在ポルトガル日本大使館 テロ対策?大使館って案外冷たいのね・・・
在ポルトガル日本大使館は、きわめてわかりにくいところにある。
道行く人に聞いてもピンとこない様子。
何度も行ったり来たり、うろうろした結果、ある高級そうなホテルの受付で尋ねてみたところ、「隣のビルの6階にあるよ」と教えてもらった。
大使館というからにはひとつの建物なんだと思っていたけれど、ポルトガルにある日本の大使館はビルのテナントの一角にあるらしい。
エレベーターに乗って六階へ。
エレベーターホールに到着して驚いた。密室で無人。
右を見ても左を見ても、アクリルの扉があって鍵が閉まっていて、外側に警備員がいる。
よく見ると正面にインターホンがあったので押してみた。
ポルトガル語での問いかけだったが、日本語で返したところ、応対を日本人に変わったらしく、日本語が聞こえてきた。
「何の用事ですか」
「えっ」
とたんにガイドブックをなくしたくらいで大使館に来てしまった自分が恥ずかしくなった。
「えっと、ガイドブックをなくしてしまって・・・」
インターホンの日本人の話によると、身分証明を持ってこないと大使館には入れないらしい。
その受付が一階にあったようだが、通り過ぎてきてしまった。
一階でパスポートを提示し身分証明の紙をもらって、インターホンのテレビに向かって差し出すと、左側の扉が開いた。
まるで空港みたいな身体チェックをして、荷物全部を預け、やっと大使館の受付に来ることができた。
大使館の窓口(これも相手の顔は見えるもののアクリルガラスで遮断されている)に「ガイドブックをなくしてしまい、これから行く町への交通手段や町の情報がわからず困っている」と話した。
パスポートをなくしたりややこしいことではなかったことに、日本大使館職員も胸をなでおろしたようだったが、同時に、そんなことで相談に来る人は今までにいないみたいでどう対処してよいか戸惑っている様子だった。
「それで、旅の目的地は?えっ?宿とってないんですか?」
とたんに男性職員の顔が心配顔に変わる。
だ・・・だって、どこに行くか、着いてから決めようと思ってたんだもん・・・。
何はともあれ、職員の一人が個人的に持っていた『地球の歩き方』をコピーしてもらうことになった。
一番ほしい情報は移動手段の情報と宿。後は都市情報
正直、町に一歩でて、どっちに行けば何があるのかもわからないのだ。
世界遺産を訪れても、日本語で説明がないとありがたみがわからない」
バスターミナルと地下鉄の場所と利用法、とりあえずいくかもしれない『エヴォラ』『ロカ岬』『モンサラーシュ』のガイド、ホテルのページ。
・・・一番ほしかった情報はこれで手に入ったかも!助かった〜
危ないところには行かないでくださいと念を押され、パスポートのコピーをとられて送り出された。できればもう利用したくないな
大使館って、もっと開かれた施設なのかと思ってた。
ポルトガルのことについて日本語で書かれた冊子や簡単な地図なんかもおいているんじゃないかなと気軽にきてしまったけれど、そういう気安い場所ではないみたい。
あとから考えると、ユースホステルに行けば、同じもの(歩き方コピー)が手に入ったかもしれないけど、とりあえず日本人に会おうと思ったのででかけていったの。
ほんとに日本人に会わないんだもんん。ポルトガル。
よく考えれば、今までアジア旅行では、日本人ツーリストに会わないことはなくて、日本人ってどこにでもいた。訪ねようと思えば気軽に何でも聞くことができたし、日本語をしゃべる現地の人も多くて、情報はあふれてた。
ポルトガルではそうはいかない。
『ポルトガルのガイドブックを手に入れよう』
と思って本屋にも行ってみたけど、日本語のものは一冊もないばかりか、英語のものも探すのが難しかった。
まずはポルトガル語の本。そしてそのスペイン語訳は比較的そろっていた。
あとはフランス語、イタリア語、ドイツ語があって、やっと英語訳。
いろんな言葉でのバリエーションが必要なため、よく見ると本屋にたくさんの種類の本はない
あとから聞いてみるとポルトガルに住んでいる日本人て80人くらいなんだって。日本語書籍のニーズがあるわけないんだ。
でも本屋に「日本」についての本が平積みされていた。
来年はポルトガルと日本年らしい。でも本の表紙には番傘を持った中国の少年のような挿絵があって、かなり日本と中国と韓国を混同している。
町でも、日本がどこにあるのか知らない人は多かったものね・・・これ、本当の話。私だって、ヨーロッパのどこにポルトガルがあるのか、来るまで知らなかったからおあいこか。