恥にて略す

 要約するとこうなる。
 司書と菊池は『相手を10分間くすぐり続けないと出られない部屋』に閉じこめられてしまった。
 殺風景な部屋だった。白い床、白い壁、白い天井から蛍光灯が無機質な明かりを落とす。
 水飲み場も手洗いもない。壁の一角に重厚そうな扉があり、仰々しく大きな錠が取り付けられていた。
 扉の開閉を支配しているその錠はいわゆるデジタル、菊池よりも司書のほうが馴染みのあるしかけだった。錠の上の部分で赤いランプが点滅し、その隣には思わせぶりに「10:00」と表示される画面。
「たぶん、鍵が開いたら、このランプが緑に点滅する………と、思うんですが……」
「問題は……」
 菊池も司書も、もう現状を受け入れるしかないとあきらめつつある。
 問題はその錠から伸びる太いコードと、その先に繋がれたものだった。
 渡り鳥の羽根を片方だけもいだような形の羽箒。無機質な部屋にあってそれだけ異質なものが転がっている。
 これだけならば、司書も菊池もひたすら首を傾げて悪戯に時間を遣ってしまっただろう。しかしふたりがこの部屋で目を覚ましたとき、部屋の真ん中には文字の記された紙切れが落ちていた。
「…………」
 今は自分の手の中にあるそれを、菊池はもう一度読み返す。
『部屋にあるものを使って相手を一定時間責め抜くこと』

「よいしょっと……」
「う……い、いきますよ」
 扉の前に二人で座り込む。司書が狼狽しきった顔で羽箒を手にし、靴を脱いだ菊池の足に添わせた。
 なんとも間抜けな……とも思うが、水も食料も手洗いもない部屋にずっと滞在しているわけにもいかない。時間も力業も、この部屋の鍵を開けてはくれない。業腹ながらも指示に従うよりないのだ。
「う、うわっ」
「くすぐったいです……?」
「そりゃあな……ははっ、あ、おい、はははっ♡」
 いけないと思いつつも、笑いながら司書にくすぐられた足を引っ込めてしまう。そもそもあまり乗り気でない司書は、そんな菊池をとがめることはせず……ただ不安げに、錠に表示される数字を見上げた。
「あ、数字が動いてます! カウントダウンなのかな……?」
「おお!」
「あ、あれ……あれ? また戻っちゃった……10:00って」
「ふぅむ……途中でやめると数えてくれなくなるのかもな」
「え……それじゃあ、ずっと続けて……これで…寛先生を、こちょこちょしなくちゃいけないんですか……?」
 というわけである。二人は『相手を10分間くすぐり続けないと出られない部屋』に閉じこめられてしまったのだ。
「や、やっぱり無理です! そんなことできない! 先生をくすぐるなんてっ」
「しかしなぁ……アンタがしてくれないとなると」
 二人であれこれと試行錯誤する中で、『自分で自分をくすぐる』という反則めいたことも試したが、やはりそれは反則扱いらしくタイマーは無反応だった。
 箒を持つ者とは異なる者の肌に羽の先が触れて初めて、時間のカウントが始まる。
 菊池も司書も、長時間他人からくすぐられるという行為が児戯を通り越して拷問だという事実に察しがついている。
 だからまず菊池は自分が犠牲になることを提案したのだが、司書はどうしてもそれを完遂できない。
 となると菊池がやるしかなくなる。司書を、この愛しい女を自分の手でこそばせて、苦しさを味わわせるしかなくなってしまう。
(いや……それもそれで……いやいや)
 なんだか下半身を心地の良い感覚が走り抜けていくのが気がかりだった。いやそんな。可愛くて可愛くて、目に入れたって痛くもない司書を痛めつける行為に、どうして興奮せねばならぬというのか。
「……先生っ。お願いします。私をくすぐってください!」
「いや、でもなぁ……それは……」
 そんな菊池の逡巡など知らない様子で、司書はきっ、と生真面目な顔を作って決意を口にする。
「こんな場所からは、絶対出なくちゃいけません。どちらかが犠牲にならなくちゃなんです。でも私には、先生をくすぐる勇気がない……」
「…………」
「先生にお願いするしかないんです! 嫌かもしれませんけど、お願いします、どうかこらえてください……今このあいだだけ、優しい寛先生じゃなくなって……ううん、違います……ね」
「お嬢……」
「先生は優しいから、状況を打開するためにひどい人になってくれますっ。どうかお願いします、私をくすぐって……!」
「……わかった。俺は心を鬼にしてお嬢を責める。アンタもこらえてくれよな」
「はいっ」
 実に滑稽な契約が交わされて、菊池は羽箒を手にした。司書はもぞもぞと、靴と、身につけていた黒いストッキングを脱いでいく。
「さあ、お願いしますっ」
「おう。……ああ、お嬢の足は柔らかくていいな」
 なまめかしい白さを持つ彼女の足を手に取ると、思わずそんなことを口にしてしまう。これを堪能するのはこのけったいな部屋から脱出してからだ……そう思いつつ、司書の足の裏に羽箒をあてる。
「んっ……」
「いくぞ」
「は、はい……んひぃっ♡ ひっ、ひっ……あっ、ふ、ふうぅっ……♡」
 司書の様子、それから錠のタイマーを伺いながら、二度三度と足の裏を撫でつける。司書はびくりと震えたが、唇をぎゅっと噛んで刺激に耐えていた。
「お……動き出したみたいだ。このまま続けるぞ…大丈夫か?」
「は、はい……続けてください……んっ、ふ、が、我慢、しますから……あぁっ♡」
 羽先で土踏まずを何度かつつくと、司書の鼻から湿っぽい吐息がこぼれた。唇は相変わらず噛みしめたままだ。
「そんなに噛んで、破れちまうだろう」
「うっ………く、くうぅぅっ♡ だ、だって……うぐ……わ、笑っちゃう……くっ、だめだから……♡」
「笑っていいと思うぜ。くすぐったいことをしてるわけだしな」
「く…ふ、ふぅぅぅっ……♡ い、一度笑ったら…も、もぉ、おさえらんなくなっちゃう……気が、しへぇぇっ♡」
 ふと、菊池の中で悪戯心が芽生えた。
 刺激の方向性を変える。土踏まずとかかとを往復するばかりだった羽箒を、ふいに足の指の間に向けた。そのままクシュクシュと羽で皮膚をもてあそぶと、司書の身体は大きく震えた。
「ひいぃいっ♡ あっ、あふぁっ、せ、せんせえぇっ♡ や、やめ……うぐ、く、くすぐった……あ、うぐっ、ぐうぅぅ♡♡♡」
「おお、耐えるなぁ……これはどうだ?」
「あっひっ! ひぃっ! ひゃっ、あひっ、あっ、あはっ、あははははっ! だめ、あっ、あぁぁ~~~っ♡♡♡」
 指の付け根を何度もなぞると、司書は耐えきれなくなった様子だった。口を開けて大笑いすると同時に、くすぐったさから逃げようと足を引っ込めようとする。
「おっと。逃げられちゃ困る」
「ひぃっ♡ あっ、あ゛っ、いやっ、あっ、ひぃっ、せ、せんせ、も、もぉっ、やめてぇぇーーっ♡ あっはぁ、あは、あはははっっっ♡」
 床の上で悶える司書の胴を、片腕の脇に押さえ込む。それでも司書はじたじたと暴れたが、か弱い彼女の身体など、男の菊池が本気になってしまえば簡単に封じられてしまう。
「ひぃっ、ひっ、ひぃいいいっ♡ あはっ、あははははっ♡ いひぃいいっ♡ せんせぇっ、ア゛ッ、こりぇっ、こりぇぇっ、く、くしゅぐれば、いいんれしょぉっ♡ わっ、笑わせなくても、いいんれしょぉおおっ♡♡♡」
「まあ……そうだな」
「ら、らったらなんれぇえっ♡ なんれ、なんれこんなにひゅるんれひゅっ、あひひひっ、あはっ、あ、あははははっ♡ あぁ~~~っ♡ らめ、らめ、おかひくにゃるうぅ~っ♡」
「俺の中にも嗜虐心ってのがあってだな……」
「くふふふふっ♡ ふはっ、あっ、あははは♡ ひ、ひぎゃくひんっ♡ ひひひっ♡ あっ、あはぁ、あ、はぁ、ははははっ♡ ひやあっ、ひゃめへぇぇ~~っ♡♡♡」
「いつもお淑やかなお嬢がこんなに乱れてるのを見たら、やめられなくなっちまうよ」
「みだれっ……ふぁっ、あひっ、あひぃぃっ、あはははっ♡ だめ、らめ、あえぇぇっ♡ ゆびのあいらはらめえぇぇぇっ♡♡♡」
 実際菊池は、激しく興奮していた。司書が嫌がるのも、狂おしい地獄の中にあるのもわかるのに、それでもこの責めを止められなかった。
 涙に涎、その上洟まで垂らしながら乱れる司書の姿に、どうしようもなく高揚させられる。このままこの女を自分の腕の中でおかしくしてしまいたい。狂わせたい。もっともっと乱れさせたい。そんな欲望が菊池を突き動かしていた。
 親指から小指まで、足の間をていねいに一本ずつ撫であげていき、その刺激が一瞬飽和状態になった隙を狙って土踏まずをくすぐり尽くす。
「ひっ、ひっひぃいいっ♡ せ、せんせえ、鬼れふぅっ♡ ひどいひとぉっ、あっ、あ、あはははっ♡ あっはっ、あっ、あーーーーっ♡」
 菊池の巧みな手つきに、司書は完全に翻弄されていた。
「ゆっ、ゆぅぅっ、ゆるぢでぇぇっ♡ せんせえぇぇっ♡ やさしい先生にもどってえぇっ♡♡♡」
「無理な相談だな…悪いがやめられそうにない」
「ひぃいっ♡ どうぢでぇぇえっ♡」
「アンタが可愛すぎるからだな……」
「ひぎっ、ひぐっ、うぐっ、うぅうぅっ、か、かわいくないれひゅぅっ、アッ、ア゛ッ、あはああぁぁ~~~っ♡」
 じたばた暴れる司書を押さえつけながら、菊池はふと彼女の足のつけ根に目をやった。膝丈のスカートがめくれあがって、白い下着が露わになっている。菊池の目を奪ったのはそのクロッチの部分で、ただくすぐられているだけだというのに、中の陰毛と粘膜が透けるくらいぐっしょりと湿っていた。
「なんだ、アンタも気に入ってるんじゃないか」
「はひっ、はぁ、はぁ、はぁあっ……な、なんれふ、かぁっ……♡」
「くすぐられるのが気持ちいいのか?」
「ういひっ、き、気持ちよくなんかぁ……!」
「正直になりな」
「あ゛っ?! あひぃっ、ひっ、ひぃいぃいいーーーーっ♡」
 再び足の指をクシュクシュといじり倒しながら、司書の足の間がさらに濡れていくのを眺める。どうにかここも責めてやりたいと思いつつも、今はこの部屋を抜け出すことが先決だ。
 が、それでも諦めきれない菊池の脳裏を、悪魔的な発想が閃いていく。
「お嬢、ほら。自分で弄るんだ」
「あ、ふぁっ……?」
「自分の手で気持ちよくなるんだ。できるだろ?」
 ばたばたと行き場なく暴れていた彼女の腕を、自身の股間に添えさせる。狂乱の中にあった司書の顔が羞恥に染まり、にわかに正気を取り戻したように揺れたが、そうはさせない。
「そんっ……あっ、ひっ、ひひひひっ♡ ひやあ、あっ、あっ、もうくすぐらないでぇぇっ♡」
 彼女の思考に再び靄をかけるように、足の裏を責める。柔らかなかかとを、円を描くように撫でていく。
「あははははっ♡ あはっ、あはぁっ、あっ、し、しましゅ、ひまひゅからぁっ、ゆ、ゆるめて、くしゅぐるのゆるめてえぇっ♡」
「いい子だ」
「んっ、んっ、んうぅうっ……あっはっ、はぁっ、あっ……ん……♡」
 司書が自分で、下着の上から粘膜をまさぐり始める。
 菊池はその仕草を堪能しようとわずかに手を緩めたが、完全にやめることはしない。そんなことをすれば、せっかくここまで積み上げてきたカウントダウンがまた振り出しに戻ってしまうのだから。
「ふぅうぅっ……あっ、あっ、ああぁぁ……んっ♡ ふぁ、あっ、きひぃっ、き、気持ち……いい、れすぅ……♡」
「……っ」
 司書の指が陰部の頂点、いつもは菊池が責め倒すあえかな肉芽をひたすらに擦り立てる。
 普段の彼女ならば、菊池の前で自慰を披露するともなればもっと逡巡して、控えめに手を動かすのだろう。それがこうして、責め苦で正常な思考を奪われているともなれば乱雑な、ただただ快楽を求めるだけの獰猛なものになる。
 その仕草にどうしようもなく昂ぶりながらも、今すぐに彼女の中に押し入るわけにはいかない。そんなジレンマは、菊池の責めの手を再度加速させる。
「あんっ……あっ、あっひぃっ♡ ひぃっ、ひっ、ひひゃあぁあっ♡ あっ、ひっ、ひぐっ、ううぅううぅ~~っ♡ く、くしゅぐるの、やめへぇぇっ♡ ひろいれひゅぅっ、わらひ、ひっ、じぶんで、しへるのにぃいっ♡♡♡」
「もう少しだ。ほら、あと2分っ」
「ひゅぐっ、ううぅ~~~っ、ひぃっ、アッ、ハッ、ああぁぁあっ♡ きひぃっ、き、気持ちいひぃのと、く、くしゅぐったいのぉぉっ、あ、頭の中がぐちゃぐちゃっ♡ ういぃっ、いひっ、いひいいいぃっ♡」
 司書は笑い転げて身をよじりながらも、自慰の手を止めようとはしなかった。彼女自身が異常な昂奮状態にあるのが菊池に伝わってくる。くすぐったさとそれがもたらす混乱と陶酔、その中に自慰の快楽が放り込まれて、司書はもはや正気ではなかった。
 ありとあらゆる液体でぐじゅぐじゅの顔の中で、いつもは優しい光をたたえている瞳は白目を裏返してあらぬ方を向いていたし、つんと小ぶりな唇からは舌が躍り出て、こんな表情を菊池に見られたと冷静になった彼女が振り返ったときには、きっと羞恥のあまり泣き出してしまうに違いなかった。
「お嬢……つくづくアンタは最高の女だよ」
「ひひっ♡ ひぃぃっ、あひっ、あっ、あははははは♡ あはぁあっ、も、もおゆるぢでえぇっ♡ おゆるじっ、お許しぃぃいっ♡」
 きっと彼女は自分の発している言葉ももう理解できていない。
 しかしそれがいいのだ。菊池は司書をいっそう愛しく思う。彼女が理性をなくし、動物のように乱れれば乱れるほど心を打たれる。そうなればなるほど、彼女の純粋さに触れるようだった。自分の知らないところで司書が生まれ、悲喜交々の経験をしてきた。そこに微々たる悔しさを感じなくもないのだ。この女が生まれて死ぬまでをすべて己のものにしたいという猛烈な愛欲が菊池の中にある。
 そのどうしようもない昂ぶりが、すべてを取り払って菊池の与える快楽に打ち震える司書の姿を見ているとスッと解脱していくのがわかる。自分と司書は今無垢な魂として結びついており、そこに嫉妬心など介入する余地がないと思える。
「いっひぃいぃっ♡ んおぉおおぉっ、イグッ、アッ、せんせえぇぇっ♡ わらひおかひくなったあぁあっ♡ くすぐられてイグうぅぅっ、イッぢゃううぅうーーーーーっ♡」
「それはいいな! ……イクんだ、おらっ♡」
「ひっ、アッ、あっ、あはあぁぁぁあぁっ♡ ひぎっ、ひぎゅううぅぅーーーーーーっ♡♡♡」
 司書の身体が絶頂に打ちのめされて仰け反った瞬間、ガチャン、と大きな音が響いた。司書の予想通りに、扉の錠のランプが緑色に点滅する。
 鍵が開いたのだろう。
 この部屋が一体どこにあって、どのような目的で作られ司書と菊池が連れ込まれたのか、その考察はここを出てからだ。
 そんなものよりもずっと大切なことが今、菊池の目の前にある。
「あひ……あ……ふあぁ……あはぁ……あ……う……♡」
「よく頑張ったな、お嬢。扉が開いたみたいだ」
「う……ふ、あ……♡ う、よか……った、れす……うぅ……」
「けどな、お嬢がここから出られるのはもう少し後なんだ」
「え……? ろ、ろ…ろうひへ……」
「それはな」
 もはや取り繕う必要もない。菊池はズボンと下履きを取り去って、脱力しきった司書に覆い被さった。
「ま、待っへえぇっ♡ 待ってくらひゃい、と、扉、鍵っ、閉じちゃうかもぉっ! こ、ここまれがんばったのにひぃっ…無駄になっちゃううぅっ……♡」
「そうなったらまたくすぐって開けてやるから、安心しな」
「イ゛、イ゛ヤ゛ぁぁぁ……あんなくるひいのもうぜったいいやらあぁ、あっ、やめ、あっ、あああぁぁ~~~っ……♡♡♡」
 司書の粘膜は、いつも以上に熱く湿っていた。それを肉茎で味わって、菊池は自分の足の指が引きつるのを感じる。
 こんなに気持ちのいい穴を知ってしまって、自分はもう司書を失ったら生きていけないのではないか。そんなことまで考える。それだけ司書の肉穴と、ねばつく愛液と、菊池を受け入れて離したがらない意志は強烈だ。
「へ、変れすぅっ♡ いつもよりおぐぅ、おぐ、おぐに入ってるうぅっ♡ おまんこ、奥まで開いてるうぅっ…先生のおぢんぽの先、わかるうぅっ♡」
「く……う、確かに……俺も感じるよ、いつもより深いところに当たってるな……♡」
 なにも彼女に合わせて出任せを口にしたわけではない。本当だ。
 司書の肉穴はどこまでもほぐれて、底がないのかと錯覚するほどだった。それなのに十分な締めつけがある。出し入れするたびに根本からしごき上げられて、鈴口から先走りが噴きこぼれる感覚があった。
「イッ、イクっ、あっ、イクうぅぅーーーーっ♡♡♡」
 腰を振り立てて膣穴を何往復かした時点で司書が限界を迎えた。絶頂しやすい彼女の、いつも通りの反応だ。膣穴がぎゅうっと絞られて、菊池の喉から恍惚の声が漏れてしまう。しかしここで粘膜の擦り合いをやめたりしないのもいつも通りだった。
「いひぃっ、あっ、アッ、ひぐぅっ、あっ♡ あっ、あっ、ああぁぁっ、イッてるのにひぃっ♡ せ、せんせぇ、いじわりゅうぅっ♡」
「意地悪なのが好きなんだろ? くおおっ……♡」
「おぉっ、おんっ、おぉ~~~っ……♡♡♡」
 膣の天井を押しつぶすように腰を持ち上げると、司書がうっとりと仰け反った。
「ハァ……っ、く……今日もたっぷり中に出してやるからな♡」
「はひぃっ、あっ、だ、出してえぇっ♡ 寛先生のミルクぅっ、私のおまんこにっ……んんんっ……♡」
 やはり司書はいつもよりも昂ぶっている。普段なら恥ずかしがるあられもない言葉を平気で口にして震え上がり、さらに昇りつめようとしている。そんな様子に菊池もだんだんと我慢がきかなくなる。この愛しい存在に自分の精をぶちまけて、粘膜の内側を汚しきることしか考えられなくなってしまう。
「イクぞ……あぁ、お嬢……!」
「ひあっ、あっ……ああぁああぁぁあっっ♡♡♡」
 菊池が果てるのと同時に、司書の身体がまた狂おしく震え上がった。ふたりで迎える絶頂の深さに感じ入りながら、放液と痙攣が治まるのを待つ。
「あ……」
 ガチャン、と再び大きな音が響いた。錠のランプが緑から赤へと変化する。しかし菊池にとってそれは、祝福のように思えてならないのだった。