明すんだよ、お前は銀さんの女ですってな」
「あ、ぎ、銀さんの…お、おんなぁ…」
こんな状況なのに私はおかしく興奮して、
震える舌と、うまく思考しない頭をなんとか動かして…銀さんの要望に応える。
「あ…あ、いい…全然ちがいます…銀さんの指と…あ、あんなどうでもいい男の指じゃ…」
そう言うと、銀さんは中で折り曲げた指を更に強く曲げて、私の恥骨の裏側をごりごり擦るように愛撫しだす。
「いひぃいっ!あ、あの男は、こ、こんなふうにしてくれないし…わ、私もこんな、あ、愛液ぐしょぐしょにならないの…!」
「気持ちいいか?」
「うん、うんうんうんっ!銀さんの指がいいっ!銀さんがいいっ!きもちいい…!」
「どこが?どこが気持ちいいんだ?」
銀さんは、すごく愉しんでいる。
いつもの低い声が浮ついて、銀さんの逞しい肩にしがみついている私には表情は見えないが、絶対ににやついている。
私は震えながら、それでもとにかく銀さんの言われるがままに言葉を搾り出す。
「お、お…おまんこです…!わ、私の…い、今、ぐちゃぐちゃ言ってるはしたない穴ぁ…!」
「ここを…こうやって」
「あ、あいいいいいッ?!」
「こーやってグリグリしてやると…ほら」
「あ、あああああ、だめだめやめてえええ!あ、あああ、は、恥ずかしい!恥ずかしいのが…あ、あああああーッッ…!!」
言いながら。
私の性器から、小水とは違う迸りが勢いよく噴出した。
ぼたぼたと。
銀さんの腕を伝って、それは布団にいくつもの染みを残す。
「ほらっ!こうやってが潮吹いちまうの知ってるのは、俺だけなんだな?」
「あ、あああああ、そうです、そう、そうなんですぅ…!私は銀さんの…ぎ、銀さんのぉ…!」
噴出した露をもっとほじくり出すように、銀さんは手を休めてはくれない。
それどころかもっと乱暴に、私の性感帯を強く弄り続ける。
「ほら言えっ!お前は誰のお陰でこんなエロい身体になったんだよ」
「あ、ぎ、銀さんですぅ!銀さんの指マンっ!銀さんの指でくちゅくちゅされてはじめてイッたのぉ!はじめて潮吹いたのぉおっ!」
私はいま、とんでもなく下品なことを口にしている。
でも寧ろそれは自分を興奮させるエッセンスになって、性器を弄くる銀さんの指と相俟って私をおかしくしていく。
私は仰向けにされる。銀さんの指は中に入ったまま。
銀さんは指を今度は動かしてくれない。
ただ中の温度を味わうみたいに、じっくり根元まで挿入したまま。
「あぎっ、ぎ、ぎんさぁん!指、ゆび動かしてえええ!銀さんしか知らない私の弱いところをいっぱいいじめてええ!」
…銀さんは、私にたっぷり恥をかかせたいんだ。
死にたくなるくらい恥ずかしくていやらしいことを散々口にさせたいんだ。
…それがおしおきなら、私は銀さんの期待に応えてありあまる、と思う。
なんというか、実に自分は現金な女だとあきれ返らずにはいられないが、全然違ったのである。
私の初めての人は銀さんだ。他の男性なんで今日まで知らなかった。
だからわからなかった。
どれだけ銀さんの指が巧みで、どれだけ私が銀さんを欲していて、どれだけ銀さんから与えられる刺激が強いのか。
そんな考えに身をよじると、銀さんが再び指をぐりぐり動かしだす。
ひとさしゆびとなかゆびを遠慮なしに動かしながら、左手の親指で包皮が剥けてそそり立ったクリトリスにも愛撫を与えてくる。
「あ、あああ…!だ、だめ、そこはだめ…!そ、そこをいじられたら…あ、ああ…お、おしっこが出ちゃう…!」
「へえ…」
そう言うと、銀さんは右手の親指を尿道に押し当てた。
そのまますり潰すみたいに、強い力で私の性器全体をおかしくしてしまう。
「もっかい潮吹いてみ?あ、小便でもいいや。どっちか出したら入れてやるから」
「あ…だ、だめだめだめええっ!は、恥ずかしいのぉ!おもらししちゃうの嫌ぁ…!」
「がイクと小便漏らすユルユル穴だってことも、知ってるなぁ俺だけだよな」
「ゆ、ゆるくないいい…!きもちいいから開いちゃうだけなのぉ…!」
「答えろよ」
ぎり、と、クリトリスに爪が立てられる。
私は痙攣しながら、震える喉で銀さんの言葉に応える。
「ぎ、銀さんだけ…!私の恥ずかしいおもらし…見たことあるのは銀さんだけだよぉ…!」
言うと、ぶるぶるっと太腿が震えた。
頭の中がちらちらと白くなる。
幾何学模様に似たなにかが脳裏に浮かぶ。
ああ、だめだ本当に…。
「あひっ!あひっ!あ、あああああ、いやっ、あ、ああああーッ!!」
ぴしゅっ、と、炭酸のビンを勢いよく開けたみたいに噴き出して。
それから、びちゃびちゃとひとすじを描いて布団に大きな染みを作る迸りに変化した私の粗相が、だだ漏れになっていく。
「お、出た出た」
銀さんが嬉しそうな声を出して、そんな私の様子をまじまじと見ている。
何より恥ずかしいのは、銀さんの腕に思いっきり私の漏らした液体がかかってしまっていることだ。
それが一番羞恥心を揺する。
だというのに銀さんは、あろうことかその私の愛液と潮とおしっこが振りかかった手を自分の口許に持って行って。
「あ、やぁああ!だめ、銀さんだめ、やめて…っ!」
抗議の声もむなしく、銀さんは自分の指を口に含んだ。
それから私に聞かせるように。
わざとらしくちゅうちゅう音を立てて、絡みついた液体を啜った。
「んー、にがしょっぱ」
「い、いや…いやぁ…!」
恥ずかしさのあまりに涙が溢れた。
思わず両手で顔を覆うと、僅かに銀さんが身を横たえるのがわかって。
「ひ…!」
銀さんは、私の脚の間にうつ伏せに横たわって、はしたなく全部開ききった私の性器を間近で眺めていた。
「や、だ…ちょ、銀、さ…っ!」
ああ、この人は絶対やる…と思ったとおりに。
私の性器に口付けて、ちゅうううっと思いきり、毒でも吸い出すかのように強く吸引する。
「や、やあああっ…いぁっ…あ…ま、また…!」
わずかに残っていた液体が、銀さんの口腔に流れていく。
こらえられない。いきめばいきむほど銀さんの唇を意識してしまって、どうにもならない。
ひとしきり私の身体の液体を吸い上げたと思うと、銀さんは唇をちゅっと離した。
「の小便の味も知ってんのは俺だけだよなぁ」
「あ…あ、だ、だって…そんなの…ほ、ほかのひとには…絶対…」
「んー?」
すでに羽織を放っている銀さんは、黒いズボンの留め具を器用に外していく。
外すなり屹立した肉茎が露わになって、私はぐぅと息を呑む。
「はいはい。これからちゃんのおまんこを上書きしますからね」
「う、うわがき…?!」
「どこぞの馬の骨とも知れねー男のもんを咥え込んだんだろうが。ここによ」
「あ、あうっ」
亀頭でぺしぺしとクリトリスを叩かれる。
「それを上書き保存で俺のしか覚えてねえようにしてやるって話」
「…そ、んなん、しなくてもっ…」
「あ?」
自然と口から漏れた言葉に、自分でもすこし驚いた。
でも、屹立した銀さんを見たときには、もうそこから目が離せなくなっていて。
ああ私はあれが欲しい。あれが好き。私を死ぬほど気持ちよくしてくれるあれが、大好き。
「そんなんしなくても…あ、あんなどうでもいい男のおちんちんとは…比べ物にならないもん…!」
「…へー」
「ぎ、銀さんのおおきいおちんちんのほうが…い、いいに決まってる、の…!」
「…ちょい、言い換えてみ?」
「はえっ…?」
銀さんが、私の中に入れようとしていた肉茎を少し遠ざける。
私はその行動に少し慌てる。
もうすぐに入ってくるものだと思っていたから、それを求めて私の粘膜はひくついていたというのに。
「銀サンの、何がいいの?」
「…え…だ、だから…」
「もっとエロく言ってみ?お下劣ぅな感じで…俺にしか聞かせられないように」
「えっ…あ…ああ…だって…だって…そ、それは…」
「言わないなら俺やめるー。一人でセンズリするからいいですぅ」
「え、や、やだ!やだやだ待って!言う!言うからっ…!」
銀さんの気まぐれな表情には本気が混じっているような気がして、私は慌てて懇願する。
銀さんが私に向き直り、台詞を促す。
「え…えーっと…えっとぉ…!」
自分で思いつくかぎり下品な言い回し。口にするのをためらうけれども。
でも、ここまできて銀さんにおあずけされるのは嫌だ…。
「……っ!ぎ、銀さんのデカいちんぽっ…銀さんのデカチンが最高なんです…ッ!」
羞恥で瞳を開けられない。
開けたらものすごくいやらしい目付きをした男が目に入ってくるのだろうし。
ああ言ってしまった、という気持ちも胸の中にじわじわ広がってくる。
こんな、知り合いに聞かれたら絶対軽蔑されてしまいそうな下劣な言い回しを。
「っあ?!あ、ああああぃぁああああッッ!!」
その後悔を押しのける勢いで、銀さんの熱が、私の中に突然めりこんできた。
「ふはぁああっ!あああっ!あ、ああああーッ!」
びくんびくんと、驚くくらいに身体が喜んで銀さんを受け入れている。
「よく言えましたー…って言いてーけど、もうちょい。もーちょい頑張ったら動いてやる」
「そ、そんな…だってもう…あ、あ…だって…ぁあああ…」
銀さんはにやつきを抑えない顔でこちらを見たまま、腰を揺すってはくれない。
その筋肉質な腕で私のぷるぷる震える太腿を押さえつけて、私が自分から動くことも禁じている。
…もう、考える脳みそなんて残ってない。
ただ私は銀さんをひたすら受け入れて悦んでたい。
銀さんが大好き。銀さんに狂いたい。
ならば多少の恥や毒はいっそ香辛料になるくらいじゃないか…。
「っあ、ああああ、やっぱり、やっぱり最高…ッ!銀さんのデカチンは私のおまんこと形がぴったりなのぉ…!」
「…それで?」
「っし、子宮の入り口までもう届いてるのっ!ああ…早く早く銀さんの先っぽで子宮コツコツしてぇ…!子宮口が開いておねだり始めちゃうっ!」
「それだけ?」
「…ああ…中出しもぉ…!銀さんの濃ぉい精液で私のおまんこ味付けしてぇ…!」
「恥ずかしくねえの?」
「は、恥ずかしいよ…!恥ずかしいけどぉ!でもでも銀さんにだったらなにされてもいいのぉ!
っああ、銀さんのばっきばきに反ってるカリ首で私のおまんこ穴ほじほじしてぇ…!」
もうこれが限界、これ以上は思いつかない、というくらいまで言ったところで、銀さんは私にキスをくれた。
銀さんの薄い唇から、いやらしい舌が覗いて私の口腔を蹂躙する。
「んぶっ…んるっ…んちゅぅ…んふ…っ…ああ、銀さん…銀さんの唾ほしい…!」
「ツバ?飲みてえの?」
うなずく。うなずいて、求めるように舌を突き出した。
「ん、んぶるぅっ…!んぶふっ…んぢゅううううっ!」
その舌を押し込むように、銀さんの舌が私の中に入り込む。
そしてその舌を伝って、何度も何度も唾液を送り込んでくる。
「んぢゅるっ…んぢゅっ…ぢゅるっ、ぢゅるぢゅるぢゅるぅぅ…ッ!」
銀さんとのキスは、こんなにも気持ちがいい。
銀さんの唾液はこんなにも美味しい。
もう私は戻れないところまできてしまっているのに、他の男の入り込む余地なんてあるもんか。
「っあ…バカでしたぁ…がバカでしたぁ…!ぎ、銀さんのヨダレ飲むだけで目玉が裏返っちゃいそうなのに…浮気なんてバカでしたぁぁっ!」
そんな台詞が口を付いて出ていた。
生理的な涙がぼろぼろ溢れてとまらない。
大好きな人とのつながりはこんなに気持ちいい。
「だ、だから動いてっ!うごいてっ!っあ、ああ、うごかなくてもいい、私に動かせてっ!腰カクカクさせてええっ!」
もう痙攣を通り越して引き攣れみたいになってきた体の疼きに耐え切れず、私は銀さんに懇願する。
「まだ足りねえよっ…!」
「んぁああぅううううっ!」
銀さんが、ずん、と腰を大きく私に突き込む。
膣に突出した子宮の一部が大きくえぐられて、私は脳みそが真っ白に焼け切るような快楽に身をよじる。
「あーっ…あーーっ…!あ、ああああっ…!」
「俺専用まんこだってもっとバカになんねぇとわかんねーだろ…!」
「んぁああ!ああ、わ、わかってます、わ、かってるぅう!銀さんせんよーのおまんこ穴ぁ…!私のあそこもお口も全部銀さん専用っ…!」
「小便の穴もけつの穴もだッ…!」
「あ、ああいあああ嬉しい…!そ、そうです、全部、全部全部銀さんで銀さんなしじゃ生きていけないからぁ!」
銀さんが私を抱え上げる。
「あ、し、下から突いてっ!子宮ぶち抜いてっ!他の人が使えないように私をぶっこわしてえええ!」
「っは…ボテ腹になるまでやめてやんねえぞ…!」
「っい、いい、産みたいですぅ!銀さんの子供なら産みたい産みたいのぉ!」
「ガキが男だったらお前が筆おろししてやんだぞっ…」
「ああ嫌ぁああ!それはいやあっ!子供でもだめえええ!私は銀さんのちんぽしか受け付けないのぉおお!」
もう自分が何を言ってるのか、銀さんに何を言われてるのかもよくわからない。
「あいっあいっあいいいいっ!いっぱい泣かせてっ!銀さんのおちんちんで突き殺してえええっ!」
身体中がびくびく震えて、銀さんの射精を待ちわびている。
銀さんが奥を一度突くたびに絶頂の波が押し寄せている。
「ふ、ひぃいいいっ!あ、ま、また…!また吹いちゃう…っ!」
ぷしゃっと。
また私の性器から恥ずかしい迸りが溢れる。
「だ…あああ、だめええ…ひっ、ひからびちゃう…うううっ!」
「そりゃいいや。もっと吹けよっ!」
びたぁん、と、銀さんが私のお尻を叩く。
びたんびたんと容赦なく叩かれる痛みすら、今の私の中では快楽に変換される。
「あああぁああっ、な、中出ししてっ!早く早くぅううっ!」
一生懸命力を込めて、銀さんの肉茎を恥部の粘膜で締め付ける。
「う、お…」
「あ、あああっ、ま…またぁ…!」
締め付けた拍子に、またぴゅうと私の膣から潮が吹き出る。
そしてそれとほぼ同時に、求めていた刺激がどくどくと私の中で炸裂した。
「ああひいいい!な、中出しきたああ!びくびくびくうってしてるうう!銀さんのチンチンが脈打ってるよぉ…!」
「っ…最後までゆるめんなよ…!」
「締める締める締めるからぁあ!一滴も銀さんの子種はこぼさないからぁああっ!ああっ…ああ…さ、最高…っ!」
どくどくどく、と、私を撃ち抜くみたいに銀さんの射精が続く。
「あ…っ……あ、く…ぅ」
「……よぉ」
「あっへ…?」
銀さんが、私の中から肉茎を引きぬかずにそのまま私に囁いた。
「…俺の初めても、貰ってくれねぇ?」
「…え…っ?!」
銀さんのはじめて。
その言葉にひどく心を動かされて、思わず銀さんの方を見て瞬きしてしまう。
「他の誰にもしたことねえの。こんなことしてまで自分のモンにしてえって思ったの、だけ」
「……ああ……」
もう、その台詞だけでぞくぞく震えてしまう。
私は一も二もなく頷いた。
「が出した分注いでやっから…!」
「っあ…あ、あいいいいっ…あ、あああああああああっっ!!」
とてつもない違和感と圧迫感に驚愕の声を上げる。
銀さんが私の両足を押さえつけて、肉茎を挿入したまま、中出しで精液を注いだその上から。
私の膣の中に、熱い迸りを注ぎ込んでいる。
「や、やああぁ…あ、ぎ、銀さん…私の中でおしっこ…おしっこしてるぅ…!」
そのアブノーマルさに、身体がおかしなふうに興奮を覚えている。
まるで犬が電柱に小水をひっかけるみたいに…私、マーキングされてる…!
「っう…おおっ…さすがに全部は…」
銀さんの小水の勢いに耐え切れず、逆流してじわじわと布団を汚す染みに銀さんがつぶやく。
「っああっ…ご、ごめん銀さん…っ…銀さんの始めて受け切れなかったぁ…!もらしちゃったぁああ…っ!」
ぢゅる、と音を立てて、銀さんが私の膣内から抜ける。
同時に残りの小水と精液もでろりと逆流してきて、私は慌てて膣を抑える。
「ああいやぁああ…出ちゃう出ちゃう…!銀さんのぉ…!」
なんでか泣き出しそうにまでなっている私に、銀さんがまたキスをくれた。
「っん…んふぅ…!」
「ん…おい、泣くなって」
「らってらってらってぇええ…」
「…いっぺん風呂で洗ってから、また出してやるから」
「はぁ、はぁううう…!」
私はその言葉に充足しながら、やすらかに意識を闇に落としていった。
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もうごめんなさいの言葉も無粋かと思われるクレイジーぶり。すみません(結局謝る)
最近ずっとエロゲーのシナリオ書いてて、そのせいでエロゲースイッチが入ってるらしく、
銀魂映画で銀さん熱が再びわきあがってきたゆえに銀さん書きたい〜と思っても、
なかなか夢スイッチに切り替わってくれずこんなものになってしまいました。
ここまでやってついてきてくれている方はいるんだろうか…。
よ、よろしければそのへん拍手でドピュッと送ってやってください…。
読んでくださってありがとうございました…!