その日、いつもよりは少し早く帰ってきた銀さんは、これまたいつもよりは酔いも浅いようで、
居間のソファにどかっと腰掛けると、銀さんの帰りを待ち焦がれていた私にいちご牛乳を持ってくるようにけだるく命じた。
私は軽く頷いて、冷蔵庫から牛乳パックを取り出して、
とくとくとミルクピンクな色の液体をコップに注いで銀さんに差し出した。
それをぐいっと一気にあおった銀さんは、ぶはっ、と反り返った身体を元に戻して、
空になったコップをへらへら振り回しながら上機嫌に私を自分の横に招いた。
私は少しどきどきしながら、銀さんの傍に腰掛ける。
銀さんはそんな私の肩を抱くと、まるでドラマか何かのような動作で、私のあごにくいっと手をやった。
「酒のせいかねェ、今日はお前が色っぽく見える」
「…喜んでいいの、それ」
「喜べよォ。女が嬉しいと男も嬉しいモンだ」
「…だって、なんか突っかかるんだけど。普段の私は色っぽくない?」
私は少し拗ねて見せた。
しかし銀さんはそんな私など気にかけていないようで、酔っ払い特有の饒舌さでけらけら笑った。
「普段色気出してねえ奴が布団の上でムワッとフェロモン出すのがイイね」
「…私、出てる?フェロモン」
「出てるんじゃねえ?」
「そうかなあ…いつも銀さんにがんがんやられてばっかりだもん」
「いーや、俺ァ積極的な女よりも、イヤイヤ言いながら悶々と恥らう女のほうが好きだから」
銀さんに抱き寄せられたままの私の心拍数は、どんどん上がっていく。
猥談、とまでは行かないだろうけど、こういう色のある話をしていると、脳がよからぬことを考える。
「でも…私は銀さんにも喜んで貰いたいよ」
「喜んでるって。があんあん言ってるの聞いてると、銀さんは嬉しいの」
「…それは、私も一緒だよ」
「あ?」
「銀さんが、「うっ…」とか言ってるの聞くと、なんかすごくドキドキする」
「…あー…」
銀さんは作った無表情でこちらを見た。
…私は、その顔が照れ隠しの現れであることをもう知っている。
気分の高揚に任せて、私は銀さんの身体に抱きついた。
シャツからのぞく胸板に顔をうずめる。
「んー…んーんー…っ」
鼻をすんすんと言わせる私に、何してんだ、と銀さんが問う。
私は充足した心で、その衣服や肌からする匂いにうっとりさせられながら答えた。
「うん…すごく、銀さんの匂いがする」
「当たり前だろ」
「私、好き。この匂い」
「…」
私が喜びを隠さずにそう言うと、銀さんは私の片脚を持ち上げた。
そのまま自分の膝を跨がせる形になって、ようは「膝の上に来い」と要求しているのだ、と私に伝える。
私は身体の重心を銀さんをまたいだ脚に移して、銀さんと対面する形で銀さんの脚の上に座った。
座るなり、銀さんが私の身体をがっちりホールドして、私のうなじあたりに顔を押し付けた。
「あっ、ちょ、く、くすぐったい!」
銀さんの柔らかい髪の毛が首の辺りをこしょこしょとくすぐって、私はびくっとした。
おかまいなしに銀さんは、酔っ払いの悪ふざけも含まれているのだろうが、
犬のように音を立てて私のうなじの香りを嗅いでいる。
「だって匂うぜ。もうオンナの匂いが香ってきてたまんねェの」
「オンナって…そ、そんな匂い…出してないもん」
「俺だけがわかんの。他の奴からしたら無香料の小娘かもしんねぇけど」
そう言って、私のお尻を寝巻きとしている浴衣の上から撫でる。
「やらしい気分になったときだけ、果物みてぇな匂いがする」
「あ、ん……!」
銀さんが、私のうなじをつうっと舐めて、それから舌が這ってきて耳たぶを食む。
甘い痺れに、私はふるふる震えながら、
身体の芯を濡らして熱くする欲望に駆られて、銀さんの膝に乗せている腰を少し揺らした。
銀さんはそんな私の身体を、ちょっと強めに押さえた。
「ここだと神楽起きちまう…布団敷いてあるか?」
「う、うん…」
今日もどうせ遅くなって、帰るなり玄関で倒れるんだろうな、とか思った私は、
もう和室に布団を二人分敷いていた。
銀さんは私のお尻を思いっきり強く押さえて、自分の身体に押し付けるようにして、
それからびっくりする私を抱きかかえたまま立ち上がった。
「わ、ちょ…!」
大きな声が出かかるが、それをなんとかセーブして、銀さんの首元に両腕を回してしがみつく。
銀さんのたくましい腕に心を揺らされながら、和室のふすまが開くのをどきどきしながら見ていた。
「おおっ…と、っと」
「わっ…」
私を静かに布団の上に落とした直後に銀さんが、布団と布団の境い目に足を取られてつまずいた。
酔いも入って身体がぼんやりしているであろう銀さんは、そのまま布団の上にうつ伏せに倒れこんだ。
…それを見て、瞬間、私の中でまたよからぬ感情が疼いた。
銀さんがむくりと半分起きて仰向けになったところで、私は思い切り銀さんの上にダイブした。
おわっ、と、驚嘆の声をあげた銀さんは、けれども私がその身体の上にまたがってキスを求めると、
怒ることもなく普通に応えてくれる。
小鳥のようにつん、つん、と唇を尖らせて銀さんの唇をつついていると、顔を押さえられて、その尖らせた唇ごと食べられた。
ねっとりと温かい舌が唇を舐めて、応えて私が口を開けば口腔の中、上あごの方をねろねろなぞる。
「っは、い、いや…ぁ、く、くすぐったいよ…!」
その不思議な感触に唇を離すけれども、銀さんの身体の上からは落ちないように気を使う。
銀さんの肩に手を回してしがみ付くのと一緒に、銀さんの首筋に唇を寄せた。
さっき胸板から香ったのと同じ、私をドキドキさせる匂いを鼻腔に感じる。
心拍数がどんどん上がっていく。ドキンドキンという高鳴りが、自分の耳と心の中に響く。
銀さんが私の浴衣の帯を少し乱暴な手つきで外したのを合図に、私は銀さんのうなじにかぶりついた。
「ッ!」
銀さんの身体がぴくっとする。
四本の犬歯で甘噛みして、そのまま唇で強く肌を吸う。
ちゅう、と肌が私の口の中で舌に触れて、その味を感じて興奮している自分がいる。
「…おい…」
銀さんがとがめるような声を出すまで、私は銀さんの肌に吸いついて離れなかった。
「っぷぁ…」
「おい、これ…」
「…一回つけてみたかったんだ、これ」
銀さんのうなじには、暗がりの中でかすかにわかる、赤い痕が残った。
改めてそれが私の手によって銀さんに刻印された、ということを自覚すると、
身体の芯がじんわりと濡れた。
嗅覚で、味覚で、視覚で、今日の私は色んなところで銀さんを感じて、快楽を得ている。
「お前…やり返さねーと思うのか、これ」
「えっへへ…」
「こんなんつけて歩いてみろよ、ババアからキャサリンから色んな奴に「あ〜あ」って目で見られんだぞ、俺は!」
「いいじゃん…ついてても」
「よくねーの!ガキはつけたがるけどな、大人になったらみっともねーの、こーいうの!」
「…じゃあ、銀さんは大人だから、つけないんだ?私に」
照れくささが少し混じった顔で、少し残念そうにしてみる。
…実際残念だった。のぼせた今の頭ではそう思う。
身体一杯銀さんにキスマークつけられても全然恥ずかしくない、と。
そんな思いで、銀さんの身体の上で浴衣をはだけさせる。
銀さんはそれを見て、それから紅潮しきった私の頬と、雰囲気に酔っている瞳を見てか、
「…いや、俺は大人だけど、お前はガキだからつける」
そんなこじつけみたいな理屈で、私の鎖骨の上辺りに噛み付いてきた。
甘い刺激。ちりっとした痛み。
銀さんが、さっき私がしたみたいに私の肌を吸っている。
「あ、ん…」
「身体だけは一人前に大人になりやがって…」
「オトナにしたのは、銀さんだもん…」
「、お前ももしかして酔ってる?」
「…うん」
「飲酒は二十歳になってからって言ったろ…マジで酔ってんのか?」
「酔ってるよ…銀さんに」
本当に酔っている。酒ではなく、銀さんとのこの濃密な空間の雰囲気に。
銀さんはそんな今時ホストでも口にしないようなことをのたまう私を、少し顔をしかめて見つめる。
「マジ、酔ってんの?」
「うん…だから、こんなことだってできるよ…」
言いながら身体を滑らせて、ゆるく大きくなりかけた銀さんのそれまで、顔を近づける。
身体は銀さんの脚に添って寝かせてしまった。
ズボンのチャックを開けて、下着から銀さん自身を取り出そうとする私に、銀さんはやや固まっている。
本気で私が飲酒などしていないだろうか、と疑っているのか。
私も自分のこんな積極的な行動に少し驚いている。
いつもはサレルガママ、という状態だから。
しかしその、いつもと違う事をしているという興奮も、私を刺激してさらに駆り立てる。
ズボンと下着をぐいっと押し下げて、ひょいっと銀さんの肉茎を露出させて、さらにはそれに唇を近づけたところで、
銀さん本体も、ようやく止まっていた思考を取り戻したらしい。
私の両頬に手をやって、乱暴に髪を撫でる。
「…そーいや、まだちゃんとにさしたことなかったな…」
「させる、じゃなくて、してもらう、って言ってよ…」
「…あ?」
「私、銀さんに気持ちよくなってもらいたい…いっぱい恥ずかしそうな声とか、我慢してる声とか、聞きたいの」
「お前、そりゃ男のポジションだろ」
「うんん…でも、そう思うんだもん…」
生温かいそれを両手でやさしく握って、それから舌先を伸ばした。
ぺちゃ、と、先端に舌が張り付く音がする。
そのまま舌の先っぽで、つるっとした先端をくるくる舐めていく。
「っう…!」
反り返った裏の筋を一息につうっと舐めあげると、銀さんの身体が、大きく跳ねた。
押し殺した声も聞こえてきて、私は興奮で息が少し荒くなる。
「ん…は、はっ、はぅ、ん…」
息を漏らしながら、銀さんの肉茎全体を満遍なく唾液で濡らしていく。
もう一度先端に唇を寄せたところで、銀さんが私の頭をぐっと押さえた。
「ちょっと…鼻息がくすぐってえ」
「え…ごめん…ど、どうしよ…」
少し苦しそうな顔をした銀さんに、私はちょっと困惑しながら答えた。
銀さんはそのまま口許だけ笑わせて、アルコールのせいで据わった目で私を見る。
「…ヨダレ出してみ?口ン中でクチュクチュって」
「え?え…う、うん…んむ…」
言われるがまま口を閉じて、中で溢れる唾液をくちゅくちゅと口腔に溜めていく。
「ひんひゃん…?」
軽く口の中が一杯になりかけて、唾液をこぼさないように気をつけながら銀さんに指示を仰ぐ。
「で、それ、ゆっくり俺のに垂らすの」
「んえ?いいお…?」
「いいから…ホラ、やってみ」
ちょっと戸惑いながら、口の中に溜まった気泡交じりのよだれを銀さんのそそり立った先端にとろりと垂らしていく。
ゆっくり口からこぼして、全部出し切ったくらいのときに、銀さんが私の手を取った。
「そのまま手でしごく、ホラ」
「え、わ…!」
捕まれた手で、唾液でぬるぬるになった肉茎を握らされて驚く。
そんな私の様子を楽しむように、銀さんは私の手の上から自分の手のひらを重ねて、
強い力で自身をごしごし擦る。
唾液で滑って、その上にちゃにちゃなんていう音が聞こえてくるから、
私は自分の手がとてもいやらしいことをしていることを自覚して、赤くなるよりなかった。
「う、わ…」
私はゆるく握っているが、その上から銀さんが強い力で握りこめている。
思い切り握られて、もうすっかり屹立した銀さんのそれはちょっと痛そうに見えた。
「い、痛くないの…?こんなに強くして…」
「ん…今はこんくらいが丁度いいわ…」
「口でするより…?」
「…今日はな」
そこで、銀さんが前に、酒を飲むと全身の感覚がぼうっとして快感を得難くなる、と言っていたことを思い出す。
そんなことを思い出しながら神妙な気持ちで銀さんの肉茎をごしごし擦っていると、銀さんの手がぱっと離れた。
つられて私も手を離してしまう。
「…もっかいヨダレ垂らしてくれるか?」
「う、うん…」
私がしている行為は、すごくいやらしいし下品だ。
ヨダレを潤滑油代わりにして、男の人の性器をこすっている。
それを思うと、ぞくぞくっと身体が震えて、私は自分の下着がじわりと濡れるのを感じた。
今日の自分は、なんだか雰囲気にこれ以上なく酔っていて昂ぶっている。
私は銀さんの自身を愛撫することを一度やめて、身体をすっと膝立ちにする。
「ぎ…銀さん」
「あ…?」
「一回…一回だけ…私、その…先に…きたい…!」
「…あん?もう一回」
「さ、先にいっちゃいたい…!」
私の身体がぶるぶるっと震える。
私は自分の言ったことに自分で興奮している。
私は下着越しの秘部を、銀さんの硬くなった肉茎に押し付けた。
上からのしかかる、騎乗位みたいな格好で、下着の生地越しに銀さんのそれを挟む。
「あ…んんっ…」
その状態で、腰をぐりぐり振った。
「はぁぅ…やだ…きょ、今日は…なんか…あ、あぁ…!」
銀さんが、私の腰元を押さえてさらに揺さぶりを加えた。
私はそれによって与えられる刺激でもっと震えた。
一番敏感な肉芽が、こうされることで銀さん自身に押し付けられて擦られる。
傍目には普通にセックスしてるような体勢で、
私だけが気持ちいい、銀さんの身体を使った自慰行為に耽っているという不思議な感覚と、
仄かに残る羞恥心で、私はあっけなく達しそうになる。
「あ、あ、あっ…あ、ああ…!」
「お前、相当溜まってた?」
「うンッ…うんっ…したいって…銀さんとしたいって思ってた…!」
普段なら恥ずかしくて言えない台詞も、平気ですらすら口にできる。
「思いながら、自分でしてた?」
「あはぁうっ!そ、れは…!」
「銀さんに教えてくれよォ…誰にも言わねーからさ」
銀さんは、私の普段のようによがる姿にペースを取り戻したのだろう。
さっきのような饒舌さで、私から恥ずかしい言葉を引き出そうとしている。
乗せられてしまえ、そうすればもっと気持ちよくなれる、と、悪魔が囁く。
「あ、ああ、してた…してたよ、いっつもぉ…!」
「おーし…よく言えました…ご褒美にいいこと教えてやるよ」
「あ…え…?」
太腿を、腰が動かないようにぐっと留めながら、銀さんが私の身体を銀さんの身の上に倒させる。
私は銀さんの鎖骨あたりに顔がくる形になって、そんな私の顔を銀さんはぐいっと自分の顔に寄せた。
私の耳に、銀さんがにやつく顔で囁いた。
「…俺も抜いてた。お前とハメるトコ想像して」
「っ!!」
その言葉の意味を理解した瞬間に、身体に甘美な痺れがびりびりっと走った。
身体がひくっと引きつって、もうじゅくじゅくになった下着がさらに濡れるくらい愛液がどろどろに溢れた。
…私は、銀さんの言葉で達してしまった。
「…あ、ん…!」
「お前…ホント、やらしくなると際限ねーよな…」
銀さんが、反動でぐったりと銀さんにもたれかかってしまった私の身体を抱きしめて、
もう用を成さなくなったぐしょぐしょの下着を取り払おうとする。
「今、どんな状況かわかるかよ?」
「…じょうきょう…?」
「お前、オナニーしてイクとこ、全部俺に見られたんだぜ」
「…!」
その言葉に、羞恥心を煽られるよりも先に情欲が脳みそに伝わった。
「あ…でも…」
脳髄ハ、モノヲ思ウニ、アラズ。
私はうわついた、まだふわふわする気持ちのまま、考えもしないことを口にしていた。
「でも…銀さんも教えてくれた…私とするとこ、想像して、してた…って」
言うと、囁かれた言葉が反芻されてまた身体が疼く。
「それが嬉しくて、私…いっちゃった…」
銀さんの身体もびくっとしたのがわかった。
銀さんは、私の言葉で感じてる。
それがわかって嬉しくて、さらに頭の中をわけのわからないことにしていく。
「ね…もっと教えて…銀さん、どんなふうに私とするとこ、想像してたの…?私、どんなことして…?」
「お前、ホントなぁ…」
唾液が気付かぬうちに口の端から垂れていた。
銀さんが頭を掻きながら私のことを見ている。
その顔は喜ばしげでもあり、逆に困ったようでもあり、銀さんは出方に迷っているという風に口に親指を当てて、
それからまた私に囁いた。
「じゃ、は俺とどんな風にするの想像してたんだよ…?言えたら俺のも教えてやるよ」
その口調は、多分、普段の私なら、そんなの言えない!と突っぱねてなあなあにしてしまうだろう事を予想して言ったのだろう。
つまり答える気はない、と。
私はそれを感じ取って、銀さんの思惑通りになるのはくやしくて、半ば自棄で口を開いた。
「…銀さんは、いっつも乱暴に、後ろからしてきて…」
自分で言って赤面する。銀さんの顔を見ることもできない。
…でも、一瞬、私の身体を抱きしめる銀さんの手がひるんだのを敏感に感じ取った。
この際全部言ってやれ―と、やっぱり自棄になりながら、私は続けた。
「私が…やめてって言っても、なんて言ってもやめてくれなくて…私が泣いてもむりやりしてくるの…」
今度は、私の身体の下敷き、今は太腿の下あたりに位置している銀さんの自身がびくりと震えた。
「でも…されてるうちに私もよくなってきて…身体ががくがくって震えて…」
「…オイ」
「…銀さん、どんなに乱暴にしても、最後はやさしくキスしてくれるの…それで…んむっ!」
恍惚とした私が言い続けると、銀さんは続きを言わせまいとでもいうかのように私の唇を乱暴に奪った。
半開きだった唇の中に強引な舌が入り込んできて、私のとろんとした舌を舐めまわす。
「ふぁ、ぁ…」
私が負けじと舌を押し返して、銀さんの舌の裏側をべろべろと舌先でなぞると、
銀さんは私の身体を思い切り強く押さえたまま唇を離した。
「銀さん…言ったよ…だから銀さんのも…教えて?」
うっとりした気分が抜けない私が、銀さんが何か言うより先にそう言うと、銀さんは眉間にシワを寄せた。
「銀さん…?」
私がそんな様子で動きを止めてしまった銀さんに問いかけると、
銀さんは急に身を起こした。
「そんなに知りたきゃ教えてやるよ…うらっ!」
「わ、わ…?!」
急に、銀さんの身体の上に寝転んでいた私の上半身を掴むものだから、私は慌ててしまった。
銀さんはそんな私の、貧相…ではないと思いたいくらいの胸を、両手でぐっと左右から寄せた。
そのまま器用に脚で私の身体をずるずる下ろしていって、屹立した銀さん自身のあたりにやっていく。
「正座して、脚開け…それから俺の脚の下に来い」
「う、うん…」
言われるまま脚を折って、その脚を銀さんの伸ばした足の膝の裏あたりに押し込む。
そのまま寝そべってみて、ようやく私は銀さんの行動の意図を理解した。
「…これ…胸…」
ちょうど横になると、銀さんの股間が胸の真ん中に来る。
そして正座の体勢のお陰で角度がついて、より銀さんのを反り返させているから、
私はとびきり大きいわけでもない胸でも、銀さんの自身を挟むことができそうだった。
「…銀さんの中の私は…いつも胸で銀さんのを…してるの?」
嬉しいような、恥ずかしいような、恍惚に混じってそんなくすぐったい感情が芽生えて、銀さんにちろっと目配せすると、
銀さんは顔を明後日の方向にやって頭を掻いていた。
「…こうされるのが、嬉しいんだね…?」
私は、自分の両手で自分の胸をぐいっと寄せた。そしてその谷間に、銀さんの自身をぐにゅっと挟んだ。
銀さんの温かい熱が胸の肌に伝わる。
それに、挟んだ瞬間に銀さんのそれは嬉しそうにまたびくっとした。
私はもう、恍惚とする頭の中で何も考えられなくなっていた。
口を開いて、銀さんのと自分の手の上のあたりに、唾液をとろりと垂らした。
「ちょ、…っ」
「さっき…銀さんが教えてくれたでしょ」
それから私は、ぎこちない手つきで自分の両胸をずりずり動かした。
銀さんの口から驚嘆の短い声が漏れて、唾液のせいで湿った音がする谷間に当たった銀さん自身は、どんどん大きくなっていく。
「…銀さん…これ…気持ちいいの…?」
「いや…お前がそーやって…いや…いやいや」
「…ん…?」
「あー!もう!酔いも醒めるわ!」
「わっ」
銀さんが身体を起こす。途端に私の薄い胸になんとか挟まっていた肉茎は、ぴょこんとそこを抜けてしまった。
「やっぱ性にあわねえ、される、ってのは」
銀さんは私を押さえつけて、それからごろんと身体を転がしてうつ伏せにさせた。
反発しようとした私の耳に、ふうっ!と息を吹きかけた。
「あ、あぁっ!」
そのくすぐったさにびくりと震えた私の身体にダメ押しするように、
銀さんはさらに耳たぶを唇で挟んで、舌の先っぽでつうっとなぞった。
「あ、ああぁ…いや、や、やああ…くすぐったい…!」
「嘘つけよ…ヌルヌルしてんじゃん」
銀さんの指が、ぐしょぐしょになっている私の秘部に潜り込む。
もう泥濘のようになって、濡れ過ぎてなんの抵抗もない割れ目を、指でぐちゅぐちゅなぞる。
「がいっつも考えてるみてーに…後ろからしてやるよ」
そう言って、下着を簡単に取り払う。
私は抵抗なんてもうまったく覚えず、むしろねだるように、銀さんにお尻を突き出していた。
「ああ…やだ、疼く…びくびくするよぉ…!」
濡れそぼった膣を、銀さんのものが貫いて奥を突くのだと想像するだけで、どうしようもなくぶるぶる震えた。
「なんかもうホントッ…お前ホントな…」
「え…?」
「想像できねーよ…最初の頃からは…っと」
「んうっ!」
呆れるようなニュアンスで言葉を発した直後に、銀さんが私の中に思い切りめり込んでくる。
私の秘部は、待ち焦がれた熱を咥え込んだことで喜びにさらにひくついた。
「あ…ああ…ふ、深いよぉ…!」
犬のような格好にされた私は、獰猛な肉食獣のような身体に串刺しにされて歓喜した。
銀さんの手は私の声を塞ごうとしてか、口許を押さえつけてくる。
「んむ、む、ん、んんっ…んはっ…ア、ああ…!っん!」
ちょっと手を離した瞬間に出た声があまりに大きかったからだろうか、銀さんは慌ててまた私の口を塞いだ。
私は苦しくなりながら、それでものしかかれる快感に打ち震えて、臀部をさらに突き出す。
そこに銀さんが手加減なしに猛った肉茎を突きこんでくる。
汗ばんだ肌同士がくっついて離れる奇妙な音を立てながら、銀さんの抽送はさらに激しくなっていく。
「んんんー!ん、んっ、ん、ん、んんんっ!ン、んぅーッ!」
もともと今日はおかしなくらい感度が昂ぶっていた私は、あっけなく絶頂を迎えようとしていた。
「ン、んんんっ…んんぅぅっ!」
自分の身体が、びく、と大きく跳ねたのがわかる。
それから膣がきゅんきゅんと、緩んで締まってというリズムでひくひく動いて、私は達した。
身体から力が抜ける。
腰を落としそうになったのを止めたのは、銀さんの平手だった。
「あうっ?!」
ぴしゃ、という音を立てて、私のお尻の肉が鳴る。
「俺ァまだなんだよ…っ」
「あ、あ…やっ!で、でも、でもだめ!あ、い、今、すごくびくびくしてて…っ!」
「知るかっ…力籠めとけよ…!」
「い、いやあぁ…!あ、ああああっ!」
絶頂を迎えて敏感に震えるそこに、やっぱり加減をしない銀さんの自身が出入りする。
私は自分を保っているのが精一杯で、いや、いやと口走りながら、後ろから突かれる衝撃に耐えた。
「は、ああうっ!」
「く…お、うらっ…」
ずるっと銀さんの肉茎が抜けたと思うと、すぐにお尻から背中にかけて生温い液体が飛散した。
そこでいよいよ私は本当に意識を保つことが出来なくなり、どさりと布団に倒れ込んだ。
「…最後はやさしくキス、だったよな?」
意識が白濁とする直前、唇に触れた柔らかいぬくもりと言葉だけが、頭の中に残っていた。
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毎度おなじみ、あとがきというよりも懺悔のコーナー。
この夢のために万事家の間取りが知りたくて、JFのフィルムコミック出してきたりしました。
神楽が寝てる押入れは和室にあるんじゃないんですよね〜。
それと銀さんはアニメ・原作含めてナースが好き、眼鏡っ子好き(これは空知先生の好みだろうか…)な感じだったんですが、
それは原作のほうでやってくれるだろうし(誰とは言わない、笑)
前回の夢ではおしりをクローズアップなかんじだったので、
男の夢的な感じで牌刷(読めないよな。ごめんなさい)させてみました。
おっぱいちいちゃくても本文で書いたような体勢になればぱいずりできますよ!ほんと!
…それとどんどん銀さん夢のヒロインさんの淫乱度が増していくんですが。どうしたものか。笑。
最初は「いやいや、でも仕方なく」で、途中から「だめだめ、でもやめないで」になって、
今回なんかもう最初からクライマックス(笑)でオーラ全開です。壊れてます。主に私の脳ミソが。
いや、ほんとすみません。清純なヒロインさんが好きな人ごめんなさい。
でもよりエロくするには、女子の方からの歩み寄りがないとダメなんだよな、私的には…。
読んでくださってありがとうございました。