私はなんだか複雑な気持ちで、椅子に腰掛ける銀さんをじっと見ていた。


…万事屋に例の黒い虫(しかもでかくてテカテカした成長しきった奴)が出て、
虫嫌いな私は大騒ぎしながら部屋の大掃除を提案した。
銀さんはめんどくさそうに、ゴキブ(略)なんて江戸に住んでりゃどこでも出るだろ、と相手にしてくれなかったけれど、
部屋が汚かったのは事実である。
新八君と神楽ちゃんは私の提案に乗って、ソファの上で不貞寝を始める銀さんを放置しながら部屋の掃除をしていた。

そこに突然お妙さんが訪問してきたのである。
「お友達からね、いいお肉分けてもらったの!今晩はうちですき焼しません?」
なんていう、垂涎ものの台詞を持って。

新八君と神楽ちゃんはそれはもう大喜びだった。
私も顔には出さないようにしていたけれどもそれはもう嬉しくて、
「じゃあ二人は今日、うちで晩御飯ね?」と言うお妙さんに、あ、私もご一緒…と言いかけた。

言いかけたのだが、そこで銀さんが、不自然に大きな声でこう言った。

「じゃオメーらは贅沢してこいや。俺とは掃除の続きすっからよ」

私は思わず銀さんの方を振り返った。
その視線は、なんだかモノ言いたげにお妙さんの方をしっかり見ていて、
慌てて私が振り戻ってその視線を受けたお妙さんの顔を見ると、お妙さんは「はいはい」という表情をしていた。

「じゃあ、新ちゃんは下準備を手伝ってちょうだい。神楽ちゃんももう一緒に来て」

言うなり、疑うことを知らない純な二人はドタドタと玄関に走っていった。
後に続くお妙さんは、一度だけ銀さんと私のほうを振り返り、パチンとウインクしてみせた。
…そこで私は、銀さんの台詞の意図を知った。

その時点ならまだ、この男の気持ちには応えず、やっぱり私も行きます!と、
魅惑のすき焼にありつくこともできたはずなのだ。

しかし困ったことに私は、どうにも女なのであり…。
食欲よりも銀さんと二人っきりになったときに訪れるであろう出来事の方に心が強く惹かれていた。
そもそもいつもカツカツな銀さんだって、すき焼は食べたいはずなのだ。
しかも豚肉じゃなくてちゃんと牛肉の。牛すき。
その誘惑をねじふせて私と二人っきりになることを選んだということは、つまり、つまりは、
それ相応のことを期待してもいいんじゃないのかなぁ、なんて思ってしまうのである。



回想終了。私は改めて、椅子に座って机に肘をつく銀さんの事を見た。
私と目が合うと、銀さんはニタァと笑った。
私の身体の芯がきゅうっと切なく締まる。
…食い気より色気だ。

「こないだヅラに付き合って行ってきたんだけど…アレ…なんだっけ…アキ…ア…」
「…アキバNEO?」
「そうそう。そこ行ってきたんだよ」

その都市の名前はよく聞いている。
噂ではメイドさんが接客してくれる喫茶店とか、メイドさんが散髪してくれる美容院とか、メイドさんと麻雀できる雀荘とかあるらしい。
…つまりは娯楽都市なんだろうか、なんて適当に考えていたが、
地下都市だけあって怪しいものの流通なんかもあるらしく、
進んで行きたいとは思わなかった。

「で…行ってきて…どうだった?」

そこで銀さんはまたにたりと笑った。
それから机の引き出しをごそごそやりだす。
私はなんだか、嫌…なのかはわからないが、「何か」の予感めいたものを感じて、ドキドキした。
そしてそれから銀さんがバッと私の眼前に出したものに、目を細めた。

「…え、なにこれ」
「見りゃわかんだろ。エプロンだよエプロン」
「うん…そりゃわかるんだけど…それがなんで?」

突き出された白い布は、実にオーソドックスなエプロンだった。
裾には大ぶりなフリルがあしらわれていて、黒いワンピースの上に着ればちょっとメイドさんぽいかもしれない。

「こういうモンって、探してもなかなかねえんだよ」
「うん…だから、なに?」

目の前のものはエプロン。そして不敵に笑う銀さん。
その二つをいまいち結び付けられなくて、私は戸惑っていた。
その様子を見て、銀さんが椅子から下りて立っている私の傍に寄る。

「ちょ…っ!」

銀さんが私を後ろから抱きしめたものだから、私は身体を思い切りびくっとさせてしまった。
銀さんは回した腕で、手にしたエプロンを私の身体に合わせる。

「コレ、着てくんない?」
「…え…あ、あ、もしかして」

そこでようやく現状把握。つまりは。

「服脱いで、あ、パンツは履いとけ。で、これを着るように」

ハイ、と、銀さんは私からすこし離れてエプロンを私に差し出した。
私はちょっと戸惑う。
…つまりは裸エプロンだ。
銀さんはやっぱりおやじくさいと思う。
手渡されたまっさらな布地と、銀さんの酩酊したように据わった瞳とを交互に見つめてから、
私はごくんと唾液を飲み込んだ。
顔面に血液が集中していく。たぶん私の頬は徐々に赤くなっている。
そして、なんだかゴチャゴチャした考えを押さえ込むと、逆に胃の底から変な興奮が襲ってきて。

「じゃあ…き、着替えるから、後ろむいてて…」
「ダメ」
「だ、ダメって…!」
「俺の目の前でお前が恥ずかしがりながらその格好になることに意味があるの!服を脱ぐ、っつうプロセスもシチュエーションの一部だ」
「う…」

それでも、私、抗えないのだ。
銀さんの太い指が、奥に鈍い光を持つ瞳が、がっしりした胴体が、どんなふうに私を弄ぶのか、
その期待のほうが大きくて、ココロがとろとろにされてしまうのだ。
頭と心はベツモノで、体は心と仲良しで、頭とはまったく別のもの、だって、なんかの本で読んだ。
その通りなのだ。たぶん、私の心は銀さんの好むお菓子みたいに甘くとろけているのだ。
そしてそれを受けて身体もバカ正直に、とろとろになりたがるのだ。

…しょうがないよ。私、拒めない。
ムリヤリ自分を納得させて、私は小さく頷いた。

帯を、ゆっくりほどく。
開けた着物をするっと肩から落としてしまうと、露わになった肌を、銀さんの視線が容赦なく舐めまわす。

「ああ…」

その視線にもどかしくなりながら、ゆっくりブラジャーを外した。

「お、イイおっぱい」

たゆんと揺れた胸を目にして、銀さんがご機嫌な声を上げる。
私はぞくぞくしながら銀さんの顔を見て、自分の胸をぎゅっと持ち上げた。

「…銀さん…」

胸の尖端が、硬い。視線だけで触れられているわけでもないのに、
もう思い切り私の身体は銀さんのものにされたがっていた。

「ホラ、これからが大事だろ」
「…うぅ…」
「後で、な」

そう言って、銀さんはまたいやらしくニヤアと笑った。
私はじらされたような気分になりながら、手にしたエプロンを広げた。
ヒモでリボンのように結ぶタイプではない。
ボタンで留めるタイプのようだ。クロスした布の片方にボタンホールがついている。

「ん…」

身頃を上から被ってから、慣れないけれど、手探りで後ろのボタンを留める。
しっかりボタンが留まったことを確認すると、前掛け部分をばさっと広げて、それから銀さんの方を振り向いた。

「…着た、よ…」
「ヘエ…」

銀さんは、口許に親指を当てて、嬉しそうな顔をする。
そして瞳で、私の裸足の足元から、真っ赤になった顔までつうっと目を通した。
それから私のことをきゅっと抱きしめて、そのままキスを落とされた。

「ん、む…」

遠慮なく入り込んできた舌が、私のよだれの溜まった口の中を味わう。
男の人の、銀さんの舌の味。
ドキドキしながらその舌に応える。
るろるろと舌先で銀さんの舌を舐めて、その味をもっと欲しがる。
銀さんは、私を抱きしめる腕にもっと力をこめた。
それからふ、とくちびるが離れたけれど、私は名残惜しく舌を突き出してそれを追った。

「銀さん…べろ、ちょーだい…」
「ノリノリだな、よォ」

言いながらも、銀さんは舌をぴんと突き出して私にくれる。
私はその舌をくちびるで包み込んで、ちゅうちゅうと吸った。
…舌を吸われるのは、ちょっと痛い。
されたことがあるからわかる。
…でも、銀さんに痛い思いをさせるとわかっていても、私はそうしたくてたまらなかった。
銀さんが強引に口を離すまで、私は銀さんの舌を味わっていた。

「…ココで本気になっちまったら台無しだからな」

銀さんはするりと私の背後に回ると、私を包んだまま歩き出す。
居間を出ろと言いたいらしい。

「せっかくだしよ…この格好で飯作ってくんねぇ?」
「え、え…?」

私はその希望に答えを言えないまま、私とくっついたままぐんぐん歩く銀さんに突き動かされて廊下に出る。
それからクルッと方向を変えられて、そのまま台所の暖簾をくぐらされてしまった。

「ぎ、銀さぁん…!」

私の不満げな声を聞いて、銀さんはしたり顔で笑う。
待ちくたびれるくらいのほうがが喜びも数倍だろ、なんて言いながら。

私は色を帯びた眼で銀さんをしばらく見つめていたが、それでも銀さんが動いてくれないとわかって、
仕方なく、銀さんに背を向けて冷蔵庫を開けた。

…冷凍庫のほうに、炊きすぎて凍らせたご飯と、袋ごとボイルすればもう出来上がりのハンバーグがあったはず。
いつの間にやら万事屋の冷蔵庫の中に詳しくなっていた私は、
そう思って冷凍庫から、ラップに包まれたカチコチのご飯と、
ソースごと冷凍された、料理の手間なんてものを実に容易に省いてくれるハンバーグを取り出した。
…台所の入り口にじっと立って、私のことをまじまじ見つめている銀さんの視線にそわそわしながら、
お鍋に水を入れて火にかける。
ご飯は電子レンジにそのまま突っ込んで、温めボタンを押せばいい。
鍋の中の水が沸騰するのを待っていればいいだけだから、熱中する必要なんてないのだけれども、
後ろを振り返れば銀さんと視線がかちあってしまう。
かちあってしまったら、もう私はどうしようもなくなってしまう。
そう思って、やらなくていいのに水切りにかけてあった食器を拭いたりしている。

…と、そんな手持ち無沙汰な私の後ろから、銀さんが近寄ってくる音がする。
ぎし、と、少し年季の入った床板が音を立てる。
ぎし、ぎし、と、一歩二歩、近付いてくる音。

「きゃ、きゃあああ?!」

私が振り向こうとした直後に、わきの下から太い腕がにゅっと入り込んできて、私の胸を思いっきり揉んだ。
思わずきゃああなんていう、漫画でしか見ないような悲鳴を上げてしまった。
けれどもそんなベタな反応は、銀さんにとっては嬉しいものだったらしい。
驚いて固まって、両腕を中途半端に万歳の形で止めたままの私にかまわず、
エプロン一枚隔てただけの私の胸を、上から包んで上下に揺する。

「あ、あう、銀さん…!」
「んー…「銀さん」ってのなー」
「え?…あ、あっ!」

銀さんが布越しに私の尖った乳首をきゅうっと摘んだものだから、私はくんっと爪先立ちになって銀さんの首元に後頭部を押し付けた。

「せっかくの裸エプロンだしさァ、もっとこう…なんか、グッとくる呼び方ねぇかな」
「っあ、よ、呼び方…?」
「そうそう。ご主人様ぁとかそういうの」
「えー…」

私が嫌そうな顔をしたがわかったんだろう、銀さんは乳首をつぶしそうなくらいの強さでつねった。
私はまたびくっと跳ね上がって、それからしぶしぶ、呼び方、呼び方、なんて半分理性飛びかけの頭で考えた。

「えーっと…じゃ…あ、あなた、とか」
「んー」
「だ、ダメ?…じゃあ…えっと…だ、旦那様」
「おお」

銀さんの声が嬉しそうだ。
それから今度はエプロンの隙間から手を突っ込んで、直に私の胸を揉みしだく。

「いいな、旦那様!って。ビビンてきた」
「そ、そう…?」

胸を弄くる手の温度に脳みそがぽうっとなりかけながら、私は顔を紅くする。
お鍋の中のお湯が沸騰したのに気が付いて、銀さんがすっと手を伸ばしてガスを止める。
…もとより、私にこのまま晩御飯の支度なんてさせるつもりなんてなかったんだ、多分。
きっと台所に立たせるための方便だったんだろう。
シチュエーションフェチなのかなぁ、とかうっすら考えながらも、次の瞬間私はまた大きな声を上げてしまった。

「ぎ、銀さん?!」
「ブー。違います」
「あ、あ、えっと、旦那様…」

どうにも拍子抜けだ。
でも、私は改めて慌て出す。
私を片腕でしっかり抱きしめた銀さんの、もう片方の腕がもそもそ動いたかと思うと、
エプロン以外に唯一身につけている下着の上に、硬くなりきった熱があてがわれたのだから。

「だ、だめっ!パンツ…汚しちゃう…」
「ん?何で汚れんの?」

とぼけた様子で、銀さんは私のおでこに手をやって、前髪をかき上げながら私の顔を覗き込む。

「コイツをくっつけられると、なんで汚れんの?」
「え…え、だ、だって…」

私はしどろもどろになる。
銀さんから視線を逸らして思い切り照れたが、逸らした後も銀さんが私のことをじっと見つめているのがわかる。視線がくすぐったい。

「言ってみ?」
「え…ぇぇっ…」
「なんかこう…エロなカンジで」
「そ、そんなのできないよ…!」

滾った銀さんの先端が、ぐりっと私のお尻の谷間に押し付けられる。

「ぁあ…!」

その熱さに、頭ではなく心のほうはやっぱり正直で、体のほうに気持ちいい陶酔感を与える。

「言わねーと汚しちまうぞ、マジで」

ほら、と銀さんがせかす。
頭、のほうが、下着は一枚しか持ってきてないから汚されると非常に困る、
洗うにしても私の下着一枚だけ万事屋に乾かしてあったら新八君や神楽ちゃんに怪訝に思われてしまう、と考える。
そして、それとは離れたところで、心が陶酔感に任せて、ほとんど勝手に口を開かせていた。

「銀…だ、旦那様の…あ、熱いの、の、先っぽから…ねとねとしたのが…その、出る、から…」

私を抱きとめていた銀さんの身体が、ぶるっと震えた。
同時に、押し当てられていた肉茎もびくんと跳ねた。

「すげー…予想以上に燃えるわ、これ」

震えは、歓喜から来るものだったらしい。
それを知って、私は少しうれしくなる。
私もぶるんっとかぶりを振って身もだえする。
そして、じゅわりと自分の身体の奥から蜜が垂らされる感覚を覚えて、
銀さんのだけじゃなくて、自分の粘液でも汚してしまう、と、慌てて下着に手をかけた。

「…あ…?」

下着を完全に脚から抜いてしまおうとしていたところを、布地が膝下あたりに降りたところで銀さんに手を止められた。

「…片脚にかけとけ」
「……マニアですね、旦那様」

もはやここまで来てしまうと、恥ずかしがることなんてない。
私は言われたとおり、下着を右足からだけ抜き、左足のふくらはぎ辺りにくいっと上げて固定した。

「すげ…マジでヤバイわ」
「え、あ!」

耳元で熱っぽく銀さんが囁いたかと思うと、
その直後に、今度は布が隔てていない生のお尻の肌に、熱いものがぎゅっとあてがわれて、私は思わず声を上げた。
びくっと動いた私を押さえるように、銀さんの片腕が私の肩辺りを強く握っている。
そして、もう片方の手は、銀さん自身を握って、私のお尻のぷにぷにした肌に押し付けて遊んでいる。

「や、やぁ…」

お尻の割れ目を、肉茎が上下する。
その感覚に私はぞくぞくと興奮を覚えた。
すごくマニアックな、普通じゃないシチュエーションなのに、私は拒んだり引いたりするどころかドキドキしている。
お尻にあてがわれる熱がとても心地よくて、それをもっと感じたいと欲深に思って、
お尻をくいっと突き出して、縦横無尽に私の肌を這いまわる銀さんの尖端に合わせて、くいくいと腰を振った。

「なんかさァ…」

銀さんが、痛くないのかな、と心配になるくらい強く先っぽを押し付けながら、私の耳元にまた囁く。

「今日の、すげー積極的じゃね?」
「そ、そーかな…」
「お前もこういうの好きなの?もしかして」
「わ、わかんない…し、したことないもん…」
「でも、すげー腰振ってるし」
「は、恥ずかしいから言わないで…!」

意味なんてないのに、言われて私は自分の両目を手で覆った。
でも、押し付けられた熱の気持ちよさが忘れられない。
もっとお尻に銀さんの肉茎を押し付けて、強く擦って欲しい。
そんな恥ずかしい欲求が心から溢れては、粘液に変わって私の秘部をじゅくじゅくにして、
勝手に腰を突き出させてしまうのだ。

「どーして欲しい?」
「…え…」
「ホラ、おねだり」
「う……」

私は逡巡する。
でも、その僅かな戸惑いを感じ取ってか、銀さんが身を引いて自身を私から離してしまう。
それにおかしなくらい慌てて、私は脳の浅いところにある本能を、
自分の思いつく限りの言葉でコーティングして口にした。

「…だ、旦那様の、熱ぅいの、の先から出る透明なので…私のお尻…ぬるぬるに…」

また、銀さんがぶるっと身震いした。
それに嬉しくなって、私は言葉を続ける。

「旦那様の熱いので…私の肌…あっためてください…もっとくっつけて…べとべとにして…!」
「ヤベ…」

銀さんの、私の肩を押さえる手に、痛いくらいに力が篭もる。
銀さんが、ふん、と熱い鼻息をちょっと漏らしてから、私のお尻の皮膚に、ずるずると先っぽを擦りつけ始めた。

「や、あ…ほ、ほんとに…」

ぬる、ぬる、と、銀さんの尖端から熱いぬめりが滲み出してくる。
それを滑走剤代わりにして、銀さんの熱は私のお尻を滑っている。

「あ…あ、ん…」

私の喉から上ずった声が出てしまう。
にちゃにちゃと音を立てながら、生温い銀さんが擦れる音が、私を昂ぶらせていく。
私は突き出したお尻の割れ目で、にゅるりと逃げ回る銀さんのを捕らえようと、自然と腰を左右に振ってしまう。

「ちょ…お前、ノリノリすぎ…」
「や、やだ…も、もっとくっつけて…!」
「待っ…待てコラ!」

銀さんが私の腰を押さえつけて、それから自身をつっと離す。
理性なんてもう蕩けている私は、頭を振ってそれを嫌がった。

「離さないでっ…もっと…もっと熱いの欲しいよ…!」
「待てってばコラ!お前、銀さん誤爆しちゃうでしょーが!」
「いいよ…いいよ出して…!お尻にべちゃって…旦那様のどろどろひっかけて…っ!」

銀さんの手を強引に解いて、お尻をさらに突き出して銀さんの肉茎をまた押し付ける。

「…ヤベ…ッ」

銀さんがそう言ったか言わないか、その瞬間に銀さんがさっきよりも大きく震えた。

「あ…ッ!」

それから、お尻の上のほうと、背筋の下のほうに、ビチャッと熱いものが跳ねた。
それがどろりと肌を滑って下のほうへ流れていく。

…銀さんの。

そう感じた私の身体も、今までないくらいぷるぷる震えた。

「ああ…ん…」

私は力なく、がたんと膝を崩して、その場にへたり込んでしまった。

「あ…ん…うれしいよ…熱いの…銀さん」

シンクに手をかけて身体を少しずらすと、秘部に自分のかかとが当たった。
そこはもう、それだけでびちゃりなんていう音を立てた。
失せていた羞恥心が少し戻ってきて、伏目がちに銀さんの方を見た。
…銀さんは、ヤレヤレ、とでも言いたげな表情で頭を掻いていた。

「あーあ…やっちまったじゃねーか…」
「……だって…」
「…でも、悪くねえよ」

照れ隠しなのか、私の髪の毛をぐしゃぐしゃっと手で掻くと、
そのまま、銀さんの、熱を出し切ってぐったりした自身に私の顔を寄せさせる。
それだけで、銀さんの意図を私は理解して、身体に篭もった熱に任せて銀さんのそれを口に含んだ。
先端の部分に舌を触れさせると、まださっき出したものが残っていた。
舌先にほろ苦い、それそのものの味がする。
私はそれを、ちゅうっと啜った。

「…ッ…」

銀さんがまた震えた。脚が少しガクッと動く。
吸うと、まだ中に少し残っていたのがわかる。
ちゅるちゅるとそれを全部吸ったところで、銀さんが私の口から自身を離す。

「…口ン中、見してみ?」
「ん、ぁあ…」

口の中には、銀さんの白濁とした液と、私のよだれが混ざったものが溜まっている。
それを私は飲み込む前に、大きく口を開いてから銀さんに見せつけた。

「…おお」
「んぁ…んる、ん…」

銀さんが感嘆した後に、垂れそうになった口の中の液体を、ゆっくり飲み干していく。
喉を通過するとき、鼻に抜ける匂いは強烈だ。
これを美味しいだなんて言える人は多分、すごく変わり者だ。
…でもそれじゃあ、私も変わり者なんだろうか。
美味しい、とは思わない。
でも、ゆっくり喉に絡みながら通過していく粘液と、抜けていくなまぐさい匂いに、すごい喜びを感じている。
私はまた、自分の芯が湿るのを感じた。
当たったままのかかとの裏がもうびちょびちょで、気持ち悪いくらいだった。

…早くこれで、私の内側を思い切り擦って欲しい。
そんな欲望がとめどなく溢れてきて、私はまた銀さんの肉茎を口に含んだ。

「はぷ、ぅ、ん、ん、んぶ、ん…!」
「ちょお待て…歯ァ当たりそう」
「え?あ、ごめんなさい…」

私は口を離して、銀さんの先端を指先で撫でた。

「なァ…動かしていいか?」
「え?」
「お前の口、まんこみたいに犯していいかって聞いてんの」

さっき私がむりやり銀さんに出させちゃったのが、もしかして本当に悔しかったのかもしれない。
銀さんの口調は、ちょっといじわるだった。
…でも、私はそんな銀さんの言葉に身を震わせてしまう。
それから、やられっぱなしもしゃくだから、と、口先だけでも銀さんを喜ばせようと言葉を吐く。

「…うん…私の上のお口…旦那様ので…ずぼずぼってしてください…」
「お前…やっぱ好きなんだろ、こういうの」

銀さんがニタァと笑った。
私は疼きながら、そうかも、なんて答えた。

それから、「あーん」なんて音がつきそうな動作で口を大きく開いて、
銀さんのそれを思いっきり咥え込んで、唇ではさむ。
それを合図に、銀さんが私の頭の後ろを押さえて、ゆっくり腰を前後させる。
自分から進んで唇や舌を動かすのとは違う、強引に熱が口腔を出入りする感覚。
私はちょっと息苦しくなって、鼻息をふうふう漏らしながら、でも銀さんのものが思いきり入るように、
口を開いて、銀さんの腰にしがみついた。

「っは…いいぜ、の唇まんこ」
「んぶ…んん…んっ、んふ…ん…!」

銀さんの形容詞は、思いっきり下品だ。
でも、そんな物言いにさえ反応してしまう自分がいるんであって…。

銀さんのものが、喉の手前までぐっと入り込んでくる。
私の口の中でどんどん銀さんの肉茎は大きく、熱を取り戻していって、
またしょっぱいような滲液の味も舌に広がってきた。

「…っと」

銀さんが私の頭を軽く抑えて、私の唇から自身を引き抜いた。

「はー…ホラ、立てよ」
「う、うん…」

私の唾液でてらてらと光って、くんっといきり立つ銀さんのそれをうっとり見ていた私に、銀さんが言う。
私はのろのろとした動作で立ち上がって、さっきみたいにシンクのふちに手をつく。
そして銀さんにお尻を突き出す形になって、首を捻って銀さんの方を見た。

「あ…ッ!」

銀さんのそれが、私の蕩けきった秘部にあてがわれる。
私はもう何度目かもわからないけれど、身体をびくびく震わせた。

「もう準備万端って感じだな…内腿プルプルしてんぞ」
「だって…あ…っ!」

銀さんが、私の胸をエプロン越しにもにゅっと掴んだ。
その行動に背筋をびくんと張らせた私の秘部の表面を、銀さんの熱い猛りがぐりぐりと滑った。

「あ、やぁ…熱い…あ…」

肉茎は、内側には入ってこない。
執拗に私のあそこの割れ目をずりずりと擦っていく。
びしょびしょに溢れた愛液でなめらかに滑っている。

「や、や…!い、いれて…!」
「ダメですー。…ホラ、今、お前のどうなってる?言ってみ?」

もどかしく腰をふりふりと揺らす私に、銀さんはおあずけを言いつける。
私はどうしようもなく切なくなりながら、銀さんの言葉に従った。

「…濡れてます…わ、私の…愛液でぐしょぐしょに…」
「…で?」
「そ、そこを…だ、旦那様のが擦って…私の敏感なところ…先っぽの首のところがくりくりって…!」
「へえ……恥ずかしくねえの?」
「あ、は、恥ずかしい、けど…でも…でも…っ」
「何?」
「早く…はやく入れてほしいからぁ…あぁ…あ、あそこで、旦那様の、食べたい…熱いの突っ込まれたいよ…!」
「だからお前さ…スイッチ入りすぎ」
「でも…今、また…びくん、てしたよ…銀さんの…」
「…あー…」

銀さんが頭をがりがり掻く。

「じゃ、ホラ…食わせてやるよ、旦那サマの熱っついの。お前の欲張りまんこに入れてやる」
「ん、ぁ、ん…!」

銀さんが私の肉ひだを掻き分けて、膣のいりぐちに肉茎をあてがう。
私はそれだけでもう達してしまいそうになりながら、シンクのふちにやった手に思い切り力をこめて歯を食いしばる。

「あ、あ、あ…は、はぁぁああっ!」

ずん、と、銀さんが思い切り腰を突き込む。
私はびくびくともう、半ば痙攣じみた震え方をしながら、狭い穴を熱で広げられていく感覚に酔った。

「おら、さっきの仕返しだ」
「あッ?!」

銀さんの片手が、震える私の秘部をかきわけて、充血しきった肉芽をつまんだ。

「や、ああ、あ、あ、あああ…!」

その手が容赦も遠慮もなしに、ぐりぐりと押しつぶすような勢いでそれを弄くる。
私は中への圧迫感と、外からの刺激の二つにどうにかなりそうになりながら、
ひたすら悶えて、もう手に力を籠めるのを諦めて、銀さんにもたれかかった。
銀さんは長い腕を私のおなかに回して、それで身体を固定して、そのままずんずんと自身で私を貫いた。

「あ、あ、や、ああ…!きゅうって…きゅうってなってるよっ…!」
「言ってみ…どこがそうなってんだ…?」

銀さんが私を思い切り揺らしながらそう問う。
私はだらしなく半開きになった唇で、垂れそうになる唾液を止めもせずに、
なんとか気力を保ちながら、恥ずかしい言葉を垂れ流しにした。

「ア、あ、あそこ、が、中のお肉が、銀さんの気に入っちゃって…大好きで離そうとしない、のっ…!」
「ッ…!だな…お前の中、ぎちぎち言って吸い付いてくるわ…」
「あっ、ぎ、銀さんは好き?わ、私の中、好き…?」

そう言った途端に、銀さんが私の首を思い切り後ろに向かせて、食いつくようにキスをしてきた。
この体勢で後ろを向かされるのは苦しかったけれども、
降ってきた銀さんのキスはとても情熱的で熱かった。
唇が垂れていた私の舌を拾って、ちゅうちゅうと啜った。
…最初に私がしたみたいに、銀さんが私の舌を根っこからちゅーっと吸う。
やっぱりそれは痛いけれど、今は甘い痺れとなって私の身体を襲う。

「気に入ってなけりゃ、こんなに硬くなんねーっての…!」

口を離して、また私をがくがくと揺らして、吐息交じりにそう言う。
私の膣から、また愛液がじゅくじゅくとあふれ出してくる。
それが肉茎の出入りをスムーズにして、さらに奥まで銀さんが突き入れられる。

「ああああ…!あ、あ、好き、は?好きって、言ってくれないの…?」
「…ッ」
「言って…銀さん言ってよぉ…!私の中も、私も、好きって言って…!聞きたいよ、銀さんの声でっ…!」
「ンなこと言えっか、バカヤロ…っ」
「やだやだ、言ってくれなきゃやだ、あ、ああ、やだよ、あ、ああっ…!」

私はかぶりをぶんぶん振った。銀さんは無言で、身体を揺らすことで自然に洩れている息を弾ませながら私の方を見た。

「じゃ…イクとき、銀さん大好き〜って言いながらにしろよ…そしたら言ってやる…ッ」
「ぁ、あ、言うよっ…大好きだもん、銀さん、銀さんも銀さんのも大好きだもん…あ、あああ、う、んン…!」

銀さんが、中に入っている熱を、私の恥骨の裏側あたりにずるずる擦り付ける。
その動きを徐々に激しくしていって、私の弱いところを容赦なく責めていく。

「ア、ああ、あ、もうだめ、だめ、だめだめだめ…!い、うぅンン…!」

銀さんがくっと歯を食いしばるのがわかった。
私ももう限界だ。身体が突っ張っている。

「あ、ああ…!銀さん、銀さん大好き、好きぃいいいぃ…ッ!」

最後の気力を振り絞ってそう叫ぶ。
同時に勢いよく銀さんが叩きつけられて、私は身体を思いっきり痙攣させながら絶頂を迎えた。


「…俺も好きだぜ。も、のやらしー身体もな」

ぶるぶる震える身体と心で、ぎりぎりそんな言葉を拾った。
私はそれに充足しながら、身体の奥で銀さんの熱が噴き出すのを感じていた。







「ん、ふ、ふ〜」
「…」

今度は服を着た上から白いエプロンをつけて、私は鼻歌まじりに台所に立っていた。

水をまた沸騰させて、その中に冷凍ハンバーグを放り込む。
それからレンジに凍ったご飯を入れて、非常にラクチンな夕食を作っていた。

「ん、ん〜」
「…おい」
「ん〜んん〜ん、ふ、ふ、ん〜」
「オイ聞けエェ!」
「なーに?ぎ、ん、さ、ん?」

私はいきり立つ銀さんに、思いっきり笑顔で応えてみせる。

「お前さ…予想以上にあーいうの、好きだろ」
「ん〜?」
「鼻歌ヤメろ」
「はーい…」
「いっつも終わったあとはむくれてる癖によう」
「え?」

私は思わず、小躍りだった気分をぴたりと止めて、銀さんをじっと見た。

「俺よりもお前のほうがノリノリだったじゃん」
「…銀さん、誤解してる」
「あ?」
「別に私は銀さんのオッさんくさいプレイが好きだったんじゃないよ」
「オッさんくさくて悪かったな」
「…銀さん、好きって言ってくれたもん」
「……」

銀さんは無言で私に歩み寄ると、私の首元を肘の関節でがっちり締めた。

「ちょ…く、苦しい!」
「調子に乗んなよ」
「あ、照れてる…ぐえっ!」


背後で、暢気にレンジのぴぽーんなんて音が鳴った。
それを機にゆるんだ銀さんの腕から脱出すると、トンと足並みをそろえて、それから私は後ろを振り返った。

「…大好き、銀さん」
「…うるせえコノヤロー」












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…下品ですね。
…ええと、あとがきですね。
…下品ですね。
なんかごめんなさい。笑。
銀魂ではこういうお下劣ーな裏を書く事に抵抗がないです。なぜだろう、笑。
読んでくださってありがとうございます!
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