音 楽

 

722から192へ

お前、音楽に何だかすっごく造詣深いみたいじゃん。
バルジファルとか言うと思えば、一転して60年代のロックとか言うし。
俺はヒットチャートをテキトーに聞くだけなんで、正直お前が何を言ってるか解らん。
もっぱら車の中でノリのいい曲ばっかりテキトーに選んでBGMにしているだけだから。
でもちょっとしたサラウンドシステムが付いているんで、ボリュームあげて、
外に音が漏れているのを意識しながら、車をブッ飛ばすのは気分いいんだけど、
これも音楽による一種の癒し?

で、質問。 お前にとって音楽って何?
古いロックのどこがいいの?
音楽ってそんなにいい?

ところで、お前の音楽の知識、小説ではちょこっと使わせて貰ったけど、
元々ジェラール坊やのモデルはお前だから構わんだろうな

 

 

192から722へ

小説で使うのはぜんぜんかまわんよ。俺だってわからんことはおまえに聞くんだから。
つか、先生、あの、ジェラール君、非常に恥ずかしくて直視できないんですが。
なんつーか、先生の僕にたいする愛情を感じすぎてしまって…。

音楽は気がついたら好きだったから、何っていうより、俺の個性のひとつなんだろう。
俺は、勉強はやったわりにできなかったんだけど、楽器はなぜか上達早いんだよ。
ちゃんと習ったのはピアノとクラシックギターだけど、
どっちもあっというまだったぜ。
そのかわり根気がなくてさっさとやめちゃうんだけどな。

高校のときバンドやってたんだけど、
そのつきあいで相当年上の
人たちに可愛がってもらっててな、
しかもアングラ気取りだったんで、みんなマニアックなんだよ。

その影響で古いの知ってるの。

それに同年代の友だちいないし、俺は斜にかまえてるから、
はやってるようなのにはあんまり興味ない。

音楽にしろ他の分野にしろ、60年代って時代を背景にした
メッセージ性の強いサブカルチャーが一気に吹き出したでしょ。
よくも悪くも、あんな時代は他にないんだよ。
そういう意味では70年代のパンクムーブメントも特別だな。
俺はどうしても根源的なものにひかれる傾向があるから、
選ぶ音楽もこのあたりに落ち着くんだろうな。

>外に音が漏れているのを意識しながら、車をブッ飛ばすのは気分いいんだけど、
>これも音楽による一種の癒し?

この場合の音楽は、癒しっていうよりも
ナルシーの快感にひたるための小道具だと思うんだが…。
まあ、ナルシーなおまえの場合、ナルシーにひたるのが癒しなんだろうな。
俺の癒しミュージックはワグナーだよ。
全楽章聴いたりワグナー論語るようなマニアじゃないけど。
単純に、オナニーのときワグナーかけながらやると、
それはもう気持ちよく抜けるのでございます。

 

 

722から192へ

あ、愛情ですって?ったく。ま、いいけどさ。
ジェラールたんは、本来萌えキャラじゃないから、あんまり期待しないでね。
ナ、ナルシー?これも失礼しちゃうわ。
「オマエモナー」を慎んで進呈しますわよ。

さて本題。
音楽って不思議だよね。
映画とかでもテーマ曲やBGMなどが、そのイメージ作るのに大きな力持つ場合もあるし。
それに気分により聞きたい曲が変わるんだよね。
いくらナルシーでノリのいい曲かけて車転がすのが好きでも、落ち込んだ時は、
さすがにそんなことしないもんな。
暗〜いのをかけて更に落ち込む。

60年代ってそんなに凄いのか。ビートルズやストーンズなら知っているけど…
あまり音楽って俺の中で大きなウェート占めてなかったけど、こうして考えてみると
なかなか面白いように思えて来た。じゃ、坊やにいろいろ教えて貰おうか。

でさあ、何でおなーにするのにワグナーなの?
ワグナーってったら、タンホイザーとか、ヴァイエルン王国のルードヴィヒの寵愛とか、
いわゆる王侯貴族の音楽っていうイメージなんだけど?
後は、リストの娘コジマの亭主とか、第三帝国のテーマっつーイメージだな。
荘厳かつ重厚っつーイメージなんだ。
そう言えば、小説の中でファシストの音楽とも表現してたよな。
ファシストに好まれたけど、バルジファルもそうなのか?
少なくともサイモンが聞くという感じじゃないんだけど?
説明求む。

 

 

192から722へ

ワグナーって変態じゃん。
パルジファルはキリスト教劇だけど、
「浄化による救済」をテーマに
宗教理念そっちのけで書かれたんだよ。
つまりキリスト教から見たらバチあたりなインチキ宗教劇なの。
「浄化による救済」がなんでバチあたりかっていうと、神が存在しなくてもできるじゃん。
たとえばオナニーしまくってオナニー的見地から悟って救われることもありえるわけじゃん。

ニーチェはワグナーに傾倒してたんだけど、
「パルジファル」で萎えちゃってワグナーと決別した。
そのあとグルグルから開き直って、なんでもかんでもすべて幸せに見えてきちゃって、
「ツァラトゥストラはかく語りき」を書いてから発狂した。

俺がテロのグルグルのなかで調べたところによると、
テロリズムにいたる心理っていうのがあって、
それは、厭世主義(ペシミズム)、虚無主義(ニヒリズム)、暴力主義(テロリズム)って
すすんでいくらしい。そして、そのあとにくる開き直りのなんでもOKの境地が、
ニーチェの陥った肯定主義。ニーチェの思想が「悪の思想」といわれるゆえんだ。

ナチスはニーチェの思想を下地にしていた。ヒトラーもワグナーの大ファンだった。
それから、ルドヴィヒ2世もキチガイだろ。
自分の妄想の世界を実現しようとへんてこなお城を作って、
そのイメージの大部分はワグナーからのインスピレーションなんだって。
ヒトラーはもちろん、ルドヴィヒ2世の行為だって、
自分の内面に向けられたファシズムだと思うよ。
で、たぶん俺もそのケがある。ワグナーには、
ある種のタイプが強烈に引き寄せられる何かがあるんだよ。

「断罪」のなかでナンパなサイモンがワグナーのレコード持ってるのは不思議?
うえに説明したような理由で、60年代の不良インテリもどきのあいだで、
ワグナーが流行ったらしいんだよ。
サイモンはテロとの対比でアメリカのエセ良心のヒッピー
(時代が合わないからネオサイケってことにしたが)に
したから、まあ、ワグナー聴いてても不自然ではないかと。
それから、あの話は俺の抜けだせなかった変態含む「闇」がテーマだからさ、
必然的に変態のBGMのワグナーを使ったというか、出てきちゃったというか…。

さて、ではなんでこんなわけわからんのが癒しになるのでしょうか。
良い子の俺は、ほんとは無理してるの。
だからホンネで癒されたいときは悪い子モードのほうがラクになれるの。
自爆テロだろうがホモマゾだろうが、自己嫌悪を忘れて好きなだけどっぷり妄想してさ。
んで、なんだか疲れたときとかグルグルがひどいときに、そういうスイッチが入っちゃうんだよね。

でさ、この返事遅れてたでしょ?なんか最近オナニーできなくなってきちゃったんだよ。
それで自動的にワグナーも聴かなくなっちゃったってわけ。
いいことなのか悪いことなのか、悩むところだ。

 

 

722から192へ

自淫に音楽必要なのか?つか音楽で抜けるの?
セクシー映画の音楽とかじゃなくて抜けるかあ?
オネーチャン妄想に音楽が付いてくるんじゃなくて、先に音楽ありきか・・・?
「浄化による救済」だのニーチェの思想だの何だかややこしい話になってきたなあ。
うぐぐ。ワーグナーがヘンタイ・・・混乱してきた。
正直、チンプンカンプンなんだが、ここは何となく解る。

>たとえばオナニーしまくってオナニー的見地から悟って救われることもありえるわけじゃん。

究めて悟りを開くってことだろう?宮本武蔵が決闘を続けながら剣で道を究めて「五倫の書」を
顕したみたいなのもね。ここで剣豪が出てくるのも何だか・・・(苦笑)

>ワグナーには、ある種のタイプが強烈に引き寄せられる何かがあるんだよ。

確かにルードヴィヒ二世は家系に狂人がいて自身も妄想狂でナゾの死を遂げた人物だし、
ヒトラーはご存知の通り、ファシストで偏執狂だし、ニーチェは虚無主義で
最後は梅毒で死んだんだっけか?(間違っていたらスマソ)
真性狂人みたいな人に好まれているよなあ。

内面に向けられたファシズムね・・・自虐趣味のことだな。
ファシズムってSMと表裏一体のような気がする。
「断罪」でハイジャックメンバーが聞くのにはぴったりかもな。
俺もバルジファルを一度は聞いてみよう。どんな風に感じるか今から興味ある。

>良い子の俺は、ほんとは無理してるの。
>だからホンネで癒されたいときは悪い子モードのほうがラクになれるの。

ここでは無理しなくていいぞ。バルジファルでも何でも聞いて自由にしてろよ。
じゃないと息がつまってしまうぞ。
お前の魅力は自由に振舞う小悪魔みたいなところにあるんだからさ。解ったな?
あ、それからルードヴィヒは真性モホモホね。深い意味はないけど、一応知らせておく。

独白・・・ 小僧は相も変わらず難解なことを言うので、レスに困っちまったぜ。
じゃ、俺も俺の好きなUSAヒットチャートでも聞いて、
音楽のみで可能かどうかチャレンジしてみるか。

 

 

192から722へ

ニーチェの脳梅毒説は有名だよね。
真偽はわからないけど、発狂して死んだことは確かだ。
それから、ファシズムとSMは内面的に感応するところはあるのかもな。
ボンデージファッションなんかナチスのアイテムも使うし、
つか、ナチスの制服とかカギ十字とか、「ハイルヒトラー」のポーズなんて、
一種のフェティッシュ的な様式美の極地じゃない?

それで思い出したけど、リリアーナ・カヴァーニの「愛の嵐」っていう映画見たことある?
収容所で出会ったユダヤ人の少女とナチスの将校の退廃的な変態エロエロの話なんだけどさ。
女の子が髪を短く切って、男物の皮のパンツに上半身は裸、ナチスの帽子かぶって、
将校たちのまえで歌うシーンがあるんだよ。
なんつか、内面に向けられたファシズムを象徴した絵の一枚だな。

で、話がチンプンカンプンだって?
あたりまえだ。俺のチンプンカンプンな頭で考えたことだからな。
つことで、正統派クラシックファンの皆様、真面目に思想や哲学を勉強している皆様、
良心的にラブ&ピースを追求している皆様、キチガイの戯言だと思って、
笑い飛ばしてやってください。
722は、せいぜいがんばってヒットチャートで抜いてみてください。成功を祈る。

俺も独白・・・なんだかおっさんはミョーにホモにこだわってるような気がするんだが。
そんなに俺とモホモホになりたいのか、それとも逃げる準備をしているのか、いまのところ謎だ…。

 

2002.4.24

 



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